Trademark Appeal Case
オリンピアン称呼の混同性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年異議第92265号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4181801号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年11月6日に商標登録出願され、「オリンピアンプラザ」の文字と「OlympianPlaza」の文字とを二段に併記してなり、第28類「スロットマシン,パチンコ器具,その他の遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,麻雀用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形」を指定商品として、平成10年8月28日に設定登録、その後、指定商品については、その指定商品中の「その他の遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,麻雀用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形」について一部放棄がなされ、その登録が平成11年9月8日になされたものである。
2 登録異議の申立ての理由
平成3年12月12日に登録出願、第26類「印刷物、書画彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録された登録第2665960号商標(以下、「引用商標」という。)は、「OLIMPIAN」の文字よりなるものであって、申立人の業務に係る商品「雑誌(JOCの機関誌)」を表示するものとして1992年(平成4年)3月号を創刊号として発刊、今日まで月刊誌として広く一般に愛読され一般に周知されている。
申立人は、引用商標がオリンピック関連の各種マーク、ロゴ等の一つとして、JOCが管理・保護すべき知的財産であることを広く国民に知らしめている商標であって、また、オリンピック関連の各種マークについて、多くの企業に使用許諾する商品化の事業も行っていることは良く知られているところ、長野冬季オリンピック大会を例にとると、ゴールドスポンサーは、著名な企業の協力を得、また、商品化は、「アパレル・バッグ類、ギフト、アクセサリー、ステーショナリー、日用雑貨、玩具、ホビー、レジャーグッズ、長野特産品、その他テレホンカード、刻印メダル、コインケース」など多岐に亘り、広く一般に販売された。
本件商標は、該構成文字に相応して「オリンピアンプラザ」の称呼を生ずるものである。
「Olympian/オリンピアン」は、オリンピックの形容詞として「オリンピック競技の」という意味を有し、名詞として「オリンピアン」といえば、ギリシアのオリンピック発祥の地として知られていると共に、オリンピック競技大会との関係では、「オリンピック競技大会の出場選手」を指称することも広く知られている。
また、「Plaza/プラザ」も「広場、市場」を意味する語として一般に知られている。
そのため、本件商標に接する需要者・取引者にとって「オリンピアンプラザ」は、「オリンピック出場選手の広場、オリンピックの広場」などの観念を想起し、オリンピック競技大会と何らかの関連があるかの如く認識することになる。
また、本件商標の指定商品をみると、これらの商品は、遊技用品、おもちゃ及び人形であること明らかであり、これらの指定商品には、申立人が商品化しているマスコットのおもちゃ、人形、パズルなどと同一又は類似の商品が含まれている。
申立人らの商品化事業は、月刊誌「OLYMPIAN」によっても宣伝・広告されており、今後のマーケティング推進によっては、更に娯楽用具、遊技用具にも広がる可能性は大きく、商品区分第28類に属する商品との関係には密接なものがある。
よって、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用するときは、需要者・取引者をして、申立人ら若しくはJOCから許諾を受けて本件商標を使用しているかの如く認識せしめ、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人の提出に係る証拠を徴するに、引用商標「OLYMPIAN」が申立人のうち財団法人日本オリンピック委員会の機関誌の商標として使用され、該誌は、1992年3月号から月刊誌として発行されていることは認められるが、引用商標を付した機関誌が毎月どの程度発行され、販売地域がどの程度であるかも明らかでなく、引用商標が本件商標の出願前に、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないものである。
また、引用商標がオリンピック関連の五輪マーク、オリンピックの旗等と同様のものとして保護されるべきものであると認め得る証左はみいだせないものである。
さらに、引用商標が機関誌以外の如何なる商品に関して、如何なる企業に、どの程度使用許諾されていたかは、全く不明であり、それらを立証する証拠もみいだせない。
しかして、本件商標は、「オリンピアンプラザ」の文字と「OlympianPlaza」の文字とを二段に併記してなるものであり、「オリンピアンプラザ」の文字部分と「OlympianPlaza]の文字部分は、全体として纏まりよく構成され、該構成文字に相応して生ずる「オリンピアンプラザ」の称呼も淀みなく称呼し得るものであり、また、本件商標構成中の「オリンピアン」、「Olympian」の文字部分は、「1.オリンポス山の、2.オリンポスの神のような、3.堂々たる、4.オリンピック競技の」の意味を有することが認められるが、「オリンピック」の形容詞で「オリンピック競技の」の意味を有し「オリンピック出場選手」という意味で幅広くスポーツ関係者の間で使用されているものとも認められず、本件商標が、申立人のいう「オリンピック出場選手の広場、オリンピックの広場」などの観念を生ずるものとして一般に知られ親しまれているものということはできない。また、本件商標構成中の「オリンピアン」、「Olympian」の文字部分を抽出し、該文字部分に相応して生ずる「オリンピアン」の称呼をもって取引に当たるとみるべき特段の事由は見出せないものであるから、本件商標は、該構成文字全体をもって把握、認識されるものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、引用商標「OLYMPIAN」と外観、称呼及び観念において類似する商標ということはできない。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を想起させるものでなく、申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者若しくは申立人の許諾を得た者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
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