Trademark Appeal Case
SOLUTION商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−3710(T2002−3710/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「724 SOLUTIONS」の文字を標準文字により書してなり、第9類「インターネットを利用するためのコンピュータプログラムを記憶させた磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・その他の記録媒体,その他のコンピュータプログラムを記憶させた磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・その他の記録媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品」、第36類「株式市況・金融市場・外国為替市況・金融商品・金融市況・投資・その他の金融に関する情報の提供」、第37類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守」、第41類「娯楽に関する情報の提供」及び第42類「コンピュータネットワーク及び通信ネットワークの設計・作成・保守・管理又は開発,コンピュータシステムの設計・作成・保守・開発又は管理,ニュース・天気予報・スポーツに関する情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定商品及び指定役務として、平成12年2月9日に登録出願されたものである。
平成13年7月23日付手続補正書により、上記指定役務中、第41類については「娯楽に関する情報の提供,スポーツに関する情報の提供」に、及び第42類については「コンピュータネットワーク及び通信ネットワークの設計・作成・保守・管理又は開発,コンピュータシステムの設計・作成・保守・開発又は管理,気象情報の提供,新聞記事情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に補正されている。
第2 引用商標
原査定において、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(6)に示すものである(以下、纏めては「引用各商標」という。)。
(1)登録第1925352号商標(以下「引用商標(1)」という。)は、「SOLUTION」の文字を横書きしてなり、昭和59年8月9日に登録出願され、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同62年1月8日に設定登録されたものである。
(2)登録第1925353号商標(以下「引用商標(2)」という。)は、「ソリューション」の文字を横書きしてなり、昭和59年8月9日に登録出願され、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同62年1月8日に設定登録されたものである。
(3)登録第3217382号商標(以下「引用商標(3)」という。)は、平成4年12月25日に登録出願され、「ソリューション」と「SOLUTION」の文字とを二段に併記してなり、第41類「技芸・スポ―ツ又は知識の教授,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキ―用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコ―ド又は録音済み磁気テ―プの貸与,録画済み磁気テ―プの貸与」を指定役務として、同8年10月31日に設定登録されたものである。
(4)登録第3249768号商標(以下「引用商標(4)」という。)は、平成4年12月16日に登録出願され、「ソリューション」と「SOLUTION」の文字とを二段に併記してなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,船舶の修理又は整備,船舶の建造,航空機の修理又は整備,自転車の修理,自動車の修理又は整備,鉄道車両の修理又は整備,二輪自動車の修理又は整備,映写機の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,電話機の修理,土木機械器具の修理又は保守,ラジオ受信機又はテレビジョン受信機の修理,家具の修理,楽器の修理又は保守,時計の修理又は保守,洗濯,被服のプレス,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与」を指定役務として、同9年1月31日に設定登録されたものである。
(5)登録第3301014号商標(以下「引用商標(5)」という。)は、「SOLUTION」のやや図案化した文字を横書きしてなり、平成5年6月29日に登録出願され、第36類「資金の貸付け及び手形の割引,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理または媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として、同9年5月9日に設定登録されたものである。
(6)登録第3308602号商標(以下「引用商標(6)」という。)は、「ソリューション」の文字を横書きしてなり、平成5年6月29日に登録出願され、第36類「資金の貸付け及び手形の割引,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理または媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものである。
第3 請求の理由(要旨)
1.本願商標は「724 SOLUTIONS」であり、出願人の略称を表したものである。インターネット上のウェブサイト上に掲載されている出願人に関する記事を参照すると、出願人のことを「724 Solutions」、「724 SolutionsInc.」、「724 Solutions社」等と紹介する事実は認められるが(意見書の第1号証ないし第8号証)、「Solutions」と略して称呼するというような事実は認められない。また、本願商標中「SOLUTIONS」の文字は、「解釈、説明、解法、解式、解答」等といった意味を有する「SOLUTION」の複数形である(第2号証ないし第4号証)。したがって、本願商標「724 SOLUTIONS」全体からは、「724の解釈、説明、解法、解式、解答」等といった観念が生じることが認められる。
このような事実を考慮すると、本願商標に接する取引者・需要者は、本願商標を「Solutins」とは認識せず、「724 SOLUTIONS」としてのみ認識すると判断するのが自然である。
2.過去の登録例として下記の商標が登録されている。
(a)「Tm @ Solution + 図形」(意見書の第9号証)
(b)「SANYO The smart solution」(意見書の第10号証)
(c)「AS/ソリューション」(意見書の第11号証)
上記(a)ないし(c)の商標は、引用商標(1)「SOLUTION」及び引用商標(2)「ソリューション」が存在するにもかかわらず、登録されている(これらの商標の指定商品は類似する。)。
(d)「98BestSolutions」(意見書の第12号証)
(e)「NBSolution」(意見書の第13号証)
(f)「CSOLUTION」(意見書の第14号証)
(g)「Tm@solution」(意見書の第15号証)
上記(d)ないし(f)の商標は、引用商標(1)、(2)及び(4)が存在するにもかかわらず、登録されている(これらの商標の指定商品又は指定役務は類似する。)。また、上記(g)の商標は引用商標(4)が存在するにもかかわらず登録されてる。
上記(a)ないし(g)の商標がすべて登録されているのは、これらの商標の要部は「Solution」又は「ソリューション」の文字部分ではないと判断されたからに他ならない。換言すれば、上記(a)ないし(g)の商標は全体としてのみ把握されるものと判断されたからといわざるを得ない。しかも、意見書に添付した第16号証及び第17号証によると、「ソリューション」及び「solution」の文字は、現時点においては、識別力がない語であると認められる。
3.以上のような事情を考慮すると、本願商標も「724 SOLUTIONS」の文字全体としてのみ認識されると判断すべきである。そうとすると、「ソリューション」の称呼のみが生ずる引用各商標とは非類似であると判断すべきである。
第4 当審の判断
1.商標法第4条第1項第11号の該当性
(1)本願商標の構成について
本願商標は、その構成上記したとおり標準文字により、数字と欧文字との字種の異なる「724」と「SOLUTIONS」の文字とを一文字分のスペースを設けて「724 SOLUTIONS」と書してなるものであるから、構成前半の「724」と、同後半の「SOLUTIONS」とは、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、観念上もこれら各文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しない。
(2)本願商標の認識について
そして、「SOLUTIONS」の文字(語)は、「解釈、説明、解法、解式、解答」等の意味を有する「SOLUTION」に「S」を付加したものであって、これにより、かかる意味合いとは別異な観念を理解する程でないものであり、また、「724」は、任意に数字3桁を羅列したものとみる以上に格別な印象を残すものとはいい難いものであって、例えば、該数字を他の数字3桁に代えてみても、「SOLUTIONS」ないし本願商標全体の印象に強く影響を及ぼすような格別の事由も見出せないものである。
(3)本願商標の要部について
そうすると、本願商標を構成する「724」の数字と「SOLUTIONS」の欧文字とは、その主従・軽重の差は大きく、これを本願の指定商品ないし役務に使用するときは、その構成中にあって強く印象つけられる「SOLUTIONS」の文字に着目し、該文字部分をもって取引指標と認識して取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。
(4)本願商標の外観、観念及び称呼について
したがって、本願商標は、構成中の「SOLUTIONS」の文字部分が独立した自他商品の識別標識として機能し、その欧文字綴りからの外観印象、「解釈、説明、解法、解式、解答」等といった意味の想起、及び「ソリューションズ」又は「ソリューションス」の称呼を生ずる商標といわなければならない。
(5)引用商標の外観、観念及び称呼について
他方、引用各商標は、上記したとおり「ソリューション」、「SOLUTION」又は各文字を併記した構成よりなるものであって、「解釈、説明、解法、解式、解答」等といった意味、その構成文字に相応して「ソリューション」の称呼を生ずるものである。
(6)本願商標と引用商標の類似について
(ア)称呼の比較
本願商標より生ずる「ソリューションズ」又は「ソリューションス」の称呼と、引用各商標より生ずる「ソリューション」の称呼とを比較するに、両者は聴者の耳に最も強く印象に残る語頭音を含む前4音「ソリューション」を共通にし、わずかに語尾における「ズ」又は「ス」の音の有無の差違を有するに過ぎないものであって、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が近似し彼此相紛れるおそれがあるものと判断するのが相当であるから、本願商標と引用各商標とは、称呼上類似するというべきである。
(イ)観念の比較
また、引用各商標を構成する「SOLUTION」及び「ソリューション」の各文字は、「解釈、説明、解法、解式、解答」等といった意味を有する英単語ないし読み方を表した外来語といえるものであり、また、本願商標の「SOLUTIONS」からは、かかる意味合い以上の観念を生ずるものでないから、本願商標と引用各商標とは、観念上同一にするものである。
(ウ)外観の比較
引用商標(1)及び(5)は「SOLUTION」の文字により構成され、引用商標(3)及び(4)は「ソリューション」と「SOLUTION」の文字とを併記した構成であり、これら「SOLUTION」の欧文字と本願商標の「SOLUTIONS」欧文字部分とは、語尾における「S」の有無以外の綴り字を共通にするものであって、両者は彼此見誤るおそれがあるものと判断するのが相当であるから、本願商標と引用商標(1)(3)(4)及び(5)とは、外観上類似するものというべきである。
(エ)してみれば、本願商標と引用各商標は、外観、観念及び称呼上からみて商標が類似するといわなければならない。
(7)本願と引用商標の指定商品・役務の類似について
本願の指定役務中 第42類「コンピュータネットワーク及び通信ネットワークの設計・作成・保守・管理又は開発,コンピュータシステムの設計・作成・保守・開発又は管理,気象情報の提供,新聞記事情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を除く、本願の指定商品及び指定役務と引用各商標の指定商品又は指定役務とは、同一又は類似の関係にあるといえるものである。
2.請求人の主張
(1)請求人会社の略称について
請求人は、本願商標は請求人(出願人)の略称である旨主張し、証拠としてインターネット上のウェブサイト上の掲載情報(意見書の第1号証ないし第8号証)を提出している。確かに、請求人(出願人)のことを金融機関向けのインターネットのインフラ構築ソフトを手掛ける企業であることやその製品についての記事において、請求人(出願人)の略称としての「724 Solutions」、「724 SolutionsInc.」、「724 Solutions社」等の掲載事実は認められるものであって、金融機関ないし金融サービスプロバイダー等の取引者間にかかるインフラソフト開発企業の略称として一定程度知られているとしても、特定の商品ないし役務についての商標としての使用事実は認められないし、本願の指定商品及び指定役務は、当該取引者に限らずその需要者は一般消費者にもわたって取引に資される商品又は役務を含むものであり、請求人(出願人)の略称であること及びその掲載事実をもって、本願商標の各文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情といえないから、請求人の主張をもって、上述の認定を覆すに足りないといわざるを得ない。
(2)「SOLUTION」及び「ソリューション」について
請求人は、「SOLUTION」及び「ソリューション」の語は、現時点においては、識別力がない旨主張し、証拠として「SOLUTION」ないし「ソリューション」の文字を有する過去の登録例(意見書の第9号証ないし第15号証)、商標を「ソリューション」の文字とする拒絶理由書(意見書の第16号証)及び「ソリューション【solution】」の用語についてのインターネット上のウェブサイト情報(意見書の第17号証)を提出している。しかし、請求人は、本願商標の指定商品又は指定役務中の如何なる指定商品又は指定役務に使用された場合に自他商品又は役務の識別力がないのかについて具体的な主張をしていないし、「ソリューション」及び「solution」の文字が情報通信の分野をはじめ各分野において使用されているとしても、これが独立した語として如何なる事柄について記述し、本願の指定商品ないし役務に係る商品又は役務についての品質(質)などを具体的に表示するものかは明らかでなく、該語が現時点において識別力がないと確証させるものは見出せなから、この点に関する請求人の主張は認め難いところである。
3.結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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