Trademark Appeal Case
著名性立証の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90400(T2004−90400/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4759337号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年7月23日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年3月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の名声を僭用して不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもってなされたものであることは、本件商標と後掲(2)のとおりの構成よりなる商標(以下「引用商標」という。)との酷似性からいって客観的に明白であり、該登録は、商取引の秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものである。よって、本件商標は、公序良俗を害するおそれがあり、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)本件商標は、その構成中に申立人の名称若しくは著名な略称である「SPANJAARD」の文字を含んでいるにもかかわらず、商標権者は申立人から本件商標の登録について何ら承諾を得ていない。「SPANJAARD」の文字には、申立人の「人格」が高度に化体しているというべきであり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号にも該当する。
(3)本件商標の使用は、客観的に不正の利益を得、若しくは申立人に損害を加える目的を持つものというべきである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
申立人の提出に係る証拠についてみるに、甲第3号証ないし甲第20号証は、実際に商品に貼付される引用商標の一例等としているが、その商品の使用時期が不明であり、包装紙等が作成された事実を示すにすぎない。
甲第21号証ないし甲第27号証は、申立人の年間報告書であるとしているが、その報告書の裏付けとなる取引書類等が何ら示されず、また、報告書の訳文の提出もない。
甲第28号証及び甲第65号証は、世界各国の登録証を示すにすぎない。
したがって、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が本件商標の登録出願時に、我が国において、申立人の業務に係る商品「潤滑剤、工業用油」等の商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものとするに十分な証拠とは認められない。
また、「SPANJAARD」の文字が申立人の著名な略称であるものとも認められない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
申立人は、引用商標が商品「潤滑剤、工業用油」等の商標として周知であることを前提に商標法第4条第1項第7号に該当する旨主張しているが、前記のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品「潤滑剤、工業用油」等の商標として広く認識されていたものと認められないから、本件商標は、これをその指定商品について使用することが、商取引の秩序を乱し、国際信義に反するものであるとはいえず、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれはない。
(3)商標法第4条第1項第8号について
申立人の提出に係る証拠を検討したが、前記のとおり、「SPANJAARD」の文字が申立人の著名な略称であるものとは認められないから、本件商標を申立人の著名な略称を表示したものと認識し、把握されることはないものといわざるを得ず、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標に該当するものとは認められない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記のとおり、引用商標が広く認識されていたものとは認められないものであるから、不正の目的をもって本件商標を使用するものとはいい得ない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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