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Trademark Appeal Case

清涼飲料における「シリーズ」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−19983(T2002−19983/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「トライシリーズ」の文字と「TRY SERIES」の文字を二段に横書きしてなり、第30類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年10月24日登録出願されたものであるが、指定商品については、同14年7月17日付け手続補正書をもって補正された後、さらに、同14年11月1日付けの手続補正書をもって、第32類「清涼飲料、果実飲料」と補正されたものである。

第2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標中、登録第2451442号商標は、「TRY」の文字と「トライ」の文字を二段に横書きしてなり、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年4月6日登録出願、同4年8月31日に設定登録されたものであるが、その後、第32類「清涼飲料、果実飲料」とする指定商品の書換登録が同14年8月28日にされたものである。同じく登録第4204094号商標は、「トライ」の文字を横書きしてなり、第32類「清涼飲料、果実飲料」を指定商品として、平成9年2月3日登録出願、同10年10月23日に設定登録されたものである(上記登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)。

第3 請求人(出願人)の意見の要点

本願商標は、外観上一体のものとして把握されるものであり、また、構成文字全体から生ずる「トライシリーズ」の称呼も冗長ではない。さらに、全体として「連続的な試み」の観念を生ずるものである。加えて、「シリーズ」、「SERIES」の語は、査定の理由にあるように、菓子の分野においては自他商品の識別機能を有しないとしても、補正後の指定商品である「清涼飲料、果実飲料」の分野においては、自他商品の識別力を有しないものではない。

したがって、本願商標は、その構成文字より「トライシリーズ」の称呼及び「連続的な試み」の観念を生ずるものであるから、「トライ」の称呼及び「試みること」の観念を生ずる引用商標とは、称呼及び観念上類似しない商標であり、また、外観上も類似しない商標である。

第4 当審の判断

1 「清涼飲料,果実飲料」の分野における「シリーズ」の語について、当審において職権でした証拠調べによれば、以下の事実を認めることができる。

(1)1981年10月7日付け日本経済新聞(朝刊8頁)には、「加速する食品容器革命(下)紙パック――急ピッチで浸透、内面処理技術進む。」の見出しのもと、「トマトジュースの頭打ちに悩んでいるカゴメはこの春、グレープフルーツ、オレンジなどの『カゴメ−〇〇』シリーズを発売、商品多角化の道に一歩踏み出した。このシリーズに紙容器を初めて採用したところ・・」との記載がある。

(2)1986年7月2日付け日経産業新聞(17頁)には、「サッポロビール、清涼飲料3種。」の見出しのもと、「『りんご二〇』は『あんず二〇』『うめ二〇』の果汁二〇%シリーズの第三弾。」との記載がある。

(3)1987年1月13日付け日経産業新聞(17頁)には、「味の素、3ブランドに統一、清涼飲料――17種廃止、25種投入。」の見出しのもと、「『ティーンズ』シリーズはオレンジソーダ、グレープソーダなど四品種八品目から成り、八品目すべてが新製品。」との記載がある。

(4)1992年1月20日付け日本食糧新聞には、「ビール4社の経営戦略 〈3〉 アサヒビール」の見出しのもと、「・・完熟(りんご、ぶどう)シリーズが好評であったことから前年比一〇%増となり、果実飲料全体では前年並みを維持した。」との記載がある。

(5)1993年8月12日付け熊本日日新聞(朝刊7頁)には、「日本たばこ産業が秋冬向けの清涼飲料を発売」の見出しのもと、「同社が販売している清涼飲料『ハーフタイム』シリーズに、秋冬向け商品として9品を追加・・」との記載がある。

(6)1993年9月15日付け日本食糧新聞には、「サッポロビールが『栗ぜんざい』など発売」の見出しのもと、「・・また『果実飲料サッポロ飲むデザート』シリーズ三品を20日から全国で新発売する。」との記載がある。

(7)1995年3月27日付け日本食糧新聞には、「果実飲料特集 ドライ=健康志向で人気再浮上 食感で差別化へ」の見出しのもと、「また食感を持たせた果肉入り果汁飲料は多彩に登場、宝酒造はすりおろしシリーズとして『つぶつぶレモン』・・など多種多様だ。」との記載がある。

(8)1996年3月25日付け日本食糧新聞には、「果実飲料特集 付加価値・健康感がトレンド ストレートに注目」の見出しのもと、「ポッカコーポレーションがアメリカからの輸入販売でストレートの旬だけの季節限定販売を開始しており、今年次々に旬シリーズを販売していく予定。」との記載がある。

(9)2001年12月14日付け日本食糧新聞には、「サントリー食品事業部、中期戦略で1兆円へ規模拡大、清涼飲料は今年6%増」の見出しのもと、「『CCレモン』シリーズは、新しいフレーバー『CCグレープ』を投入し、・・」との記載がある。

(10)2002年2月8日付け日本食糧新聞には、「2001年清涼飲料主要各社の販売実績、“明暗”分かれる、・・」の見出しのもと、「JTは『ルーツ』が・・大規模投資の結果を出しているが、『桃の天然水』シリーズが半減、・・」との記載がある。

(11)2002年3月25日付け日経産業新聞(23頁)には、「夏近づいて...、茶、飲料の主戦場に――相次ぎ新製品・増産。」の見出しのもと、「『おーいお茶』シリーズで強力なブランド力を持つ伊藤園は、近年のお茶ブームに乗って順調に売り上げを伸ばしている。」との記載がある。

(12)2002年11月8日付け日本経済新聞(朝刊35頁)には、「ペットボトル飲料『ホット専用』競う――アサヒ飲料など、JTやサントリー。」の見出しのもと、「日本たばこ産業(JT)は四日、『ルーツ』シリーズにカフェオレタイプのホット専用商品『ルーツ フレンチカフェ』(同、百四十円)を追加。」との記載がある。

(13)2004年11月12日付け日本食糧新聞には、「東京・歳暮ギフト特集:カテゴリー別見通し=清涼飲料」の見出しのもと、「カルピスは定番の『カルピスギフト』シリーズを主力に多様なラインアップで勝負する。・・カゴメは・・一〇〇%フルーツジュースの詰め合わせ『ナチュラル』シリーズなどを中心に健康訴求を図る。」の記載がある。

2 前記1で認定した事実によれば、「シリーズ」の語は、「清涼飲料,果実飲料」の分野において、先に発売した新商品が好評であったなどの理由により、該先発の商品と連続性をもつ一連の商品群の意味を表す、いわゆるシリーズもの商品を表示するものとして、普通に使用されている実情にあることが認められる。

3 本願商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるところ、全体として請求人が主張するような「連続的な試み」の意味合いをもって、親しまれているものとは認め難いばかりでなく、その構成中の「シリーズ」、「SERIES」の文字部分は、前記2で認定した本願の指定商品の分野における取引の実情からみると、シリーズもの商品の意味合いをもって、商品の品質を表したと理解されるものであるから、自他商品の識別機能を果たし得ない部分であるということができる。

そうすると、本願商標は、その構成中の「トライ」、「TRY」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を強く発揮するというべきであるから、これより「トライ」の称呼及び「試みること」の観念をも生ずるものといわなければならない。

4 引用商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「トライ」の称呼及び「試みること」の観念を生ずるものである。

5 以上によれば、本願商標と引用商標は、「トライ」の称呼及び「試みること」の観念を同じくする類似の商標というべきものであって、本願商標に係る指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一のものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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