sokuhyo

Trademark Appeal Case

簿記士 識別力・公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−2552(T2003−2552/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「簿記士」の文字を横書きしてなり、第35類「財務書類の作成又は監査若しくは証明」を指定役務として、平成13年8月15日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「(1)本願商標は、簿記に関する専門知識・専門技能を修得した者に与えられる資格を指すと容易に認められる『簿記士』の文字を書してなるものであるから、これを本願の指定役務に使用するときは、前記資格を有する者の提供に係る役務であること、当該役務提供者の肩書きとして理解されるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品または役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。(2)本願商標は、『簿記士』の文字を書してなるものであるが、これより恰もそのような国家資格等があるかの如く世人一般に認識されるおそれがあり、このような商標を登録し商品又は役務について使用することは、国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと認める。しがって、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、これよりは原審説示のような「簿記に関する専門知識・専門技能を修得した者に与えられる資格」を指すものとして、その指定役務を取り扱う業界において普通に使用されている事実を発見し得ないものである。

してみれば、本願商標は、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有するものというべきであり、需要者をして何人かの業務に係る役務であることを認識し得る商標であるとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。

(2)本願商標は、その構成する「簿記士」の文字から直ちに国家資格を表示したものと認識し把握されるものとはいい難いものである。蓋し、一般に、「士」の文字は、「1)官位・俸禄を有し、人民の上位にある者。『士師・進士』2)周代に、四民の上、大夫の下にあった身分。『士大夫』3)兵卒の指揮をつかさどる人。また、軍人。兵。『士官・士気・戦士』4)近世封建社会の身分の一。もののふ。さむらい。『武士・士農工商』」を意味する語であって(岩波書店発行「広辞苑」第5版)、他の文字と結合して身分や資格等を示す名称を表すために使用されており、博士、弁護士、弁理士、税理士等のように法律で規定され、使用が規制されている資格名称が存在するが、他方で法律に準拠しない「士」の文字を含む名称や称号が使用されている事実もある。そして、「簿記士」の名称は、法律等に規定されたものではなく、格別その使用が制限されたものともいえないし、公の機関が付与する資格や称号と紛らわしいものともいい難いものである。

そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は国家資格を表す名称ないしは公の機関によって付与された称号等を表したものであるかの如く認識するようなことはないというべきであり、これが、直ちに国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとはいうことはできない。

また、本願商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではないし、これを使用することが社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するようなものでもない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(3)以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第7号に該当するものであるとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものでなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。