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Trademark Appeal Case

著名商標の類否と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90283(T2004−90283/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4749432号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4749432号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年5月26日登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年2月20日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下1ないし3のとおりである。

1 別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和62年1月5日登録出願(優先権主張、グレート・ブリテン及び北部アイルラント連合王国、出願日1986.7.2)、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録された登録第2233979号商標のほか、すべて別掲(2)のとおりの構成よりなる登録第2603891号商標、登録第2603892号商標及び登録第2712798号商標。

2 すべて別掲(2)のとおりの構成よりなる登録第2139388号商標のほか、登録第2188746号商標、登録第2250233号商標、登録第2275583号商標、登録第2603890号商標、登録第2603893号商標及び登録第2603894号商標。

3 いずれも「BEATLES」の文字を標準文字で書してなる登録第4474287号商標及び登録第4748452号商標(以下、上記1の登録商標を一括して「引用A商標」といい、上記2の登録商標を一括して「引用B商標」といい、すべての登録商標を一括していうときは「引用各商標」という。)。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 商標法第4条第1項第10号及び同第11号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている別掲(2)のとおりの構成よりなる商標及び「BEATLES」の文字よりなる商標と称呼、観念において類似するものであり、その商品おいても類似する商品に使用するものである。また、本件商標は、引用A商標と称呼、観念において類似するものでり、その指定商品おいても一部又は全部において抵触するものである。

2 商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、他人の著名な芸名「The Beatles」の著名な略称と認められる「Beatle」の文字をその商標中に含むものであり、かつ、その他人の承諾を得ていないものである。

3 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、世界的に著名な商標であり、我が国においても引用各商標として複数登録されている商標をその構成中に含むものであるから、これをその指定商品について使用する場合には、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

4 商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、世界的に著名な商標であり、我が国においても引用各商標として複数登録されている商標と類似する商標であるから、不正の目的をもって使用されることが推認できる。

5 商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、引用各商標と類似するものであり、また、「BEATLES」が築いた名声及び著名な引用各商標にフリーライドを企てていることが推認されるものであるから、公正な取引の秩序を乱し、ひいては、国際信義に反し、公秩良俗に反する商標である。

6 むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第8号、同第15号、同第19号及び同第7号に該当する。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号及び同第10号について

(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、「Fifth Beatle」の欧文字をまとまりの良い装飾文字で外観上一体的に表されており、これより生じる称呼も「フィフスビートル」とよどみなく一連に称呼し得るものである。また、本件商標は、その構成中の「Beatle」の文字部分のみ分離し、取引に資されるとみるべき格別の事由は見出せないものであるから、「Fifth」及び「Beatle」の両文字全体をもって一体不可分の構成よりなるものとみるのが自然である。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「フィフスビートル」の称呼のみを生じ、「5人目のビートル」のごとき観念を生ずるというのが相当である。

これに対し、引用A商標は、別掲(2)のとおり、大きな文字で表された「BEATLES」の文字の上部に小さい文字の「THE」を配してなるものであるから、「ザビートルズ」又は「ビートルズ」の称呼を生じ、ロックグループの「ビートルズ」の観念を生じるものである。

そうとすれば、本件商標より生ずる「フィフスビートル」の称呼と引用A商標より生ずる「ザビートルズ」又は「ビートルズ」の称呼とは、音構成において明確な差違を有するものであるから、称呼上明らかに区別できるものである。また、本件商標と引用A商標とは、前者が「5人目のビートル」の観念を有するのに対し、後者はロックグループの「ビートルズ」の観念を有するものであるから、両者は観念上相違するものであり、かつ、それぞれの構成よりみて外観上十分に区別し得るものである。

してみれば、本件商標は、引用A商標と称呼、観念及び外観のいずれにおいても類似する商標とはいえないものである。

(2)別掲(2)のとおりの構成よりなる商標及び「BEATLES」の文字よりなる商標が、たとえ、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたとしても、これらの商標と本件商標とは、上記と同様であって、それぞれ類似する商標とはいえないものであるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に違反して登録されたものではない。

2 商標法第4条第1項第8号について

ロックグループの「THE BEATLES」は、1970年に解散しており、しかも同グループ名の著名な略称は「BEATLES」、「ビートルズ」であり、「BEATLE」、「ビートル」が同グループの名の略称として著名であると認めるに足りる証拠はない。

したがって、本件商標は、他人の著名な芸名(グループ名)を含むものではないから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものではない。

3 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、上記1のとおり、文字全体をもって一体不可分のものと認識されるものであって、たとえ、引用各商標より想起されるロックグループの「THE BEATLES」、「BEATLES」及び「ビートル」が著名であったとしても、これらとは商標において別異ものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これらを連想、想起するとはいえないものである。

してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

4 商標法第4条第1項第19号及び同第7号について

(1)上記1ないし3よりすると、本件商標は、不正の目的をもって使用をするものとはいえないことは明らかである。

(2)本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、また、本件商標を指定商品について使用することが、社会公共の利益、一般道徳観念に反するものでもなく、さらに、他の法律によってその使用が禁止されているものでもない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第7号に違反して登録されたものではない。

5 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第8号、同第15号、同第19号及び第7号に違反して登録されたものではない。

したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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