Trademark Appeal Case
称呼と外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90587(T2004−90587/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4781660号商標(以下「本件商標」という。)は、「MANIS」の欧文字と「マニス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成15年9月5日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年6月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「MATIS」の欧文字と「マチス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和23年2月19日に登録出願、第2類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として(なお、指定商品については、その後、平成13年9月19日に指定商品の書換登録により、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。)、同24年12月12日に設定登録された登録第380212号商標(以下「引用商標1」という。)の外、「MATIS」の欧文字を横書きしてなり、第3類及び第5類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、1980年7月25日に国際登録された登録第453957号商標、同じく、「MATIS」の欧文字を横書きしてなり、第3類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、1997年12月24日に国際登録された登録第684932号商標(以下、これらの国際登録商標をまとめて「引用商標2」という。)及び申立人の使用に係る別掲(1)ないし(3)のとおりの構成よりなる商標(以下、これらの使用商標を順次「引用商標3」ないし「引用商標5」という。)を引用している。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、外観及び称呼において、引用商標1と類似し、本件商標に係る指定商品中「化粧品」は、引用商標1の指定商品と同−又は類似である。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標2ないし5は、化粧品、美容用品、香料類等のブランドとして世界的に、かつ、日本国においても著名なマチス エスアー(MATIS S.A.)の商標であり、本件商標は、かかるマチス社の化粧品等のブランドである「MATIS」に酷似しているものであるから、本件商標を申立人の業務に係る商品に関連する商品に使用されれば、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
マチス社と何等の関係もない商標権者が本件商標を出願し登録しようとすることは、引用商標2ないし5が日本国で登録されていないことを奇貨として、不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるものであるから、該構成文字に相応して「マニス」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標1は、前記したとおりの構成からなるものであるから、該構成文字に相応して、「マチス」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標から生ずる「マニス」の称呼と引用商標1から生ずる「マチス」の称呼とを比較するに、両称呼は、第2音目において「ニ」と「チ」の音の差異を有するものである。しかして、「ニ」の音は、舌先を歯茎に密着させたまま、鼻から呼気を抜いて出す有声の通鼻音であって、柔らかな響きの音であるのに対して、「チ」の音は、舌先を硬口蓋に接触させ破裂させて出す無声の破擦音であって、比較的明瞭に発音され、強く響く音である。
そうとすれば、この両音は、調音の方法を異にし、音質を明らかに異にするものであるから、この両音の差異は、中間部分における差異とはいえ、いずれも3音という短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用商標1とは、その全体の外観において顕著な差異があるばかりでなく、「MANIS」と「MATIS」の欧文字部分とを比較しても、いずれも比較的短い文字構成において、中間部分とはいえ、明らかに字形の異なる「N」と「T」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
更に、本件商標と引用商標1とは、いずれも特定の意味合いを有しないものであるから、観念においては比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について
本件商標と引用商標2ないし引用商標5とは、上記したところと同様の理由により、互いに十分に区別し得る別異の商標と認められるものであるから、他の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
加えて、申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標3ないし引用商標5が「化粧品」等の商標として使用されている事実は認められるとしても、提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものとはいえない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
更に、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用各商標の著名性を利用する等の目的をもって使用をするものとはいえず、不正の目的をもって使用するものであることを裏付ける証左もない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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