Trademark Appeal Case
品質・機能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−18515(T2002−18515/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「においも、けむりも!」の文字を横書きしてなり、第11類「家庭用電熱用品類,暖冷房装置,業務用脱臭分煙装置その他の業務用空気清浄機」を指定商品として、平成13年7月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、「においも、けむりも!」の文字を書してなるところ、これを本願指定商品に使用するときは「においや、けむり等を処理する商品」等の意味合いを理解させるにとどまり、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質の効果(イメージ)を表示する、販売促進用のキャッチフレーズの一類型であると理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当します。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
各種企業が自己の製造、販売に係る商品について、その顧客誘引のための宣伝・広告において、当該商品の有する性能・機能等を端的に表現し、その商品が優良なものであるとの印象を需要者等に強く与えるために、商品を誇示、強調した種々の宣伝文句を随時採択使用していることは、一般の商取引の場において見られるところである。
そこで、本願商標についてみると、その構成は、前記のとおり、「においも、けむりも!」の文字を横書きしてなるところ、構成中の「においも」及び「けむりも」の各文字は、それぞれ、「臭いも」、「煙も」に通じ、また、その構成中末尾の感嘆符「!」は、「においも」と「けむりも」の語をより強調したものと理解されるものである。
次に、本願商標をその指定商品との関係から検討するに、本願商標の指定商品中には、「(家庭用・業務用)空気清浄機、業務用脱臭分煙装置、エアコンディショナー、電気暖房機」等が含まれているところ、これらの機器にあっては、より快適な環境の実現のため効果的に効率よく、臭いや煙等の処理をすることが不可欠な性能・機能の一つとなっており、その性能等に対する需要者の関心も強いものがある。そして、これら商品を取り扱う業界においては、各社とも様々な工夫を凝らし、臭い及び煙等を強力に吸収、除去等する高性能・高機能なものであること、あるいは、煙や臭い等を出さず空気を汚さないクリーンなものであることなどをセールスポイントとし、そのことを端的に示すためにキャッチフレーズ等として「臭い」「煙」の語句が普通に用いられている。
また、新聞記事やインターネットのホームページ情報によれば、「臭い」、「煙」の語句が、空気清浄機等を取り扱う分野において、以下のように使用されていることが認められる。
(1)「三菱電機はたばこの煙やにおいを吸い取り、除去するための分煙システム市場に参入した。・・・同社はエアコン向けに開発したフィルター技術を採用、煙の粒子をほぼ100%除去する高性能を売り物に幅広い製品群を投入する。・・・たばこの臭いであるアセトアルデヒドなども空気清浄機で使うプラズマ作用で分解する。」(1999年4月18日付日本経済新聞記事に係るデータベース情報より抽出)
(2)「分煙カウンター・テーブル・空気清浄機」について、「【主な性能】強力な吸引力で漂う煙まで強制誘導。空気中に漂うチリや花粉などもしっかりキャッチします。プラズマと脱臭でタバコのニオイを一気に除去。(インターネット情報 http://www.e-aircon.jp/ac/kiki/bunen1.html)
(3)「オイルヒーター」について、「世界中で愛されているドイツZASS社製のタイマー付クリーンオイルヒーター。煙も臭いもなく空気を汚さないクリーン暖房で安全性も抜群!」との用法(インターネット情報 http://www.gin2.com/0101/01010029.html)
(4)「空気清浄機」について「空気清浄機の最新型 驚きの吸着力!いや〜な花粉も、タバコの煙も臭いも、ハウスダスとも しっかり吸い取ります!」(インターネット情報 http://www.tsurumaki.co.jp/idea/fandy_hepa.html)
(5)「空調・換気システム」について、「パワフルな捕煙力+充実バリエーション。タバコの煙も臭いも強力に吸引。」(インターネット情報 http://adopt.netplusone.com/products/air.html)
(6)「喫煙(分煙)テーブル」について、「パワフル捕煙・パワフル集塵・パワフル脱臭で煙ににおいにだんぜん強い。」(インターネット情報 http://www.ac-aircon.jp/kitsuen/mitsubishi/)
(7)「窓エアコン冷房専用」について、「<快適機能>・換気(強制排気)機能・・・タバコの煙や二酸化炭素などの空気汚れやニオイ、シックハウス症候群の主な原因とされる建材・接着剤から発生する化学物質で汚れた空気を強制排気するコロナ窓エアコン。」(インターネット情報 http://www.citygas.co.jp/shop/5814.html)
このような実情の下に、本願商標をその指定商品中の臭いや煙等を取り除き空気をきれいにする商品あるいは臭いや煙等を出さないことを特徴とする商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が臭いや煙を効率よく吸収・除去等する、あるいは煙や臭いが出ない、ことを端的に表現し誇示的表示として、当該商品の販売促進を図るための一種の宣伝文句を表したものとしてしか認識し得ず、自他商品の識別標識として認識し理解することはないというべきであるから、結局、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
してみれば、本願商標をその指定商品中の上述した商品に照応する商品といえる、「家庭用空気清浄器、業務用脱臭分煙装置、業務用空気清浄機、エアコンディショナー、電気暖房機」等に使用するときには、当該商品が、臭いと煙を効率的に処理(吸収、除去等)する、あるいは空気を汚さないことを特徴とする商品であること、すなわち、商品の機能性、優位性を強調するための語と理解させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。また、上記の機能又は特徴を有する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
なお、請求人は登録例を示して、本願商標が自他商品識別機能を有する旨主張しているが、商標の識別性の判断は、個別具体的になされるべきものであり、また、請求人の掲げる登録例は、本願商標とその構成態様を異にするものであり、事案を異にするものであるから、請求人のかかる主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、これを取り消す限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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