結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2003−90744(T2003−90744/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4700419号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年2月2日に登録出願、「ティセア」の片仮名文字と「TICEA」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、平成15年8月15日に設定登録されたものである。
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3249190号商標(以下「引用商標」という。)は、平成6年8月3日に登録出願、「ティセラ」の片仮名文字と「TESSERA」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成9年1月31日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、称呼において類似するものであり、また、指定商品も互いに抵触しているものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の所有に係る著名な引用商標と類似するものであるから、これがその指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が恰も申立人の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれのあるものである。
本件登録異議の申立てがあった結果、平成16年5月14日付け取消理由通知書をもって商標権者に対して通知した本件商標の取消理由の要旨は、次のとおりである。
〈取消理由〉
本件商標は「ティセア」の片仮名文字と「TICEA」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものである。
これに対して、引用商標は、「ティセラ」の片仮名文字と「TESSERA」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、「ティセア」「TICEA」の文字に相応し「ティセア」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、「ティセラ」「TESSERA」の文字に相応し、「ティセラ」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標より生ずる「ティセア」の称呼と引用商標より生ずる「ティセラ」の称呼を比較するに、両称呼は、前半部において「ティセ」の音を共通にし、語尾において「ア」と「ラ」の音の差異を有するものである。
してみれば、その差異音である「ラ」(ra)の音は、子音「r」より母音「a」が強く印象に残る音であって、「ア」(a)の音とは近似した音であって、しかも比較的弱く発音され明瞭に聴取し難い語尾に位置するものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼した場合は、全体の語韻、語感も互いに近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれのあるものというのが相当である。
また、本件の指定商品中、「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類」と引用商標の指定商品とは同一又は類似するものである。
したがって、本件商標の指定商品中、「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(1)本件商標の登録に至るまでの経緯
本件商標は、審査において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の査定がなされたものであるが、その拒絶査定に対する不服審判請求の結果、審判において、「本願商標と引用両商標(原審の引用商標)とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、取り消しを免れない。その他、本願について拒絶の理由を発見しない。」との認定の下に、登録の審決がなされたものである。
そして、前記経緯からみれば、本件商標は、上級審たる審判において、原審の引用商標のみでなく、本件登録異議申立てにおける引用商標とも非類似のものであるとの前提において、「その他、本願について拒絶の理由を発見しない。」として登録されたものということができる。
そうとすると、本件商標の登録に至るまでのかかる事情を無視し、かつ、称呼検索の検索基準にも入らない「ティセア」「ティセラ」の称呼との比較において、本件商標と引用商標とを類似のものとするならば、審判における審理の公平性を損なうばかりでなく、商標登録の信頼性をも失いかねないものであって、到底これを容認することはできない。
(2)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の態様は、前記のとおりであるから、通常の注意力をもってすれば、その構成上の差異は明らかに認識し得るものであって、外観上、互いに見誤るおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標は、何ら特定の意味合いを有しない造語よりなるものであるから、引用商標と観念の点においては比較すべくもないものである。
次に、本件商標と引用商標の称呼についてみると、両商標は、その構成文字に相応して、前者が「ティセア」、後者が「ティセラ」の称呼を生ずると認められる。
そこで、本件商標より生ずる「ティセア」と引用商標より生ずる「ティセラ」の称呼を比較すると、両称呼は、末尾における「ア」と「ラ」の音に差異を有するものである。そして、該差異音の「ア」と「ラ」は、前者が、舌の尖端を下歯茎に触れた程度の位置におき、口を広く開き声帯を振動させて発する有声の開放母音であるのに対して、後者が、舌面を硬口蓋に近づけて、有声の気息を通じて発する弾音であって、その調音位置や調音方法において全く異質のものということができる。
そうとすると、この「ア」「ラ」の音が末尾に位置する音の差異とはいえ、両称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、また、3音からなる極めて短い音構成であることも併せ考慮すれば、両称呼は、これをそれぞれ一連に称呼しても、その語感、語調においてかなりの程度異なるものとなり、互いに聴き誤るおそれはないものというべきである。
なお、これに関連し、商標権者において特許電子図書館に公開されている「称呼検索」を利用して、「ティセア」の称呼検索を行ったところ、検索結果の一覧データに引用商標は存在しないものである。
このように、当該「称呼検索」が検索基準に基づいて幅広く行われているにもかかわらず、本件商標より生ずる「ティセア」の称呼に「ティセラ」の称呼がヒットしなかったということは、両称呼は、特許庁においても一般的には非類似との判断がなされているものと思料する。
したがって、本件商標と引用商標とは、その外観、観念及び称呼のいずれの点よりみても相紛れるおそれのないものであって、非類似の商標とすべきである。
加えて、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであり、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察しなければならない。
この点に関連して、最高裁判所の判決において、「商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、右三点のうちその一において類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によつて、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」(昭和39(行ツ)110 、昭和43 年2月27日判決)との判示がなされている。
これを本件についてみると、本件商標と引用商標は、その外観において著しく相違する上に、両商標の称呼を比較した場合においても上記の程度に区別し得るものであるから、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、引用商標とは商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはなく、非類似の商標といわなければならない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
本件商標についてした先の取消理由は妥当なものであって、本件商標と引用商標とは、称呼において互いに相紛らわしく、かつ、本件商標と引用商標の指定商品についても類似の商品であるというべきである。
(1)商標権者は、最高裁判所の判決(昭和39(行ツ)110)を引用して、「本願商標と引用商標とは、その外観、観念または称呼のいずれの点よりみても非類似の商標である。」旨主張している。
しかしながら、本件商標と引用商標の構成は、前記のとおり、それぞれの上段の片仮名文字部分は、それぞれの下段の欧文字部分の表音を表したものとみるのが自然であり、さらに、両商標とも親しまれた観念が生じないことも相まって、上段の片仮名文字部分が強く看者の注意を引く部分といえる。
そして、本件商標と引用商標の片仮名文字部分は、「テ」、「ィ」、「セ」の文字部分を共通にしており、わずかに4文字目の「ア」と「ラ」の文字が相違するにすぎないことから、下段の欧文字部分が相違するとはいえ、必ずしも外観において顕著な差異があるものとはいえないものであり、また、両商標とも何ら親しまれた観念を有しないことから、両商標に接する者は、取引の実情からみて、それぞれの片仮名文字に強く注目して該片仮名文字部分の称呼でもって取引に資するものといえる。
そうとすれば、両商標は、前記の認定のとおり、外観及び観念について考慮するとしても、称呼において類似する商標であるというべきであるから、商標権者の主張は採用することができない。
(2)商標権者は、本件商標の登録の経緯、称呼検索基準について述べているところであるが、本件商標は、前記3の認定とおりであるから、商標権者の主張は採用することができない
(3)したがって、本件商標は、その指定商品中の「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
ただし、本件登録異議申立てに係るその余の指定商品「つけまつ毛」については取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
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