1 本願商標
本願商標は、「TIEGA」の文字を標準文字で書してなり、第37類「SR放射光を用いて合成樹脂・金属等の材料を微細加工する装置の修理又は保守」及び第40類「SR放射光による合成樹脂・金属等の材料の加工」を指定役務として平成13年6月1日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第4177665号商標は、やや図案化された「TIGER」の文字を横書きしてなり、平成9年1月21日に登録出願され、第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成10年8月14日に設定登録されたものである。
同じく登録第4458083号商標は、上記登録第4177665号商標と同一の構成からなり、平成11年4月21日に登録出願され、第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成13年3月9日に設定登録されたものである。
同じく登録第4458085号商標は、上記登録第4177665号商標と同一の構成からなり、平成11年4月21日に登録出願され、第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成13年3月9日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえないから、その綴り字に応じてローマ字読み又は英語読みされるのが自然というべきである。
そうすると、本願商標は、ローマ字読みで「チエガ」又は英語読みで「タイガ」との称呼を生ずるものである。
一方、引用商標は、「虎」を意味する極めて平易な英語からなるものと認められるから、「タイガー」の称呼を生ずるものである。
しかして、上記「チエガ」の称呼と「タイガー」の称呼とは、相違する各音の音質の差、音構成の差等により明瞭に区別できるものである。
また、上記「タイガ」の称呼と「タイガー」の称呼とは、前者が3音、後者が長音を含めて4音といずれも比較的短い音構成であるばかりでなく、前者が末尾に余韻をもたずに簡潔に発音されるのに対し、後者は「虎」を意味する英単語の表音であって常に末尾を「ガー」と明瞭に伸ばして発音されるものであるから、両称呼におけるこの差異が全体に及ぼす影響は決して小さくないものである。
加えて、本願の指定役務は、極めて限定された分野に属するものであって、これらの分野においては、高度な専門技術が要求され、商標の異同、特に欧文字については相当の注意が払われると推測されることからすると、造語としての「TIEGA」の綴りから生ずる称呼と、「虎」の意の親しまれた英語としての「TIGER」の綴りから生ずる称呼とは明らかに異なったものとして区別されるというべきである。
そうすると、「タイガ」の称呼と「タイガー」の称呼とは、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感音調が相違したものとして聴別され、彼此紛れるおそれはないというべきである。
さらに、本願商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観及び観念について類似するものとすべき理由は見当たらない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消を免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。