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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90448(T2004−90448/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4767155号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4767155号商標(以下「本件商標」という。)は、「パナ亜貢湧愛感謝」の文字を標準文字により表してなり、平成15年9月12日に登録出願され、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として平成16年4月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1985054号商標は、「PANNA」の文字を横書きしてなり、昭和60年6月18日に登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として昭和62年9月21日に設定登録され、その後、平成9年10月14日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 同じく国際登録第426173号商標は、別掲のとおりの構成からなり、1976年11月8日に国際登録、第32類「Mineral and sparkling water and other non-alcoholic beverages (excluding "whey beverages");syrups, extracts and essences of plants for making non-alcoholic beverages.」を指定商品として平成14年11月15日に設定登録されたものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標は、カタカナと漢字という異なる文字種の組合せからなるものであり、このような商標の場合、その文字種ごとに分断して認識、称呼されやすい。よって、本件商標からは「パナ」の称呼が生じ得る。

さらに、後半部分の「亜貢湧愛感謝」は、日本語として特段の意味を有せず、これより生ずる「アコーユーアイカンシャ」の称呼にも特段の意味はなく、本件商標に接する取引者、需要者にとってどちらかといえば馴染みにくいものであり、むしろ前半部分の「パナ」に注目しその部分をもって認識、称呼するといえる。この点からも、本件商標からは「パナ」の称呼が生じる。

一方、引用商標は、その構成文字の「PANNA」から「パナ」の称呼を生ずる。

よって、本件商標と引用商標とは称呼上互いに類似するものであり、本件商標は、引用商標に係る商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)申立人が使用する「PANNA」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が付された製品(主としてミネラルウォーターや炭酸水)は、本件商標の登録出願前から極めて多数の売上高があり、多額の宣伝広告費を費やしている。甲第4ないし第328号証(インボイス写し、使用商標が付されたラベルの写し、雑誌等における広告掲載例、使用商標に係る各国の登録証写し)に見られるように、使用商標は日本及び世界各国において周知・著名といえる。

したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

また、本件商標は、使用されれば申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものであり、同第15号に該当する。

(3)以上のように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおり、カタカナ文字と漢字の組合せからなるものであって、視覚上カタカナ文字部分と漢字部分とに分離して看取されるのに加え、全体として一連の親しまれた既成の観念を有する語を表したものともいえず、漢字部分は既成の語義を認識し得ないものであるところから、簡易迅速を尊ぶ取引においては読みやすい「パナ」の文字部分を捉えて単に「パナ」と称呼して取引に資される場合も少なくないものというべきである。

そうすると、本件商標は全体として「パナアコウユウアイカンシャ」の如き称呼を生ずるほか、単に「パナ」の称呼をも生ずるものといえる。

他方、引用商標は、いずれも「PANNA」の文字に相応して「パンナ」の称呼を生ずるものといえる。なお、申立人は、引用商標から「パナ」の称呼が生ずる旨主張しているが、引用商標の構成文字からすれば、ローマ字読みに「パンナ」と称呼されるのが自然であるし、申立人が使用して周知・著名であるとする使用商標「PNNA」も申立人の提出に係る証拠によれば「パンナ」と称呼して取引されているものであるから、申立人の主張は採用することができない。

しかして、本件商標から生ずる「パナ」の称呼と引用商標から生ずる「パンナ」の称呼とは、「パ」及び「ナ」の音を共通にするとはいえ、中間における「ン」の音の有無という差異を有しており、この差異が2音と3音という短い音構成の全体に与える影響は大きく、前者が2拍で簡潔に称呼されるのに対し、後者は3拍で段落があるように称呼されることから、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が異なったものとなり、彼此明瞭に区別できるものである。

そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、本件商標は、既成の観念を有する語を表したものともいえないから、引用商標と観念上比較することもできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)申立人は、使用商標が日本及び世界各国において周知・著名になっているとして証拠を提出しているので、この点について検討する。

提出された証拠によれば、使用商標が商品「ミネラルウォーター」について使用されていることが認められる。

しかしながら、甲第4ないし第285号証は、インボイスの写しと認められるところ、これ自体によっては具体的な商標の使用状況が明らかでないばかりでなく、これらインボイスのうち日本向けのものはわずかである。

そうすると、これらインボイスによっては、「PANNA」と銘打った商品が申立人から各国に向けて発送され、我が国にもある程度の量の商品が輸入されたことが窺われるにすぎない。

申立人は、使用商標が付されたミネラルウォーターや炭酸水の全世界での年間売上高及び宣伝広告費について述べているが、我が国における売上高や宣伝広告費については何ら具体的に示していない。もっとも、申立人は、我が国において雑誌等に紹介された例として甲第307及び第309ないし第313号証を提示し、また、我が国におけるプロモーション活動メモとして甲第308号証を提示しているが、これらの紹介は、2、3の雑誌に1回掲載されたものにすぎないし、プロモーション活動にしてもどの程度の規模や期間で行われたのか、その場所等も含めて一切不明である。

甲第295ないし第306号証は、外国雑誌に掲載された広告の例と認められるが、これらの雑誌の発行部数や普及度は一切不明であるし、そもそもこれらの雑誌が我が国において入手できるものかも明らかでない。

甲第314ないし第317号証は、使用商標が付された商品のパンフレット、カタログと認められるが、これらパンフレット、カタログが具体的にどの程度の規模、期間、範囲において頒布されたのか一切不明であり、これらパンフレット、カタログをもって積極的に宣伝広告された事実も見当たらない。

甲第319ないし第328号証は、世界各国における登録証の写しと認められるが、各国で商標登録されていることをもって直ちにその商標が需要者間に周知・著名となっているとはいえないことはいうまでもない。

以上要するに、申立人の提出に係る証拠によっては、使用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として我が国において取引者、需要者間に広く認識されているものとは認めることができない。

その他、使用商標が我が国において取引者、需要者間に広く認識されていると認めるに足る証拠はない。

(3)引用商標と使用商標とは、それぞれの要部たる「PANNA」の文字を同一にするものであるから、上記(1)と同様、本件商標と使用商標とは非類似の商標といえるものである。そして、使用商標が我が国において取引者、需要者間に広く認識されているものでもないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれもないものというべきである。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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