結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31503(T2003−31503/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4413121号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年9月30日に登録出願され、「ミニトロニック」の文字を標準文字で表してなり、第9類「測定機械器具,配電用または制御用の機械器具,検出器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,火災報知機,盗難警報器」を指定商品として、同12年9月1日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定商品中、「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に係る指定商品についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人の調査によれば、本件商標の指定商品のうち、「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者により本件商標の使用がされている事実を発見することができなかった。
また、本件商標について、専用使用権又は通常使用権の登録もされておらず、これらの者による使用の事実も認められない。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人が使用証拠として提出した乙第1号証は、「電子式温度調節器R7701A1012」の2003年6月2日付見積書であり、乙第2号証は、乙第1号証に示された型番に対応する機種を特定するもので「ミニトロニック 電子式温度調節器(比例,二位置制御形) R7701A,R7702A,Q7705A,B」の仕様・取扱説明書である。
しかしながら、乙第2号証の仕様・取扱説明書の冒頭に「R7701A,R7702A D;SSK温度調節器は、ビル内空調設備の制御向けに作られた小型,高感度で,経済的な温度調節器です。」と明記されているように、当該商品は、空調制御用の機械器具であり、指定商品としては、第9類「測定機械器具」あるいは第11類「暖冷房装置」の範疇に属すると解すべきである。ちなみに、登録例においても、登録第4632888号商標の指定商品のうち、当該商品と近似する「温度調節用・空調用・冷蔵用・湿度調節用制御機械器具」は、「配電用又は制御用の機械器具」の範疇に属するものと解されている(甲第1号証、リスト項番5)。
なお、これらの商品が仮に電子応用機械器具等を内蔵していたとしても、それは単に商品の本来の目的や機能を達成するための手段にすぎず、電子的作用の応用がその商品の機能の本質的な要素になっていても、これらの商品自体、電子応用機械器具等であることを意味するものではないことはいうまでもない。このことは、上記登録例において「マイクロプロセッサを用いた温度調節用・空調用・冷蔵用・湿度調節用機械器具の制御装置」も「配電用又は制御用の機械器具」の範疇に属するものとされていることからも裏付けられる(甲第1号証、リスト項番4)。
また、被請求人は、当該商品が「遠隔測定制御機械器具」であると主張するが、当該商品が遠隔地にある機械を自動制御するものである旨を何ら立証していない。
したがって、乙各号証をもってしては、本件審判請求の対象である「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に係る指定商品についての本件商標の使用を証明したものとはいえない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ証拠方法として乙第1号証及び同第2号証を提出した。
被請求人は、本件商標を請求人が取消対象としている「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」中、少なくとも「遠隔測定制御機械器具,電子応用機械器具及びその部品」として使用している。本件商標は、ビル内空調設備の制御向けに作られた「電子式温度調節器」のシリーズ名称として永年使用しているものである。乙第1号証<内訳>に示されるように、「電子式温度調節器 R7701A1012」として取引上の提示を行った記録があり、これは乙第2号証の見出しに「ミニトロニック 電子式温度調節器・・・R7701A,・・」とあることから、「ミニトロニック」に関するものと照合可能と考える。製品内容は、乙第2号証に示される通りである。また、使用の時期については、乙第1号証1頁目の右肩に「見積年月2003年6月2日」と示されていることから、本件審判請求以前に使用されていたことも明らかである。
したがって、本件商標は、日本国内において、本件審判請求の登録前3年以内において、当該指定商品について使用されているものである。
(1)被請求人の提出に係る乙第1号証及び同第2号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証は、被請求人の作成に係る台東区宛ての御見積書と題する書面であり、見積年月として「2003年6月2日」の日付があり、記号・品名欄には「電子式温度調節器 R7701A1012」の表示がある。
乙第2号証は、山武ビルシステム株式会社の作成に係る「ミニトロニック/電子式温度調節器(比例,二位置制御形)R7701A,R7702A,Q7705A,B」についてのカタログ(1999年3月改訂10.0版)であり、該電子式温度調節器の仕様、設置・調整や取扱いについての説明がなされており、「R7701A,R7702A電子式温度調節器は、ビル内空調設備の制御向けに作られた小型、高感度で、経済的な温度調節器です。R7701A形はエアハンドリングユニットや熱交換器の温度調節器で、冷暖房の切換リレーとインターロック用のリレーを内蔵しており、M904F形モジユトロールモータやアクティバルVY5110Aを駆動します。R7702A形は二段二位置式の温度調節器でパッケージ形空調器やファン、ポンプ類の発停制御、各種温度の警報用途など広範囲に利用できます。」等と記載されている。
(2)上記で認定した各証拠によれば、被請求人は、被請求人の通常使用権者と認められる山武ビルシステム株式会社の作成に係る乙第2号証のカタログを用いて、本件審判の請求の登録日(平成15年12月3日)前3年以内である2003年(平成15年)6月2日当時に、本件商標を使用して、遠隔測定制御機械器具の範疇に属するものと認められる電子式温度調節器を台東区に販売したものというのが相当である。
(3)この点について、請求人は、被請求人の使用に係る電子式温度調節器は、空調制御用の機械器具であり、第9類「測定機械器具」あるいは第11類「暖冷房装置」の範疇に属する商品と解すべきである旨主張している。
しかしながら、該電子式温度調節器は、乙第2号証の製品の説明にも記載されているように、ビル内空調設備の制御向けに作られた温度調節器であって、R7701A形の電子式温度調節器は、エアハンドリングユニットや熱交換器の温度調節器で、冷暖房の切換リレーとインターロック用のリレーを内蔵していると記載されており、R7702A形の電子式温度調節器はパッケージ形空調器やファン、ポンプ類の発停制御、各種温度の警報用途など広範囲に利用できると記載されている。
そうとすれば、該電子式温度調節器は、単にビル内の温度や湿度等を測定する機械器具ではなく、また、それ自体に暖冷房の機能があるわけでもなく、暖冷房装置の部品・附属品として位置付けられるようなものでもないから、測定機械器具あるいは暖冷房装置の範疇に属する商品であるとの請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、甲第1号証を提出して、被請求人の使用している商品と近似する商品は「配電用又は制御用の機械器具」の範疇に属するものと解されている旨主張している。
確かに、甲第1号証の「商品・役務名リスト」によれば、「温度調節用・空調用・冷蔵用・湿度調節用制御機械器具」や「マイクロプロセッサを用いた温度調節用・空調用・冷蔵用・湿度調節用機械器具の制御装置」は、「配電用又は制御用の機械器具」の範疇に属する商品としての類似群が付与されている。
しかしながら、他方において、遠隔操作の要素のある商品は、例えば、「遠隔操作制御器」は電気通信機械器具に属する商品としての類似群が付与されており(登録第2343084号)、また、商品・サービス国際分類表[第8版]アルファベット順一覧表/日本語訳(類似群コード付)によれば、「遠隔制御装置」「電気的遠隔制御装置」「転轍機の電気的遠隔制御装置」は、いずれも電気通信機械器具に属する商品としての類似群が付与されている実情にある。
しかして、類似群の付与は、出願人の便宜及び審査の便宜等を図る見地から付与されているものであるが、必ずしも常に商品の実質の全てを反映しているとはいえない場合もあり得るものであり、商品によっては、いずれの商品類似群に属するかについて、判断が極めて困難な商品も存するのが実情である。そうとすれば、特に、不使用取消審判の場においては、登録商標の使用されている当該商品の実質に則して、それが真に複数の商品類似群に属する多面性を有する商品であれば、当該複数の商品類似群に属する商品について登録商標が使用されているものと扱っても差支えないというべきであり、このように解しても、不使用取消審判制度の趣旨に反することにはならないものというべきである。
してみれば、被請求人の取り扱いに係る商品は、その実質に則して判断すると、温度検出器や設定モジュール、温度調節器等を配線工事により接合させ、ビル内空調設備を遠隔操作により制御する電子式温度調節器と認められるものであるから、遠隔測定制御機械器具の範疇に属する商品として使用されていたものとみても差支えないものというべきである。
(4)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」中の「電気通信機械器具」に含まれる
「遠隔測定制御機械器具」について使用していたものといわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、
商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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