Trademark Appeal Case
e-読影・支援の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−19043(T2002−19043/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「e−読影・支援」の文字を標準文字により表してなり、第9類、第10類、第37類、第38類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成13年6月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中の『e−』の語が例えば『e−メール』の如く『通信ネットワークを介した電子的』等の意味合いで広く使用され、また『読影』が『レントゲンやCTスキャンの画像等を読み取り医療情報を導く医療行為』の一つを表すことより、全体として『通信ネットワーク等を利用して行われる医療画像の解析に関する支援及び情報の提供』程度の意味合いを想起させるものであって、指定役務との関係においては、単に提供される役務の質(内容)を表したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、医療の分野においては、情報技術(IT)の目覚ましい進展に伴い、通信ネットワークを利用することによって、遠隔地の医療機関等で撮影されたレントゲン写真やコンピュータ断層撮影装置(CT)、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)等による画像を医師が見て診断し又は診断の支援をすることが行われており、この診断は、「読影」、「遠隔読影」、「読影支援」、「遠隔読影支援」等と称されている。そして、上記診断のためのコンピュータシステムや装置が開発され、「読影支援システム」、「コンピュータ読影支援システム」、「読影支援ソフトウエア」、「読影支援サービス」、「読影用装置」等と称されている。このことは、例えば、以下の新聞記事やインターネットにおける表示からも明らかである。
1)毎日新聞2005.01.28中部朝刊
「写真付き診断依頼ソフト、愛知・蒲郡の眼科医療機器メーカーが開発」の表題下における「...医療機関が検診などで撮影した眼底写真を専門医に送信し、詳しい診断を依頼するパソコンソフト『読影支援ネットワーク』を開発した。」との記述
2)読売新聞2003.08.09大阪朝刊
「[健康&医療]遠隔医療 地域の診療、専門医が支援 画像診断の質向上」の表題下における「コンピューター断層撮影法(CT)や磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の画像を転送し、テレビ会議で意見交換する。画像診断では、がんの有無などを見極めるため、経験豊かな医師による『読影』が大切だ。」や「島の診療所などからCT、MRI、心電図などの画像を送り、香川医大の専門医が読影する。」との記述
3)読売新聞2002.12.12東京朝刊
「金沢大学などのグループ、遠隔医療システム開発 光回線で北陸3県結ぶ=石川」の表題下における「...同センターにCTやMRIを送って、その場で金大付属病院の医師らに読影してもらい、アドバイスをもらったり、判断を仰いだりすることが可能となる。」との記述
4)日刊工業新聞2002.11.06
「東芝、電子カルテ対応型画像情報システムを開発」の表題下における「遠隔地の医療機関で撮影された診断画像を院内ネットワークを通じて受診、診断所見リポートを付けて返信する遠隔読影支援システムなど、」との記述
5)流通サービス新聞1999.12.14
「市場NOW/遠隔医療(3)本格化へ多いハードル」の表題下における「提携医療機関から伝送されるCTやMRIの画像を専門医が読影する診断支援サービスは、95年からスタートしている。検査データについては、X線、CT、MRI、内視鏡像、超音波画像、眼底写真などのほか、心電図、脳波など生理機能検査結果の伝送も対象。」との記述
6)日刊工業新聞1999.07.30
「NTT、放医研と肺がん検診用CT画像読影支援システムを共同開発」の表題下における「NTTは放射線医学総合研究所と共同で、比較読影が行える肺がん検診用コンピューター断層撮影装置(CT)画像読影支援システムを開発した。」や「大量のCT画像情報を、医師が読影する際に汎用パソコンや...」との記述
7)日刊工業新聞1995.03.30
「激変への予感・医薬産業(42)広がる在宅医療−異業種の参入活発化」の表題下における「CTスキャン、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)などの画像診断センターと医療機関を総合デジタル通信網(ISDN)で結び、リアルタイムで専門医の診断が受けられる『ホスピット画像読影支援サービス』をするなど、」との記述
8)流通新聞1994.09.20
「話題の会社/セコム−30期連続増収増益。新規契約、次々と累積」の表題下における「CTスキャン、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)などの画像を読影診断するセンターと契約医療機関を総合デジタル通信網(ISDN)で結び、緊急の場合でも、リアルタイムで専門医の診断が受けらることができるよう一億円を投じて開発した『ホスピット画像読影支援サービス』もその一つ。」との記述
9)www.dia-medical.net/
「遠隔読影支援サービス『DMNサービス』へようこそ」の表題下における「画像診断医による精度の高い読影を、全国どこからもすばやくご利用いただけます。」との記述
10)www.mss.co.jp/techinfo/CADProj/products/TruediaXR/Viewer.html
「読影支援ソフトウエア・TruediaXR読影用装置」の表題下における「Truedia/XR読影用装置.<<構成例>>検診モード.一日に100人規模の胸部読影を必要とする読影現場の声を取り入れ、検診業務を強力にサポートする機能を搭載しました。」との記述
11)www.jcr.or.jp/news123/123-1b.html
「画像情報管理サーバを用いた読影支援システムの」の表題下における「特集 日常放射線診療における読影体制の現状と電子化への道.画像情報管理サーバを用いた読影支援システムの構築」との記述
12)www.nirs.go.jp/report/nenj/h13/honbun/2/2-2/2-2-4-3.html
「放射線医学総合研究所年報−平成13年度」の表題下における「3.3CT撮影システム、診断支援システムおよびそれらを高速ネットワーク接続した読影支援システムによる遠隔読影実験を行い、システムの性能を評価する」との記述
13)medical.secom.co.jp/hospi-net/outline/whats-service.html
「ホスピネットサービス」の表題下における「...オンラインによるタイムリーな診断支援・主治医と読影専門医の読影支援による高度医療の提供」との記述
そうすると、本願商標中の「読影・支援」の文字部分は、医療機関等で撮影されたレントゲン写真やコンピュータ断層撮影装置(CT)、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)等による画像を医師が読み取り診断ないしは診断の支援をすることの意味合いを容易に認識し理解せしめるものというべきである。
そして、この文字部分の前に付された「e−」の文字は、「e−メール」、「e−コマース」、「e−ビジネス」、「e−ショッピングモール」、「e−政府」のように、他の語の前に付して、インターネット等の電子通信を利用した知的活動であることを示すために、一般に広く使用されているものであり、それ自体では自他商品の識別機能がないか極めて弱いものである。
かかる事情に加えて、本願の指定役務には「医業、医療情報の提供、健康診断、歯科医業」等の役務が含まれていることが明らかである。
以上を総合勘案すれば、上記意味合いを有する「e−」及び「読影・支援」の文字を結合してなる本願商標は、その指定役務について使用しても、単に役務の質(内容)を表示したものとして認識されるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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