Trademark Appeal Case
商標称呼の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90268(T2004−90268/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4745844号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成15年6月16日に登録出願、「パナ亜貢湧」の文字を標準文字で書してなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同16年2月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(1)登録第1985054号商標(以下、「引用商標A」という。)は、「PANNA」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年6月18日登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、同62年9月21日に設定登録され、その後、平成9年10月14日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)国際登録第426173号商標(以下、「引用商標B」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第32類に属する国際登録原簿記載の商品を指定商品として、1976年11月8日国際登録、そして、我が国において、平成13年5月17日登録出願、同14年11月15日に設定登録されたものである。(以下、これらを一括していうときは、「引用各商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標と引用各商標は、「パナ」の称呼において類似するものであり、両者の指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(2)申立人の使用する「PANNA」商標(以下、「申立人標章」という。)は、本件商標の登録出願前より申立人の業務に係る商品「ミネラルウォーター及び炭酸水」等に使用されて周知・著名である。
そして、本件商標は申立人標章と類似するものであるから、これをその指定商品について使用する場合は、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(A)本件商標の称呼
本件商標は、前記1のとおり「パナ亜貢湧」の文字よりなるところ、片仮名書きと漢字をもって構成されているが、これら各文字は、同一の書体、同じ大きさ、等間隔で、まとまりよく全体が一体的に表されているものである。
そして、本件商標は、構成中の漢字「亜」が「ア」、「貢」が「ク、コウ」、「湧」が「ユウ」とそれぞれ発音されるもの(角川漢和中辞典 株式会社角川書店 昭和57年1月21日198版発行)であるところ、本件商標全体より生ずる「パナアクユー」又は「パナアコウユー」の称呼も格別冗長といえるものではなく、一連に称呼し得るものであるから、「パナアクユー」又は「パナアコウユー」の称呼を生ずるというのが相当である。
(B)引用各商標の称呼
引用商標Aは、前記2(1)のとおり「PANNA」の文字よりなるものであるから、「パンナ」の称呼を生じ、「生クリーム」の観念を有するといえるものである。
引用商標Bは、別掲のとおり図形部分と「PANNA」の文字をその構成とするところ、「PANNA」の文字部分から「パンナ」の称呼を生じ、「生クリーム」の観念を有するといえるものである。
申立人は、引用各商標から「パナ」の称呼を生ずる旨主張する。
しかしながら、「PANNA」の文字(語)は、イタリア語で「生クリーム」を意味し「パンナ」の称呼を有するもの(伊和中辞典 株式会社小学館 1991年6月16刷発行)である。我が国においては、上記の意味をもって「パナ」と称呼され親しまれているということができず、食品の分野では、「PANNA」は、「パンナ コッタ 伊panna cottaパンナは『生クリーム』、コッタは『加熱する・料理するという意味』・・・・(洋菓子・和菓子・デザート 百菓辞典 株式会社東京堂出版 平成11年8月31日発行第203頁パンナ コッタの項参照)」のように使用されているものである。
そうしてみると、引用各商標は、「PANNA」の文字より「パンナ」の称呼を生ずるというのが相当である。
(C)本件商標と引用各商標の類否について
先ず、称呼について検討するに、本件商標の「パナアクユー」又は「パナアコウユー」の称呼と、引用各商標の「パンナ」の称呼は、それぞれの音構成に明確な差違を有するから、本件商標と引用各商標は、聞き誤るおそれはないものである。
次に、観念についてみるに、本件商標が特定の観念を有しない造語といえるのに対し、引用各商標が生クリームの観念を有するから、両者は、観念において比較することができないものである。
さらに外観についてみても、両者の構成は、前記のとおりであるから相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれ点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、申立人標章が、申立人の業務に係るものとして、日本及び世界各国で周知・著名であると主張する。
しかしながら、本件商標と引用各商標が非類似の商標であることは前記認定のとおりであり、引用商標Aと同様の構成である申立人標章ついても、本件商標とは非類似の商標といえるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではない。
また、前記のとおり、本件商標と申立人標章は商標において別異のものであって、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人標章を連想・想起させるものとはいえないから、これに接する取引者、需要者は、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者のと商品であるかのようにその商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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