結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30096(T2003−30096/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4257215号商標(以下「本件商標」という。)は、「話力」の文字を横書きしてなり、平成9年9月19日に登録出願され、第41類「話し方の教授,文章の書き方に関する知識の教授,ビジネス能力開発セミナーの企画・運営または開催,ビジネス能力開発講座における知識の教授」を指定役務として、平成11年4月2日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁の要旨を次のように述べている。
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していない。
したがって、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)登録商標の使用と認められるためには、使用商標が登録商標と同一の商標であるか又は商標法第50条第1項かっこ書きにおいて規定する「当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」でなければならない。
そこで、上記観点に立って、被請求人の主張及び使用商標について検討する。
(ア)『「話力」コース』(乙第 1 号証):これは、カギかっこで括った「話力」の漢字と「講座」等の意味を有する「コース」のカタカナ文字を横書きしてなるものであって、「話力」の漢字を横書きしてなる本件商標とは同一の商標ではない。また、この使用商標からは「ワリョクコース」の称呼及び『「話力」の講座』の観念が生ずるので、「ワリョク」の称呼及び「話力」の観念が生ずる本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
(イ)「話力上級」(乙第2号証及び乙第3号証):これは、「話力」の漢字と「階級・等級が上であること」を意味する「上級」の漢字を横書きしてなるものであって、本件商標と同一の商標ではない。また、この使用商標からは「ワリョクジョウキュウ」の称呼及び「話力の上級レベルの講座」の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
「話力・上級指導」(乙第4号証ないし乙第8号証):これは、「話力」の漢字と「上級指導」の漢字を「・」の記号を介して横書きしてなるものであって、本件商標と同一の商標ではない。また、この使用商標からは「ワリョクジョウキュウシドウ」の称呼及び「話力の上級レベルの指導」の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
「高度話力」(乙第19号証):これは、「程度が高いさま」等の意味を有する「高度」の漢字と「話力」の漢字を横書きしてなるものであって、本件商標と同一の商標ではない。また、この使用商標からは「コウドワリョク」の称呼及び「程度の高い話力」の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
「話力開発」(乙第20号証ないし乙第22号証):これは、「話力」の漢字と「潜在している才能などを引き出し伸ばすこと」等の意味を有する「開発」の漢字を横書きしてなるものであって、本件商標と同一の商標ではない。また、この使用商標からは「ワリョクカイハツ」の称呼及び『話力に関する潜在している才能などを引き出し伸ばすこと』の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
「高度話力<マルR>」・専門コース」(乙第23号証):これは、「高度話力」の文字と「専門コース」の文字を「・」の記号を介して横書きしたものであるが、このうち「高度話力」の部分は、上記の通り、本件商標と同一の商標でも社会通念上同一と認められる商標でもない。なお、この「高度話力」の文字には「<マルR>」の記号が付されているが、この「高度話力」は「話力」の文字からなる本件商標とは異なる商標であり、しかも、被請求人は「高度話力」の文字からなる商標については登録を有していないので、「高度話力」の文字への「<マルR>」の記号の付加は虚偽表示であるといわざるを得ない。
また、被請求人の現在のホームページ(h t t p://w w w. c o m g a k u i n. j p / m a i n_0 3. h t m l)をみると、「話力<マルR>」の部分をカギかっこで括り『高度「話力くマルR>」・専門コース』と表示されているが、「高度」の文字は「話力」の文字を修飾する文字であると理解することができ、『高度「話力」』の部分からは「コウドワリョク」の称呼及び「程度の高い話力」の観念が生ずるので、結局、本件商標と同一の商標でも社会通念上同一と認められる商標でもない。
(ウ)『「話力教室」コース/話力入門』(乙第9号証):これは、かっこで括った「話力教室」の漢字と「講座」等の意味を有する「コース」のカタカナ文字を横書きし、さらに「/」の記号を介して「話力入門」の漢字を書してなるものであって、このうち『「話力教室」 コース』の部分は本件商標とは同一の商標ではない。また、この部分からは「ワリョクキョウシツコース」の称呼及び『「話力教室」の講座』の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。なお、被請求人は、この「話力教室」における要部は「話力」の部分に存するから、「話力」の文字を有する使用商標は本件商標の使用に該当する旨主張しているが、被請求人は本件商標とは別に「話力教室」からなる登録商標(登録第4424041号)を所有している以上、カギかっこで括られた「話力教室」の部分はその登録商標を表示したものにほかならず、本件商標の使用には該当しない。
(エ)『「話力教室」コース/話力入門』(乙第10号証):上記(ウ)と同様、本件商標と同一の商標でも社会通念上同一と認められる商標でもない。
(オ)「(話力開発指導・ビジネスコミュニケーション教育)」(乙第11号証〜乙第16号証):これは、「話力開発指導」の文字と「ビジネスコミュニケーション教育」の文字を「・」の記号を介して横書きし、さらに全体をかっこで括ってなる商標であって、本件商標と同一の商標ではない。また、この使用商標の構成中の話力開発指導」の部分からは「ワリョクカイハツシドウ」の称呼及び「話力に関する潜在している才能などを引き出し伸ばすための指導」の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
「実戦話力」、「本物の話力」(乙第17号証及び乙第18号証):これは「実際の戦闘」の意味を有する「実戦」の漢字と「話力」の漢字を横書きしてなるものであって、本件商標と同一の商標ではない。
また、この使用商標からは「ジッセンワリョク」の称呼及び『実際の戦闘のような話力』の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。なお、被請求人は以前、本件商標とは別に「実戦話力」の商標を出願した(商願2000−110473)が、他人の「実戦話力」からなる登録第450639号商標を引用商標とする拒絶理由により拒絶査定がなされている。そうすると、使用商標は他人の登録商標の使用に該当するのであって、本件商標の使用には該当しない。
「本物の話力」:これは、「本当の物」等の意味を有する「本物」の漢字と「の」のひらがな文字と「話力」の漢字を横書きしてなるものであって、本件商標と同一の商標ではない。また、この使用商標からは「ホンモノノワリョク」の称呼及び「本当の話力」の観念が生ずるので、本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない。
このように上記各使用商標はいずれも本件商標と同一の商標でも社会通念上同一と認められる商標でもない。
(3)また、被請求人は、使用主体である「HRD」や「日本コミュニケーション学院(コム学院)グループ」等は実質的には被請求人と同一の主体である旨主張しているが、被請求人との関係等を示す具体的な証拠は提出されていない。
さらに、指定役務は「知識の教授」 に関するものであるので、宣伝広告資料のみならず、申込書等により申込年月日、講座名、受講者数等を明らかにして実際に役務の提供をしている事実を明らかにする必要があるが、そのような証拠はなんら提出されていない。
(4)以上より、被請求人が提出した乙各号証により、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者又は使用権者のいずれかが指定役務についての本件商標を使用していることは証明されていないので、本件商標の登録は取消しを免れない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第23号証を提出している。
理由
(1)本件商標の使用事実
しかして本件商標は、本件商標に対する審判請求日以前から継続して使用されているもので、それを以下に説明する。
すなわち、本件商標は、HRD(所在地は東京都渋谷区代々木1 − 5 8 −1 0 第一西脇ビル 4 F)が開講している「管理者の人材教育、話力・能力開発」事業における話し方教室の講座名を表示する『「話力」コース』として使用されているのであり、それが広告宣伝されているのである(乙第1号証)。なおこの乙第1号証中には、「HRD」、「話力」夫々が本件商標権者であるサカイコンサルティンググループ所有の商標・サービスマークであることが明記されてもいるのである。
また、日本コミュニケーション学院(コム学院)グループ(所在地は東京都渋谷区代々木1 − 5 8 −1 0 第一西脇ビル 4 F)が開講している話し方教室における経験者専門を対象とする講座名を表示する「話力上級」として使用されているのである(乙第2号証、乙第3号証)。なお、日本コミュニケーション学院(コム学院)グループは、商標権者が話し方教室を運営実施するために別途設立している団体名であり、実質的には商標権者と同一のものである。ちなみに商標権者の代表者は酒井美智雄であるところ、その代表者が日本コミュニケーション学院グループの総長・講師として当学院グループの話し方教室を運営実施していることも、これらの乙第2号証、乙第3号証に、更には他の乙号証等にも明らかにされているのである。
また、日本コミュニケーション学院(コム学院)(所在地は東京都渋谷区代々木1 − 5 8 −1 0 第一西脇ビル 4 F)が開講している話し方教室における経験者専門(特化型・高度専門コース)あるいは他教室経験者専門(特化型専門プログラム)を対象とする講座名を表示する「話力上級」あるいは「話力・上級指導」として使用されているのである(乙第3号証ないし乙第8号証)。なお、日本コミュニケーション学院は、上記の日本コミュニケーション学院(コム学院)グループと同じであり、単にその表示を簡略化したにすぎないものである。
更に、JCDA(所在地は東京都渋谷区代々木1 − 5 8 − 1 0 第一西脇ビル4F)が開講している「管理者の人材教育、話力・能力開発」事業において実施している話し方の教授の講座名を表示する『「話力教室」コース/話力入門』として使用され、それが広告宣伝されているのである(乙第9号証)。なおこの乙第9号証中には、「JCDA」、「話力教室」夫々が本件商標権者のサカイコンサルティンググループ所有の商標・サービスマークであることが明記されてもいるのである。また、この「話力教室」なる構成態様において、「教室」は、この種の話し方を教授するときの講座名として一般的に使用される標章であるから、その要部は「話力」なる部分に存することは明らかであり、これは本件商標の使用に該当することは明らかである。
同様に、コム総研(所在地は東京都渋谷区代々木1 − 5 8 −1 0 第一西脇ビル4F)が開講している「管理者の人材教育、話力・能力開発」事業において実施されている話し方教室の講座名である『「話力教室」コース/話力入門』として使用され、それが広告宣伝されているのである(乙第10号証)。なおこの乙第10号証中には、「コム総研」、「話力」夫々が本件商標権者であるサカイコンサルティンググループ所有の商標・サービスマークであることが明記されてもいるのである。
ちなみに「日本コミュニケーション学院(通称:コム学院)」は、コミュニケーション能力開発を通じ、人々に実り豊かな人生を提供し、日本から、話し下手とあがり症をなくすことを基本理念として、商標権者の代表者である酒井美智雄が1987年に設立したものであり、2002年にはコム学院グループで創立15周年を迎えるものである(乙第23号証)。その間、「HRD」、「日本コミュニケーション学院(通称:コム学院)グループ」、「日本コミューケーション学院(通称:コム学院)」、「JCDA」、「コム総研」等として、更には後述するように従前には「サカイ式コミュニケーションセンター」等と表示していることはあっても、これらはいずれもその住所が商標権者のそれとすべて一致していることからも明らかなように、いずれも実質的には同一の主体であり、商標権者が運営実施している教育機関のものである。
また、本件商標が使用されている管理者の人材教育についての話し方教室における講座で行われている役務は、本件商標が指定している役務である話し方の教授に該当するのであり、文章の書き方に関する知識の教授,ビジネス能力開発講座における知識の教授はその類似役務であることは明らかである。また各乙号証に掲載されている話し方教室の運営実施は、本件商標が指定する役務のビジネス能力開発セミナーの企画・運営または開催に該当することも明らかである。
(2)本件商標の更なる使用事実
更に本件商標は、商標権者と実質的に同一な教育機関であるサカイ式コミュニケーションセンター名義で開講している話し方に関する講座の宣伝案内に使用されているのである。すなわち「企業研修(話力)開発指導・ビジネスコミュニケーション教育」としての講座を受講すれば、「サカイ式」理論によって、「話す」・「あがり」・「声」についての課題・問題・悩みのすべてが解決されることが説明され、その説明中に上記のように「(話力)」が使用されているのである(乙第11号証ないし乙第15号証)。
また、同様に開講された話し方に関する講座の説明中に「企業研修(話力開発指導・ビジネスコミュニケーション教育)」とあるように、「話力」が使用されているのである(乙第16号証)。
更には同様に、実生活、ビジネスに即役立つ話し方が取得できるものとしての話し方コースの説明中に本件商標権者が名付けている『実戦話力』、『本物の話力』として、本件商標が使用されているのである。すなわち商標権者がサカイ式コミュニケーションセンター名義で実質的に開講している話し方の講座を受講するならば、その有効な話し方の能力が得られるものとして表示されているのであり、これは役務に通じる講座名そのものなのである(乙第17号証、乙第18号証)。
また同様に、日本コミュニケーション学院グループ名義で同じく実生活、ビジネスに即役立つ話し方が取得できるものとしての話し方コースの説明中に商標権者が名付けている実践的話し方や『高度話力』として、本件商標が使用されているのである(乙第19号証)。
同様に、日本コミュニケーション学院グループ名義で開校しているコム大学における「高度教育」希望の方を対象にした話し方コースの説明中に「話力開発」として、本件商標が使用されているのである(乙第20号証ないし乙第22号証)。
(3)本件商標の電磁的方法による使用事実
また本件商標は商標権者が日本コミュニケーション学院グループ名義で開設しているいわゆるホームページにおいても使用されているのである。
この商標権者のホームページは平成14年1 1月に開設され、現在も引き続きアップされており、そのアドレスは「h t t p:/ /w w w. c o m g a k u i n. j p」である。すなわち、このホームページにおいて社長・重役・管理職を対象として開設されているビジネス・シーンで通用するようなビジネス能力開発講座における知識の教授を役務とする講座名を表示する「高度話力・専門コース」として使用されているのであり、しかも、その「話力」の表示には登録商標であることを示すいわゆる「マルR」が付されているのである(乙第23号証)。
(4)まとめ
以上、説明したように、本件商標は、その指定役務である第4 1類に属する話し方の教授,文章の書き方に関する知識の教授,ビジネス能力開発セミナーの企画・運営または開催,ビジネス能力開発講座における知識の教授に使用されているから、本件審判請求は成り立たない。
請求人は、「被請求人は、使用主体である『HRD』や『日本コミュニケーション学院(コム学院)グループ』等は実質的には被請求人と同一の主体である旨主張しているが、被請求人との関係等を示す具体的な証拠は提出されていない。」旨主張しているので、まずこの点について検討する。
被請求人が「『HRD』、『日本コミュニケーション学院(通称:コム学院)グループ』等と表示していることはあっても、これらはいずれもその住所が商標権者のそれとすべて一致していることからも明らかなように、いずれも実質的には同一の主体であり、商標権者が運営実施している教育機関のものである。」旨主張しており、また、被請求人の提出に係る乙各号証によっても、被請求人と「HRD」、「日本コミュニケーション学院(通称:コム学院)グループ」等の居所が一致していることが認められること及びその広告中には「HRD、...は、サカイコンサルティンググループ所有の商標・サービスマークです。」と記載されていることから、被請求人と「HRD」、「日本コミュニケーション学院(通称:コム学院)グループ」等とは、実質的に同一のものと認めざるを得ない。
次に、被請求人の提出に係る乙第1号証の「MYLESSON」(2002年4月号 全研本社株式会社発行)に掲載されている広告によれば、「HRD」が開講している話し方教室の講座名として「『話力』コース」(以下「使用商標」という。)」が表示されていることが認められる。
そして、使用商標の構成中の「コース」の文字部分は、本件商標の指定役務を取り扱う業界においては、提供する役務の種別を表示する語として普通に使用されているものといえるから、使用商標の要部は「話力」の文字部分であり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用とみるのが相当である。
また、上記乙第1号証に示されている役務は、「話し方の教授」と認められる。
さらに、上記乙第1号証は、2002年4月号であることから、本件審判の請求の登録前3年以内に役務「話し方の教授」の提供をしていたものと認められる。
してみれば、本件商標は、被請求人が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定役務について使用していたものといわなければならない。
なお、請求人は、『「話力」コース』は、「話力」の漢字を横書きしてなる本件商標とは同一の商標ではない。また、この使用商標からは「ワリョクコース」の称呼及び『「話力」の講座』の観念が生ずるので、「ワリョク」の称呼及び「話力」の観念が生ずる本件商標と社会通念上同一と認められる商標でもない旨主張しているが、上記のとおり、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用とみるのが相当であるから、この点に関する請求人の主張は採用することが出来ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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