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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−15430(T2002−15430/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「緑茶と備長炭を配合してなる冷蔵庫用消臭芳香剤」及び第5類「緑茶と備長炭を配合してなる冷蔵庫用脱臭剤,緑茶と備長炭を配合してなる冷蔵庫用消臭剤,緑茶と備長炭を配合してなる冷蔵庫用芳香消臭剤」を指定商品として、平成12年12月12日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は「本願商標は、『脱臭』,『消臭』,『茶』の文字と『冷蔵庫用』の文字及び『緑茶と備長炭で消す!』の文字よりなるものであるが、緑茶にはもともと消臭成分があって、悪臭のもとを中和分解するものであり、備長炭は悪臭を吸着するものであるから、指定商品、例えば『緑茶と備長炭を配合してなる冷蔵庫用消臭剤』について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、右上がりの毛筆書き風の線上に「緑茶と備長炭で消す!」の文字を黄緑、黄色、白色で表し、その上部に茶の若葉 と炭と思しき図を配し、その左側下部に赤で「冷蔵庫用」の文字を配し、その下部に右下がりの赤色楕円形内に「脱臭」の文字を白抜きし、その横に太線で縁取りした「消臭」の文字及びその右側に緑の茶畑を表した図に一部重なるように毛筆書きで「茶」の文字を顕著に表し、またその左側に小さく「だっしゅう」、「しょうしゅうちゃ」の各文字を二段に併記した構成よりなるところ、各構成文字は、その字体、間隔、大きさも一定ではなく、全体としてまとまりがなく、把握し難いものといわなければならない。

そして、その構成各文字中「消臭」は「不快な臭いを消すこと」、「脱臭」は「臭気を抜きとること。においをぬくこと。」等の意味を有し、「茶」は「茶の若葉を採取して製した飲料」等の意味を有する語として日常親しまれているものである(広辞苑第五版)。

加えて、各構成文字の書体又は表現方法は何ら独創性あるいは特異性を有するものとは言い得ず、普通に用いられる方法で表示してなるにすぎない。 また、図形部分も付記的又はありふれた背景図形といい得るものである。

ところで、「茶」には、飲料としての本来の用途、機能とは別に、抗菌、消臭といった特徴、効能を有することが一般に知られるところであり、このことは、次のインターネットホームページの記載あるいは新聞記事情報からも窺い知ることが出来る。

例えば、インターネット・ホームページの「Eco Life Labo (http://www2.wbs.ne.jp/~ecolife/Top.htm)」によれば、「緑茶の効能」の見出しの下、「緑茶は現在では嗜好品という感が強いですが、もともとは高級な漢方薬でした。現在、西洋医学での治療の限界が見えてきている中で、“大自然の恵み”を有効に活用する漢方が再び注目を浴びています。そんな中で皆さんの身近にあるお茶の効能を有効に活用して頂くことは最も簡単な健康法となると思われます・・・・。

【緑茶カテキン】〜現在、緑茶成分の中で注目度ナンバーワンの成分です。お茶の成分全体の8〜15%を占めており、お茶の渋みのもとでもあります。弊社でもこのカテキンの優れた効能である“消臭”“抗菌”“抗酸化”の力に注目して商品化を進めてきました。緑茶カテキンの消臭力は、通常消臭剤として利用されている活性炭の3倍以上の効果が立証されています。その上、近年問題となったO157や食中毒の原因菌までも殺菌する抗菌力が知られています。又、カテキンは話題のポリフェノールの仲間で、酸素の毒性を制御する抗酸化作用もあります。緑茶のポリフェノールはワインの100倍、ココアの50倍で自然界の食品の中で一番の抗酸化力を誇ります。この抗酸化力が“動脈硬化”“老化防止”“発ガン予防” に大変有効に作用します。このようにカテキンは一つの物質で、抗生物質としての働きと抗体としての働きがある唯一の薬なのです。その上、化学薬品でない自然界にある物質ですから人体への副作用もありません・・・。」との解説がある。また、同じく、緑茶の効能について、以下のとおり、新聞でも報道されている。

(ア)2000年4月5日付け日本食糧新聞によると、「製茶の下堂園が『舞茸緑茶』開発」の見出しの下、「茶については、緑茶成分のカテキンを中心に抗がん、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、消臭など、幅広い生理活性作用が確認されており、それらの機能を生かして飲食用だけでなく、衣、住分野にも広範囲な利用が進んでいる」との記事。

(イ)2002年2月25日付け毎日新聞地方版/奈良によると、「緑茶のエキスで抗菌性や消臭効果のある衣類を開発 県、新年度から研究 */奈良」の見出しの下、「緑茶のエキスを濃縮して粉末にする特許技術を応用し、県は新年度から、抗菌性や消臭効果のある衣類の商品開発に乗り出す。・・・エキス粉末は、抗菌、消臭、抗がんなどに効能があるとされる緑茶のカテキンやアミノ酸などを粉末状にしたもの。」との記事。

(ウ)2001年11月10日付け百歳元気新聞(日本食糧新聞)によると、「ヘルシー企業の顔:東京フードテクノ・原征彦取締役副社長」の見出しの下、「お茶は昔から薬効が知られ、そのもののおいしさもあり、緑茶、紅茶、ウーロン茶など世界中の人に愛飲されている。中でも緑茶には、渋みの成分「カテキン」の含有量が非常に多い。このカテキンは、健康維持はもちろん抗酸化作用や消臭作用など様々な機能性を持っている。その機能性に着目し、茶のカテキンを徹底研究した緑茶抽出物のパイオニア、東京フードテクノ(株)・・・」との記事。

(エ)1997年11月3日付け読売新聞大阪朝刊22頁によると、「養生の仙薬・お茶が静かなブーム ガン予防や老化防止 茶殻捨てず料理にふろに」の見出しの下、「このほか、茶殻をふろに入れると肌がすべすべになるとあって、緑茶エキスを使った化粧水なども発売。お茶から抽出したフラボノイドは消臭効果があり、トイレなどの消臭剤やガム、のどあめなどの食品にも多く利用されている。」との記事。

上記の解説、記事等からしても、茶、特に緑茶に含まれるカテキン類、フラボノイド類の作用による抗菌、消臭効果のあることは一般的にも知られており、また、その効用を生かした商品が開発されていることがわかる。

そして、本願の指定商品は、抗菌及び消臭効果を有する商品であることが明らかである。

以上より、本願商標の構成中「緑茶と備長炭で消す!」の文字よりは、前記した「緑茶と備長炭の消臭特性でにおいを消す」といった意味合いを容易に想起させ、また、「脱臭」、「消臭」、「茶」の文字及び「冷蔵庫用」の各文字よりは、単に「消臭作用を有するお茶を原材料とするものであること」、「脱臭、消臭用であること」及び「冷蔵庫用であること」を理解させるにすぎない。

そうとすると、本願商標をそのいずれの指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者に、「緑茶と備長炭を配合してなる冷蔵庫用消臭、脱臭の作用を有する商品」であること、すなわち商品の品質、効能を表示したものと理解、認識させるにとどまるものというのが相当であり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、「本願商標は、その構成において独創性を有し、「しょうしゅうちゃ」も創造語である」旨主張しているが、本願商標については、上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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