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Trademark Appeal Case

展示会出展による商標使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30379(T2004−30379/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4265701号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4265701号商標(以下「本件商標」という。)は、「果汁工房」の漢字と「かじゅうこうぼう」の平仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成8年12月16日に登録出願、第32類「果汁入り清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同11年4月23日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品について登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証ないし乙第5号証(被請求人の提出した証拠には符号が付してないが、便宜上「乙」を付して、以下表示する。)(枝番を含む。)によれば、被請求人は、2003年3月11日から14日に開催された「第31回 国際ホテル・レストランショー/HOTERES JAPAN 2003」(社団法人日本能率協会ほかの主催、以下「ホテル・レストランショー2003」という。)に、自己の取り扱いに係る商品又は役務のいずれかについて、東京国際展示場の東3ホールにおいて出展したものと認められ(乙第1号証)、また、2000年3月7日から10日に開催された「第28回 ホテル・レストランショー/HOTERES JAPAN2000」(以下「ホテル・レストランショー2000」という。)に、自己の取り扱いに係る商品又は役務のいずれかにつき、本件商標の上段部分と同一の「果汁工房」の文字を表示したブースをもって出展したものと認められる(乙第2号証ないし乙第5号証)。

しかしながら、これらの証拠方法によっては、以下(2)ないし(6)の理由により、本件商標の使用の事実を証明したことにはならない。

(2)乙第2号証ないし乙第5号証が示す出展事実は、いずれもホテル・レストランショー2000に関するものであって、本件審判の請求の登録前3年以内のものではない。また、上記3年以内のものと認められる乙第1号証について、被請求人は、乙第5号証と同様であると主張するも、この点について立証するところがない。

したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内における本件商標の使用について立証していない。

(3)仮に、ホテル・レストランショー2003の出展において、乙第5号証と同様のブースをもってなされたものであるとしても、同号証のブースには、その壁面において、前記「果汁工房」の文字その他の文字を表示したパネル類、果物類又は野菜類のイラスト及び写真パネル、ジューサーと思しき物の写真パネル等の掲示のほか、台上に置かれたジューサーと思しき物があったと認められるものの、本件請求に係る指定商品はみることができない。

したがって、乙第5号証は、本件商標を本件請求に係る指定商品のいずれかについて使用していたことを立証するものではない。

(4)被請求人は、被請求人は、乙第1号証ないし乙第5号証が示す事実につき、「商品に関する広告に標章を付して展示する行為」であって、商品が製造される前にその商品に使う予定の商標を予め広告する場合に該当するから、不使用取消審判の不使用を免れると主張する。

しかし、商品に関する広告というからには、たとえ発売前のものであるとしても、その品質、内容量、価格、発売時期等の詳細や、予定されるパッケージを表示するなどの方法が採られるのが通常と思料されるところ、乙各号証のいずれにおいてもそれらの表示等を認めることはできず、加えて、前記パネル類に表示された「果汁工房」の文字について、請求に係る指定商品との具体的な関連を見出すこともできない。

そうとすると、これらの乙各号証をもっては、本件商標を請求に係る指定商品について、広告に使用したとは認められない。

なお、ホテル・レストランショー2000に、乙第5号証で示したブースにおいて、発売(又は製造)前の広告をした商品が、その3年後のホテル・レストランショー2003にも再度同様のブースをもって発売(又は製造)前の広告をしたということ自体考え難いことであるし、さらには、そのように広告した商品について、未だ発売(又は製造)に至っていないということも、請求に係る指定商品を取り扱う分野の実情からすれば、きわめて考え難いことである。

(5)ところで、甲第1号証(社団法人日本能率協会のホームページ、但し、英文)は、ホテル・レストランショー2003におけるフロアープランを示すものであるが、これによると、被請求人が出展した東3ホール(乙第1号証)には、「BAKERY/CONFECTIONERY EQUIPMENT」、「COFFEE MACHINES」、すなわち、「パン製造・菓子製造用の設備」、「コーヒー販売機」等の業務用設備機器類の出展が配されていたものと認められ、被請求人の出展ブースに近接する「カリタ((株)カリタ)」のブースにおいてはコーヒーマシンが、また「エフ・アイ・ティー((株)エフ・アイ・ティー)」のブースにおいては製パン用オーブンが、それぞれ出展されていたと認められる(甲第2号証ないし甲第2号証の2)。

一方、甲第3号証(被請求人の取り扱いに係る商品のパンフレット「果汁工房Pro」)は、乙第5号証−Bのジューサーと同じ商品に関するものと認められるとともに、その随所に乙第5号証と同じ「果汁工房」の文字の表示が認められる。

また、ジューサーについての販売例(甲第4号証:楽天市場/通販サイト)にあるように、そこには乙第5号証−B中の写真パネルと同じ構図の写真、及び「果汁工房」の文字を表してなる商品パンフレットと思しきものの表示をみることができる(甲第4号証の1)。

(6)そして、乙各号証と甲各号証とを総合的に勘案するも、被請求人は、自己の取り扱いに係る業務用ジューサーに「果汁工房」の商標を使用するとともに、これの販促ないしは広告宣伝を目的としてホテル・レストランショー2003に出展していたのではないかと思料される。また、ブースを見学に訪れた者等に、当該ジューサーにより搾ったジュースを試飲させるようなこともあったのではないかと思われる。

しかし、仮にそのようなことが行われたものとしても、それはジューサーの広告宣伝にほかならず、これをもって請求に係る指定商品についての広告ということはできないことが明らかである。

(7)以上述べたとおり、乙各号証をもっては、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において商標権者又は使用権者のいずれかにより、その指定商品について使用されていたものとは認めることができない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。

1 使用の事実

被請求人は、本件商標を「果汁入り清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」に使用している。

(1)乙第1号証は、2003年3月11日から14日に開催されたホテル・レストランショー2003のパンフレットであり、その3頁に出展した会社名が、5頁にブースの地図が掲載されている。当時の写真はないが、乙第5号証のホテル・レストランショー2000と同様の広告をした。

(2)乙第2号証はホテル・レストランショー2000の被請求人の出展申込書、乙第3号証は出展料振込書、乙第4号証は出展社小間番号一覧表であり、これらは、ホテル・レストランショー2003(ホテル・レストランショー2000の誤記と思われる。)のパンフレットを紛失したため、パンフレットの代用である。乙第5号証は、ホテル・レストランショー2000のブースで、本件商標を広告した写真である。

(3)上記(1)及び(2)で証明した事実は、商標法第2条第3項第7号の「商品に関する広告に標章を付して展示する行為」である。したがって、商品が製造される前にその商品に使う予定の商標を予め広告する場合に該当する。そして、この広告に関する使用が、不使用取消審判の不使用を免れる旨の記述が逐条解説(2条の説明)にも明確に記述されている。また、展示した商標とは社会通念上の同一の範囲内である。

2 弁駁に対する答弁

(1)請求人は、「商品に関する広告というからには、たとえ発売前のものであるとしても、その品質、内容量、価格、発売時期等の詳細や、予定されるパッケージを表示するなどの方法が採られるのが通常と思料されるところ、乙各号証のいずれにおいてもそれらの表示等を認めることができない」旨主張する。

そこで、被請求人は、ホテル・レストラン・ショー2003のブースで、実際に使用したパッケージが写っている写真を提出する(乙第6号証)。この写真は写りが悪いが、証拠としてこの写真以外提出できるものがない。

(2)請求人は、ホテル・レストランショー2003のブースにおいて、ジューサーより搾ったジュースを試飲させるようなことがあったのではないかと述べ、それはジューサーの宣伝で、請求に係る指定商品についての広告ではない旨主張する。

確かに、被請求人は、ジューサーを出展したが、併せて、上記パッケージも展示したのであるから、まぎれもなく請求に係る指定商品に標章を付して展示したことになる。

また、上記のパッケージと同じものが、喫茶店であるタワーズカフェ(東京都目黒区青葉台3−1−17所在、2004年2月閉店)で2003年4月に使用されていた写真を添付する(乙第7号証)。これは、当時、お客様のテイクアウト用として、販売されたものである。

(3)被請求人は、現段階では、飲料メーカーとのジュース販売に関する話が進んでいる。よって、本件商標の登録が取り消されることを望まない。

第4 当審の判断

1 被請求人は、ホテル・レストランショー2003に、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されたパッケージをジュースについて使用し展示したものであるから、請求に係る指定商品について本件商標を使用した旨主張し、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出しているので、以下検討する。

2 乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)及び甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)によれば、以下の事実が認められる。

(1)被請求人は、2003年3月11日から14日に開催されたホテル・レストランショー2003に出展し、出展会場の「東3ホール」のブースにおいて、「Juice」、「Factory」、「果汁工房」の各文字を3段に横書きにして、果実の写真等とともに表示したと推認し得ること及び上記ブース内でジューサーを展示したこと(ジューサーを展示したことについては、当事者間に争いがない。)。

(2)ホテル・レストランショー2003の東3ホールは、「BAKERY/CONFECTIONERY EQUIPMENT」(パン製造・菓子製造用の設備)、「COFFEE MACHINES」(コーヒー販売機)等の業務用食品製造機械器具等を展示する場所であること。

(3)被請求人の取扱いに係る「果汁工房Pro」なるジューサーのカタログには、ジューサーの仕様、特長等とともに、「果汁工房」、「Juice」、「Factory」の各文字が3段に横書きした商標が表示され、また、「果汁工房がお薦めするフレッシュンュース・基本レシピ」として、各種ンュースを作る際に用いる材料や作り方の説明が記載されている(果汁工房参考資料/2004年1月)こと。

3(1)上記2で認定した事実を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成16年4月7日)前3年以内である2003年3月11日から14日に本件商標と社会通念上同一と認められる商標(以下「使用商標」という。)を使用したと認められる。

しかしながら、使用商標が請求に係る指定商品のいずれかについて使用された事実は、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を総合しても認めることはできない。かえって、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)を総合すれば、使用商標が使用されていた商品は、請求に係る指定商品に属しないジューサーであるというのが相当である。

(2)被請求人は、甲第1号証ないし甲第3号証について、何ら答弁するところがないが、ホテル・レストランショー2003に、使用商標が表示されたパッケージをジュースについて使用し展示した旨主張し、さらに、2003年4月に喫茶店でテイクアウト用として、使用商標が表示されたパッケージをジュースについて使用していたとして、乙第6号証及び乙第7号証を提出している。

確かに、乙第7号証によれば、「FRESH!!JUICE」と書された札の前に、使用商標が表示されたプラスチック製の容器の存在を確認することができ、また、乙第6号証にも、乙第7号証の容器と同様の容器と思しきものが写し出されていることは推測し得るが、乙第6号証は、撮影の年月日・場所等の表示がなく、これがホテル・レストランショー2003に出展したものであるか不明であるといわざるを得ない。また、乙第7号証には、撮影年月日と認められる「2003.4.21」が表示されているが、仮に被請求人が乙第7号証に示す喫茶店に使用商標を表示したジュースを販売したのであれば、取引書類等その取引の事実を客観的に証明する証拠の提出があるのが一般的であるところ、その提出がないばかりか、そもそも乙第7号証が被請求人のいう喫茶店であるかも不明である。

(3)したがって、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)をもってしては、被請求人(商標権者)が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品のいずれかについて、使用商標を使用していたものと認めることはできない。

なお、被請求人は、ホテル・レストランショー2003に出展した事実は、商標法第2条第3項第7号の「商品に関する広告に標章を付して展示する行為」である旨主張するが、法第2条第3項第7号にいう標章の使用というためには、「商品に関する広告」に標章を付して展示又は頒布することを要する。すなわち、広告に使用される標章が、広告中において商品との具体的関係において使用されていなければ、商品についての標章の使用があるとはいえないところ、前記認定のとおり、ホテル・レストランショー2003において、被請求人が請求に係る指定商品を展示したという事実は認めることはできない。したがって、上記被請求人の主張は理由がない。

4 むすび

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて、登録商標の使用をしていることを証明し得なかったといわざるを得ず、また、使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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