Trademark Appeal Case
著名商標と混同の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−9064(T2000−9064/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「フリフレーム」の文字よりなり、第7類「建築又は構築専用材料、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和61年11月6日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、登録異議申立てがあった結果、「本願商標は、「法面保護壁による土留め・斜面安定工法」として全国規模にわたる当業者及び法面保護工事の需要者間において、「フリーフレーム協会」会員が行う「フリーフレーム」工法の略称として著名な「フリーフレーム」と酷似するから、これをその指定商品について使用するときには、該商品が恰も前記協会員の業務に係る商品であるかの如くに、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
本件審判請求外の無効2001−35334号(商標登録第4207920号の登録無効審判事件 請求人 フリーフレーム協会、被請求人 建設基礎エンジニアリング株式会社=本件審判請求人)において、フリーフレーム協会が提出した「フリーフレーム」の著名性に関する証拠によれば、以下の事実が認められる(以下、フリーフレーム協会を単に「協会」といい、甲各号証の表示は提出された証拠と同一表示とする。)。
1.「フリーフレーム」の著名性について
(1)協会の提出した「フリーフレーム」の著名性に関する証拠は以下のとおりである。
財団法人建設物価調査会作成の報告書(甲第4号証)、「建設物価」昭和51年12月号、同1982年(昭和57年)1月臨時増刊号、同1988年(昭和63年)1月号(甲第5号証ないし甲第7号証)、「建設物価建設資材要覧昭和58年度版」(甲第8号証)、株式会社建設工業調査会作成の報告書(甲第9号証)、昭和57年3月発行の「ベース設計資料」(甲第10号証)、財団法人経済調査会作成の報告書(甲第11号証)、「積算資料」’87−7臨時増刊 昭和62年7月号(甲第12号証)、雑誌「地すべり技術 第23号」Vol.8,No.2 社団法人地すべり対策技術協会雑誌(甲第13号証)、昭和56年10月発行の雑誌「月刊ダム日本」444号 10 1981(甲第14号証)、昭和56年3月発行の雑誌「緑化工技術」7巻3号(甲第15号証)、雑誌「土木施工 11」昭和56年11月号(甲第16号証)、昭和58年8月発行の雑誌「基礎工」Vol.11,No.98(甲第17号証)、昭和59年7月発行の雑誌「砂防と治水」46号1984(甲第18号証)、フリーフレーム協会作成の平成3年3月30日付け報告書(甲第19号証)、協会発行のフリーフレーム工法のカタログ(甲第20号ないし第22号証)、協会発行のフリーフレーム工法の見積設計資料(甲第23号証、第24号証)、請求人発行のフリーフレーム工法の見積参考資料(甲第25号証)、協会発行のフリーフレーム工法施行実績(甲第26号証)、協会発行のフリーフレーム工法技術資料(甲第27号証)、理工図書発行 福岡正巳監修 フリーフレーム協会編「フリーフレーム工法」1989年5月1日発行(甲第28号証)その他協会の提出した甲各号証。
(2)上記(1)の甲各号証を総合勘案すれば、協会は、昭和51年1月の設立当初から、「建設物価」、「積算資料」等の業界誌、日刊建設工業新聞等の業界紙その他当業界向け出版物に、年数回ないしそれ以上、協会の名称と各会員会社名とを表示したフリーフレーム工法の広告を掲載し、同工法のカタログやその施工に関する各種技術資料の作成、書籍の編著を行い、また自ら同工法の講習会を開催し、あるいは依頼を受けて地方自治体の開催する講習会に講師を派遣するなど、全国的規模にわたりフリーフレーム工法の宣伝広告に関する活動を継続して行ってきたこと、そして、同工法の施工実績は、昭和60年より平成元年の各年とも、法面保護壁による土留め・斜面安定工法の実績としては群を抜き、他を圧倒するものであった。
また、平成15年6月13日付けの日刊工業新聞19頁にフリーフレーム協会会長に就任したライト工業常務吉沢氏の「フリーフレームは、金網型枠とコンクリートを吹き付けて切り土のり面、自然斜面枠を作る工法。協会の会員も103社と順調に拡張している」旨のコメントが記事として掲載されていることから、現在においても「フリーフレーム」の著名性は継続しているものと推認し得るものである。
そうすると、「フリーフレーム協会」、「フリーフレーム工法」及びその略称である「フリーフレーム」は、協会の名称及びその業務に係る工法の名称又はその略称として著名であるのみならず、同協会に係る業務である法面施工法、同工法の講習・教授・指導等を表示するものとして、遅くとも昭和61年11月6日の本願商標の登録出願時までには、取引者、需要者に広く知られていたというべきであり、その著名性は現在においても継続しているものと認めることができる。
2.出所の混同について
前述のとおり、「フリーフレーム」の文字は、フリーフレーム協会、同工法の著名な略称又は同協会の業務に係る法面施工法、同工法の講習・教授・指導等を表示するものとして、取引者、需要者に広く知られていたと認められるものである。
そして、本願商標から生ずる「フリフレーム」と上記「フリーフレーム」とは、第2音「リ」において長音の有無に差異を有するに止まるから、両者は称呼上、類似の商標というべきである。
そうとすると、本願商標と使用商標とは、称呼において類似するものであり、かつ、本願商標の指定商品「建築又は構築専用材料、その他本類に属する商品」と協会の役務である「フリーフレーム工法の講習・教授・指導」等とは、建築又は構築の工法の教授・指導において、当然にその建築又は工法に使用される建築材料についても教授・指導の対象となることから、密接な関係を有するものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、協会の著名な略称又は「フリーフレーム工法」を連想・想起し、該商品が協会若しくは協会と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
3.結論
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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