Trademark Appeal Case
ゆとり設計の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−18807(T2002−18807/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ゆとり設計」の文字を標準文字としてなり、第11類、第16類及び第37類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品又は指定役務として、平成13年9月13日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ゆとり設計』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、その文字は『余裕があり、窮屈でない設計』を容易に想起させるものであり、また、住宅の他、機械器具やその他の商品について上記意味合いを表すものとして広く使用されているものであるから、これをその指定商品に使用する場合、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審において通知した審尋
当審において、本願について改めて証拠調べを行った結果、本願商標をなお、商標法第3条第1項第3号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、商標法第56条において準用する特許法第150条の規定により、請求人に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した審尋書の内容は以下のとおりである。
請求人は、平成14年12月27日付けの審判請求書の請求の理由において、本願商標の使用状態を示す資料の提出する旨、述べているが、その後、何らの手続きもなされていないので、現在の状況について回答されたい。
また、本願商標は、原審において、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の拒絶理由を通知し、本願を拒絶したものであるが、「ゆとり設計」の文字が、住宅、機械器具、その他の商品及び役務について商品の品質及び役務の質を表示するものとして、使用されている事実が、例えば、新聞記事情報、インターネットにおいて以下のように認められるので、これについても意見があれば併せて応答されたい。
(1)1990.8.25 「日刊工業新聞」15頁
神戸製工所は、・・・外観的には丸い屋根をつけるほか、内部も吹き抜けや
ゆとり設計
で英国風の伝統とモダン建築様式をミックスしたものにする計画。
(2)1996.2.21 「日刊工業新聞」27頁
アシックス、ビジネスウーマン向けに新シリーズ。外反ぼしに配慮して
ゆとり設計
・・この春夏むけに快適でしかもデザインを考慮した「ワラッジシリーズ/エレガンス・コンフォート」を発売する。親指への圧迫が少なく、ゆとりのある美しい設計、クッション・屈曲性に優れた素材を使用してカッパツナフットワークを実現したのが特徴。
(3)1999.8.4 「日刊工業新聞」21頁
矢作建設工業の子会社、矢作地所は、・・・・・。ニーズも「家庭だんらん用リビング」
中心の間取りや値段の安さより、価格は高くても個室重視やガーデニングなどの
ゆとり設計
さらには介護のための設備やサービスなど多様化している。
(4)「http://www.hokuetsu.jp/6_b_1.html」
「株式会社ホクエツ ゆとりある籾摺り調整作業には、ホクエツの昇降機付玄米タンク
・・・昇降機は、
ゆとり設計
の4インチを使用。」
(5)「http://www.juniper.co.jp/solutions/literature/white_papers/552004_01.html」
「インターネットプロセッサ‖ASICは、それ自体、最適に設計されている上に、Mシリーズルーターがサポートインターフェースに対しては余裕のある設計が施されています。この
ゆとり設計
によって、・・エッジアプリケーションに不可欠な付加価値機能に対応する垂直的なパケット処理空間が設けられています。」
(6)「http://www.daiwahouse.co.jp/topix/release_32.html」
「<平屋建住宅> ・・・商品特長・・・4.・・将来的に車椅子での生活となった際でも不便がないように廊下・トイレ・洗面室を
ゆとり設計
とし、バリアフリー対策も万全です。」
(7)「http://house.biglobe.ne.jp/magazine/reform/showroom/02.html」
「TOTOイチ押し! ・・・“浴槽の大きさ”にこさわる男性が多いこともあって、足の伸ばせる
ゆとり設計
が人気上昇中。」
4 当審の判断
当審において、請求人に対し、上記3の審尋を通知し、相当の期間を指定して回答書を提出する機会を与えたところ、平成17年1月14日付けにて、請求人より「調査した結果、審尋を覆す資料が見あたらないため、審尋に対する回答書は提出しない」旨の上申書が提出された。
よって、判断するに、本願商標は、前記1のとおり、「余裕のあること。窮屈でないこと」を意味する語である「ゆとり」の文字と「製作・工事などに当たり、工費・敷地・材料および構造上の諸点などの計画を立て図面その他の方式で明示すること」を意味する語(広辞苑第5版:株式会社岩波書店発行)である「設計」の文字とを一連に「ゆとり設計」と横書きしてなるものであるから、これよりは、「余裕があり、構造上窮屈でない設計」の意味合いを容易に理解・認識させるとみるのが相当である。
さらに、「ゆとり設計」の文字が、各種機械器具や住居(空間)やその他の商品・役務においても普通に使用されていることは、前記3の審尋書で示したとおりである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する需要者をして、「余裕があり、構造上窮屈でない設計」であるものと理解するに止まり、単に商品の品質(内容)・役務の質(内容)を表示したものと認識するにすぎず、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。