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商標「N−ERGY」の商標称呼観念の非類似(第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第19号|審判異議2004−90208(T2004−90208/J7))

審判番号
異議2004−90208(T2004−90208/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「N−ERGY」
争点(論点)
商標称呼観念の非類似
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第19号
指定商品・役務の区分
第25類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2004−90208(T2004−90208/J7)・異議)は、本件商標「N−ERGY」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第19号への該当性が争われた事例です。主な争点は「商標称呼観念の非類似」です。指定商品・役務は第25類に属します。特許庁は「登録第4738642号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4738642号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4738642号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年11月7日に登録出願、「N−ERGY」の欧文字を横書きしてなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年1月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)引用商標について

「ENERGIE」、「Energie」又はこれらを図案化してなる商標(以下まとめて「引用商標」という。)は、1996年から2004年に、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、トルコ、カナダ、アメリカ合衆国等において頒布されたファッション雑誌、ちらし、カタログ(甲第2号証)にみられるように、使用者であるイタリア国所在のシックスティ・エス・ピー・エー社の業務に係る被服、履物及びアクセサリに使用され、1998年ころには、シックスティ・エス・ピー・エー社の使用に係る商標として著名なものとなっていた。なお、引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の所有に係るものである。

(2)本件商標と引用商標との類似性

本件商標は、英語「energy」に由来する語と認められ、「ERGY」又は「エヌ・アージー」を続けて発音することで、「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生ずる。

一方、引用商標は、その構成文字より、「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生ずる。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において同一であり、類似する商標である。

(3)商標法第4条第1項第19号について

上記のとおり、引用商標は、被服、履物及びアクセサリについて使用され、著名なものである。しかるに、申立人又は申立人の使用許可を受けたシックスティ・エス・ピー・エー社と何らの関係を有しない商標権者が、引用商標と類似する本件商標を登録出願し登録を得て使用することは、引用商標の出所表示機能を希釈化し、又は引用商標の著名性にフリーライドすることにより利益を得るなどの不正の目的をもって使用するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

引用商標は、本件商標の登録出願前より、被服、履物及びアクセサリについて使用され、日本国の需要者の間においても広く認識されている。また、本件商標の指定商品は、引用商標が使用される商品と類似する商品である。

そうすると、引用商標と類似する本件商標をその指定商品について使用した場合は、該商品がシックスティ・エス・ピー・エー社の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。

(5)以上にように、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号、同第10号又は同第15号のいずれかに該当し、同法43条の2第1号により、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、前記のとおり、「N」と「ERGY」の文字をハイフンを介して書してなるものであるところ、構成する文字全体をもって、親しまれた読みないし意味合いを有するものとは認められないものであり、本件商標より、申立人が主張するような「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生ずると認めるに足る証拠の提出もない。

そうすると、本件商標は、これを英語読み風にした「エヌアージー」の称呼が生ずるとみるのが相当であり、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認められる。

してみれば、本件商標より「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生ずるとしたうえで、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するとする申立人の主張は理由がない。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の事由は存しない。

したがって、本件商標は、引用商標とはその称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

(2)甲第2号証によれば、シックスティ・エス・ピー・エー社は、本件商標の登録出願前より、引用商標を主として被服について使用していたことが窺えるが、甲第2号証における雑誌、ちらし、カタログがどのような国にどの程度頒布されたかなどについては明らかではなく、申立人が主張する「1996年から2004年に、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、トルコ、カナダ、アメリカ合衆国等において頒布された」ものであることを認めるに足る客観的証拠はない。また、甲第2号証には、本件商標の登録出願前に日本国内で発行されたと認められる雑誌、ちらし、カタログは存在しない。したがって、甲第2号証のみをもってしては、引用商標がシックスティ・エス・ピー・エー社の業務に係る被服、履物及びアクセサリを表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、我が国においてはもちろんのこと、世界的に著名なものであったと認めることは困難であるといわざるを得ない。

そして、本件商標が商標法第4条第1項第19号、同第10号又は同第15号に該当するとの申立人の主張は、本件商標と引用商標とが類似する商標であり、かつ、引用商標が世界的に著名であり、我が国の需要者の間にも著名であることを前提とするものであるところ、本件商標と引用商標とが非類似の商標であること及び引用商標がシックスティ・エス・ピー・エー社の業務に係る商品「被服、履物及びアクセサリ」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、著名性を獲得していたと認められないことは、前記認定のとおりであるから、申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当である。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号、同第10号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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