Trademark Appeal Case
ペンギン図形の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90480(T2004−90480/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4769375号商標(以下「本件商標」という。)は、商標の構成を別掲(1)に示すものとし、平成15年7月31日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年3月26日に登録査定、同年5月14日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法4条1項11号及び同15号に違反してされたものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第21号証(枝番を含む。)を提出した。
1 引用商標
申立人の引用する登録第2394805号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和55年12月23日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録されたものである。なお、指定商品については、その後、平成16年2月4日に指定商品の書換登録により、第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
2 商標法4条1項11号について
本件商標と引用商標とは、共に一見して判別できる立ち姿のペンギンを表したものであり、白地の腹部や黒地の輪郭、手の形状などペンギンの表現方法が共通し、「ぺんぎん」の文字とも相候って外観において相紛らわしい類似の商標である。
そして、本件商標の指定役務中、例えば「コンピュータソフトウェアの設計・作成・改良もしくはその使用方法またはコンピュータソフトウェア事業の経営に関する教育における教材として用いる書籍の制作」は、出版社などにおいてなされる役務であり、印刷物の製造・販売とは同一業者によって行われことが考えられ、更に近年はインターネットの普及などで、出版社自身が販売を行ういわゆる直販ルートも急増傾向にあるから、両者が同一事業者によって行われることも一般化しつつあり、またこの場合、商品の販売場所と役務の提供場所は一致することになる。加えて、指定役務中「コンピュータネットワークを用いて行うゲーム・クイズ・音楽・画像・映像または映画の提供及びそれらに関する情報の提供」は、いわばインターネットなどのネットワークを媒体とした一種の(電子)出版物とも言えるものであり、これら役務について、互いに同ー又は類似の商標を使用した場合、出版物とは現実に出所の混同を生じるものである。
したがって、本件商標は、商標法4条1項11号に該当する。
3 商標法4条1項15号について
引用商標は、ペーパーバックを始めとする出版物の商標として、世界的に著名なものであり、本件商標がその指定役務「書籍の製作」等に使用された場合、申立人の業務に係る商品または申立人と組織的・経済的に何等かの関係がある者の役務であると混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法4条1項15号に該当する。
よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 商標法4条1項11号について
本件商標は、別掲(1)に表示したとおり、「HAPPY?」の文字と「ぺんぎん倶楽部」の文字とを二段に表し、その背後にペンギン様の図形を配した構成からなるものである。
他方、引用商標は、別掲(2)に表示したとおり、立ち姿のペンギンを表したものである。
そこで、本件商標の図形部分と引用商標とを比較するに、両者は、共に、ペンギンをモチーフにしているとしても、本件商標のペンギン様図形は、正面立ち姿で両手を挙げ、頭には山高帽をかぶり、首部付近には蝶ネクタイと思しき小図形を配した構成からなるものであり、極めて特徴のある一種独特な構成からなる擬人化されたペンギンであるのに対して、引用商標のペンギンは、一見して立ち姿のペンギンを表したものと認識し得るものであって、ペンギンを比較的写実的に表したものであるということができる。
そうとすれば、両者は、その構成態様及び描写方法において著しい差異を有しており、図形全体から受ける視覚的印象を全く異にするものであるから、これを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、上記のとおりの構成からみて、少なくとも、本件商標の図形部分からは、直ちに特定の称呼及び観念を生ずることはないものと認められるから、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念については比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
加えて、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とは、個別・具体的な取引の情況のなかにあっては、取引の対象、事業主体、流通経路等を共通にする場合があり得るとしても、多くの場合、それらを共通にするものではないから、一部共通にする場合が想定されることをもって、一般論的に両者を類似するものであるということはできない。
したがって、本件商標は、商標法4条1項11号に該当しない。
2 商標法4条1項15号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標であり、しかも、ペンギンはその姿態のかわいらしさから、いろいろな形態のペンギンが商標として採択されている実情にあることをも併せ考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、直ちに引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法4条1項15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法4条1項11号及び同15号に違反してされたものではないから、同法43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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