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Trademark Appeal Case

商標権者の実在性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90358(T2004−90358/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4754566号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4754566号商標(以下、「本件商標」という。)は、「天厨菜館」及び「TENTSU SAIKAN」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成15年6月26日に登録出願、第16類「紙箱,紙袋,段ボール箱,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルクロス,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,荷札,絵はがき,楽譜,歌集,カタログ,カレンダー,雑誌,時刻表,書籍,新聞,地図,日記帳,パンフレット,書画,アルバム,カード,スクラップブック,スケッチブック,スコアーカード,スコアーブック,帳簿,手帳,伝票,ノートブック,便箋,封筒,方眼紙,名刺用紙,ルーズリーフ用紙,鉛筆,サインペン,シャープペンシル,白墨,ペン先,ペン軸,ボールペン,万年筆,毛筆,画板,カンバス,クレヨン,はけ,パステル,パレット,インキ,インキ消し,鉛筆削り,画びょう,クリップ,消しゴム,黒板,黒板ふき,下敷き,修正液,定規,スタンプ台,地球儀,値札,はり札,筆箱,文鎮,分度器,ペーパーナイフ,ホッチキス(電動式のものを除く。),アラビヤのり,ゴムのり,プラスチック接着剤」、第35類「雑誌による広告の代理,新聞による広告の代理,テレビジョンによる広告の代理,ラジオによる広告の代理,車両の内外における広告の代理,屋外広告物による広告,街頭及び店頭における広告物の配布,郵便による広告物の配布,広告文の作成,ショーウインドーの装飾,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,ホテル事業の管理」及び第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,カーテンの貸与,会議室の貸与,家具の貸与,加熱器の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与,調理台の貸与,展示施設の貸与,流し台の貸与」を指定商品及び指定役務として、同16年3月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨) (1)商標法第3条第1項柱書について

商標権者は、特許庁の商標登録原簿に記載の住所地「東京都江戸川区東葛西6−25−7−401」(以下、「原簿住所地」という。)に法人登記していない。

したがって、特許庁は、権利主体のない商標権者に誤って本件商標の登録をしたものであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書に違反してされたものである。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、上記のとおり、特許庁が誤って権利主体のない商標権者に本件商標の登録をしたものであるから、本件商標の存在を認めると、権利者が存在しないのに、あたかも権利義務享有主体があるかのごとく外観を作出してしまい、取引社会の混乱を招き、社会公共の利益に反することになる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものである。

(3)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が中華料理店を経営・営業するうえで使用し、その業務に係る商標として広く認識されている「天厨菜館」の文字からなる商標(以下、「申立人標章」という。)と同一である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。

(4)商標法第43条の2第1号について

本件商標は、権利主体のない商標権者に、特許庁が誤って商標権を付与してしまったものであり、商標法の異議事由そのものには列挙されていないが、その商標法が当然の前提にしている、商標権は権利能力があるものでなければ享有出来ないという民法の大前提に反するので、商標法各条文が民法を前提とする以上、国内法に関する違反を列挙した商標法第43条の2第1号に該当する。

(5)むすび

本件商標は、商標法第3条の登録要件を欠き、同法第4条第1項第7号及び同第10号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書について

商標権者は、原簿住所地に昭和50年から平成16年2月12日迄、法人登記をしておらず、同16年4月23日の時点においても法人登記をしていないことを認めることができる(甲第2号証、甲第4号証ないし甲第6号証及び甲第9号証)。

しかしながら、原簿住所地に商標権者の法人登記がされていないことのみをもって、直ちに本件商標の登録をした者が存在しないと断定できないから、本件商標は、権利能力のない者によって登録出願され、商標権が付与されたものということができない。

そうすると、本件商標は、商標権者が自己の業務に係る役務について使用する商標でないということはできないから、その登録は、商標法第3条第1項柱書に違反してされたということができない。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標が権利能力のない者によって登録出願されたということができないことは、前記(1)認定のとおりである。

そうすると、原簿住所地に商標権者の法人登記がされてないという事実のみをもっては、本件商標の登録が取引社会の混乱を招き、社会公共の利益に反するということはできないものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたということができない。

(3)商標法第4条第1項第10号について

甲各号証を検討しても、これらは「天厨菜館」銀座店、渋谷店等の案内用のパンフレット、本件商標の商標公報等であるから、申立人が中華料理店を経営・営業するうえで「天厨菜館」の店名を使用していることは認められるとしても、申立人標章が本件商標の登録出願時または、登録査定時に申立人の業務(中華料理の提供などの役務)にかかる商標として需要者に広く認識されていたと認めるに足る充分な証拠とはいえないものである。

そして、他に申立人標章が申立人の業務にかかる商標として需要者に広く認識されていたことを示す証拠の提出はないものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたということができない。

(4)商標法第43条の2第1号について

本件商標は、商標登録した者が存在しないと断定することができないことは、前記(1)認定のとおりである。

そうすると、本件商標は、権利能力がない者により登録出願され、特許庁が誤ってその商標権を付与したとはいえないから、申立人のこの点の主張は採用することができない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書、同法第4条第1項第7号、同第10号及び同法第43条の2第1号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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