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Trademark Appeal Case

商標著名性喪失

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90319(T2004−90319/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4751428号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4751428号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成9年1月14日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年2月27日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

1 商標法第4条第1項第7号について

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、平成5年秋ころより、我が国において、特徴ある筆記体で書された「Indian」の文字(以下「Indianロゴ」という。)を羽根飾りを冠した右向きのインディアンの図形に配した商標(以下、「ヘッドドレスロゴ」という。)、及び「Indianロゴ」や「ヘッドドレスロゴ」に、「MOTOCYCLE」の文字とを組み合わせた商標(以下、「IndianMOTOCYCLEロゴ」という。)を用いたブランドビジネスを展開していた。

しかるところ、商標権者は、「Indianロゴ」と類似した書体の筆記体の欧文字「IndianMotocycle」を図形の中に配し、かつ、申立人の略称と類似の称呼する本件商標を、申立人の業務を妨害する目的で、登録出願し、登録を得たものである。

したがって、本件商標は、公正な競業秩序を害するものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

2 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、申立人がその販売又はライセンスに係るジャケット、シャツ等に使用する商標として、本件商標の登録出願当時から需要者の間に広く認識された「IndianMOTOCYCLEロゴ」に類似し、ジャケット、シャツ等に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

3 むすび

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第10号について

(1)本件商標の登録出願前に発行したと確認し得る甲第6号証、甲第8号証の1ないし21、甲第12号証、甲第13号証、甲第19号証、甲第26号証ないし甲第31号証、甲第34号証、甲第50号証ないし甲第60号証及び登録異議の申立ての理由によれば、以下の事実が認められる。

(ア)インディアン・モトサイクル・カンパニー(以下、「インディアン社」という。)は、1901年米国マサチューセッツ州スプリングフィールドに設立されたオートバイメーカーであったが、1953年に工場が閉鎖された結果、オートバイの製造は中止され、後に会社は解散したこと、オートバイの製造が中止されるまでの期間中に製造、販売されたオートバイに使用された「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標は、当時上記インディアン社の製造に係るオートバイを表示するものとして、米国はもとより、我が国においても、知られていたものと推認し得ること。

(イ)40年近くの間、製造が中止されていたインディアン社のオートバイは、上記インディアン社と何ら関係を有しないフィリップ・ザンギにより設立されたインディアン・モトサイクル・カンパニー・インク(以下、「ザンギインディアン社」という。)によって1993年に復活され、同時に「Indianロゴ」や「ヘッドドレスロゴ」等を使用したアパレルやアクセサリーなどの製造、販売も開始されることが1991年7月の米国の新聞に掲載されたこと。

(ウ)我が国においては、オートバイの「インディアン・モトサイクル」関連商品のライセンス事業を展開する旨の新聞等の記事が1993年(平成5年)7月ころより報道されたこと、その後、1994年(平成6年)5月にサブライセンシーであるマルヨシによりバッグ類の展示会が催され、同年11月に発行された雑誌に「ヘッドドレスロゴ」や「IndianMOTOCYCLEロゴ」が表示されたバッグ、Tシャツ、アクセサリー等が広告されたこと、1995年(平成7年)10月ころから1996年1月にかけて、サブライセンシーである西澤株式会社(以下、「西澤社」という。)によりレザーウエア等について、「インディアン」、「Indian」の文字とともに広告されたこと。

(2)しかしながら、インディアン社がオートバイの製造を1953年に中止してから40年近くの間、「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標は使用されていなかったものであり、上記商標の著名性は、本件商標の登録出願時にはすでに消滅していたと考えられること、著名性が消失しているオートバイの「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標について、Tシャツ等の被服にライセンス事業を展開する旨の新聞等の記事が報道されたとしても、その報道は、主として「BRUTUS」なる雑誌であり、他には、二輪車新聞、繊研新聞、日経流通新聞といった、いわば専門紙に1回ずつであること、さらに、ジャケット、シャツ等について、本件商標の登録出願前にした宣伝広告で、「ヘッドドレスロゴ」や「IndianMOTOCYCLEロゴ」の表示をもってしたものは、1993年(平成5年)11月に発行された雑誌に掲載されたジャケット(甲第28号証)、1994年(平成6年)11月に発行された雑誌に掲載されたTシャツ(甲第34号証)などであって、1995年(平成7年)10月ころから1996年1月にかけて、サブライセンシーである西澤社により宣伝広告されたレザーウエア等については、必ずしも、「ヘッドドレスロゴ」や「IndianMOTOCYCLEロゴ」が使用されていたものとは認め難く(明確に確認できるのは甲第56号証ないし甲第58号証である。)、単に「インディアン」、「Indian」の文字が使用されていたものが多いといえること(甲第50号証ないし甲第55号証及び甲第59号証)。加えて、その宣伝文句には、「1940年代、アメリカでハーレイ・ダヴィッドソンと人気を二分したバイクメーカーが、インディアン・モトサイクル社だ。・・そのインディアン社が実に40年の歳月を経て、一人のアメリカ人フィリップ・ザンギ氏の手によって復活した。しかもその復活第1号はなんとバイクではなく、・・」(甲第28号証)、「インディアンは1940年代、アメリカで、ハーレイダビッドソンと人気を二分したバイクブランド。1953年の生産中止以来、幻となっていたが、実に40年の歳月を経て復活。」(甲第31号証)、「1901年、マサチューセッツ州に誕生したインディアンモトサイクル社は、・・バイクメーカーであった。しかし、第二次世界大戦後の’53年、工場が閉鎖されて姿を消してしまったのだ。このインディアンが長い眠りから醒め’93年に復活、現在バイクは製作中だが、それに先駆けて、インディアングッズが続々と日本に上陸している。」(甲第34号証)、「・・1953年に止むを得ない事情で生産を中止したインディアンであるが、現在に至るまでマニアのバイカーから忘れ去られることは決してなかった。・・そのインディアンのバイクが、来年40年ぶりに待望の復活。」(甲第50号証)などのように、あたかもインディアン社が復活し、インディアングッズなどを販売するような印象を需要者に与えるものであり、申立人との関係がきわめて希薄であるといわざるを得ないことなどを総合すると、「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」、「IndianMOTOCYCLEロゴ」は、本件商標の登録出願時に、ザンギインディアン社ないし申立人の業務に係る商品「ジャケット、シャツ」等の商標を表示するためのものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものということはできない。

2 商標法第4条第1項第7号について

前記1で認定したように、インディアン社の製造に係るオートバイに使用された「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標は、本件商標の登録出願時には、すでにその著名性は消失していたものである。また、ザンギインディアン社が上記インディアン社のオートバイを復活させ、かつ、「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標を使用したアパレルやアクセサリーなどのライセンス事業を開始する旨の報道があったことは認められるとしても、その報道は、特定の雑誌に限られたものであるか、1回限りの専門紙に掲載されたものであり、さらに、その広告宣伝の方法よりみても、「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標が、本件商標の登録出願時すでに、我が国において、申立人を含むザンギインディアン社及びそのライセンシー等の取扱いに係る商品を表示するためのものとして、広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、ザンギインディアン社は、インディアン社がオートバイに使用していた「Indianロゴ」、「ヘッドドレスロゴ」等の商標を単に採択したにすぎないことなどを総合勘案すると、商標権者が本件商標をその指定商品について使用することが、直ちに申立人の業務を妨害しているものと認めることはできない。

他に、別掲の構成よりなる本件商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とみるべき特段の事情も存しない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものと認めることはできない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第10号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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