結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−30334(T2004−30334/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3340696号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ヒューマン メディア」及び「HUMAN MEDIA」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成6年4月14日に登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),その他の電子応用機械器具及びその部品,レコード,録音済み光ディスク,録音済み光磁気ディスク,録画済み磁気ディスク,録画済み光ディスク,録画済み光磁気ディスク,映像データを記憶した電子回路,文字データを記録した磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク又は電子回路,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアーカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」を指定商品として、平成9年8月22日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中の「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),その他の電子応用機械器具及びその部品,レコード,録音済み光ディスク,録音済み光磁気ディスク,録画済み磁気ディスク,録画済み光ディスク,録画済み光磁気ディスク,映像データを記憶した電子回路,文字データを記録した磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク又は電子回路,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアーカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,火災報知機,消防車,盗難警報器,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,計算尺,家庭用テレビゲームおもちゃ,メトロノーム,及びこれらに類似する商品」についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は被請求人の紹介パンフレットであり、それには商品の販売を行っている事実の記載はなく、使用事実を立証するものではない。また、被請求人は被請求人ホームページの寄付行為の項目(以下、「ホームページの寄付行為の項目」という。)により設立されたものであり、その項目中には、商品の販売を行うような記載はない(甲第2号証)。
そして、該ホームページの寄付行為の項目によれば、映像を記録した録画済み光ディスク(以下、「録画済みDVD」という。)の販売は、その範囲外のものであり、録画済みDVDの販売を行っているとの主張自体が失当である。録画済みDVDの販売はホームページの寄付行為の項目の範囲外のものであり、録画済みDVDの販売を行っているとの主張には具体的妥当性がない。
また、被請求人のホームページには事業報告、事業計画、会計決算報告、会計予算書等が公表されているが、ビル事業の特別会計を除き、全てが目的及び事業の範囲内のものである。これらの何れにも商品の販売事業を行う報告や計画が明らかにされておらず、会計上の決算、予算にも計上されていないことから、被請求人が商品の販売事業を行っている事実がないことが証されるものである(甲第3号証ないし甲第8号証)。
(2)乙第2号証について
乙第2号証中には、確かに「Beach & Xmas」及び「Human Media」の文字が表示されていることは認められる。しかしながら、乙第2号証によっては、被請求人が録画済みDVDを製造、販売した事実は何ら証明されていないものであり、使用事実を示す証拠とはなり得ない。被請求人は「公募作品を集めた作品集」としているが、録画済みDVDは平成14年度の「HMC編集塾作品集」であり、「公募」されたものとして認識されない。
乙第2号証には「H14年度 HMC編集塾 作品集」の表示がされており、録画済みDVDは、被請求人が2003年3月(平成14年度)に開催した「HMC編集塾」の塾生による作品集としての録画済みDVDであることが容易に理解されるものである。また、答弁書中には、「制作・販売を計画し」とあるが、上記録画済みDVDは、塾生による作品集であり、被請求人がこれを「制作・販売を計画した」事実を乙第2号証より認識できるものではなく、正確に事実を伝えない誤認を与える主張をしている。このような主張をするのであれば、被請求人は、上記録画済みDVDを制作・販売を計画した事実、及び公募した事実を証拠により明らかにされたい。
また、平成15年度(2004年3月開催)の「HMC編集塾」の「受講生募集のご案内」によると、受講料は「無料(食事代、交通費は受講者負担)」とされており、この記載から、録画済みDVD「HMC編集塾作品集」が受講者に無償で提供されていたことが推認されるものである(甲第9号証)。
以上のとおり、乙第2号証のみによっては、被請求人が録画済みDVDに本件商標を使用していた事実を証明できないことは明らかであって、使用の事実を証明するというのであれば、録画済みDVDの製造業者の名称や製造業者からの納入があった事実(日時、数量、価格等の明示されたもの)、包装の印刷業者の名称や印刷業者からの納入があった事実(日時、数量、価格等の明示されたもの)、録画済みDVD自体を販売店に卸したり需要者に販売した事実(納品書、請求書、販売格等の明示されたもの)等の使用の事実を明らかにする証拠を提出するとともに、商品の存在を明らかにするよう乙第2号証に示される録画済みDVD自体の提出をされるよう求める。
(3)乙第3号証について
被請求人は、「公募の作品集は毎年製作(「制作」の用語が適切と認められるので以下、「制作」という。)予定で平成15年度分は本年3月に製作・販売されている。(制作日が本件審判請求後であるが、商標「Human Media」の使用態様例として提出する。)」として乙第3号証を提出しているが、乙第3号証は被請求人が自認するとおり、本件審判請求における使用の事実を示す証拠ではない。なお、ここにおいても「公募」としており、録画済みDVDが平成15年度の「HMC編集塾作品集」であることを明らかにしていない。また、乙第3号証の録画済みDVDの制作日が「2004/3/23」と表示されているが、平成15年度のHMC編集塾の開催期間「2004/3/15−2004/3/24」の表示もなされていることから(甲第9号証)、録画済みDVDは開催期間中の3月23日に塾生自身が制作したものであることが推認されるものである。
また、被請求人が公表している事業報告及び収支決算報告を見ても、公募、制作及び販売がなされてる事実は存在しない(甲第4号証、甲第7号証)。
(4)乙第4号証について
被請求人は、「その他にも北九州の観光地『門司区レトロ地区』を映像化した『記憶』等の録画済みDVDも制作・販売している。」として乙第4号証を提出しているが、製造、販売の日時や取引の事実が証明されておらず使用の事実を証する証拠となるものではない。
(5)被請求人のその余の主張について
被請求人は乙第1号証ないし乙第4号証により本件商標の使用の事実が証明されていることを前提として、平成15年3月より現在まで使用されていること等の主張をしている。
しかしながら、これらの主張は本件商標の使用の事実が立証されていることを前提としてなされているものであり、使用しているという前提が成立しない以上は争うまでもなく全てが否認されるものである。
(6)まとめ
以上のとおり、被請求人の答弁によっては、本件商標が本審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において使用されていたという事実が証明されているとは到底認められない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項に規定する取消の要件を充足するものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
本件商標は本件審判の請求の登録(予告登録)前3年以内に商標権者によって、第9類「録画済み光ディスク」について使用されているものであり、請求人の主張は根拠がないものである。
被請求人は、広域的な産学官の支援のもと、平成8年4月10日設立され、マルチメディア技術を人と人をとりまく環境との接点に活用し、様々な活動に取り組んでいる(乙第1号証)。
その一つとして被請求人は、平成14年頃より録画済みDVDの制作・販売を計画し、平成14年度の公募作品を集めた作品集「Beach & Xmas」を平成15年3月5日、「Human Media」の商標を付して制作・販売している(乙第2号証)。公募の作品集は毎年制作予定で平成15年度分は本年3月に制作・販売されている(制作日が本件審判請求後であるが、商標「Human Media」の使用態様例として提出する。)(乙第3号証)。その他にも北九州の観光地「門司区レトロ地区」を映像化した「記憶」等の録画済みDVDも制作・販売している(乙第4号証)。
これらの録画済みDVDには「Human Media」の文字が付されており、本件商標が商標として機能していることは明白である。
また、本件商標は、「ヒューマン メディア」の片仮名文字と「HUMAN MEDIA」の欧文字を二段併記した構成からなり、上段および下段の各部分はそれぞれ称呼及び観念が同一であるためいずれか一方のみでの使用が認められており、また本願商標下段の「HUMAN MEDIA」と使用態様「Human Media」(以下、「本件使用態様」という。)とは書体及び大文字、小文字の表示に変更を加えた同一の文字からなる商標で、本件使用態様は本件商標の使用といえるものである。
以上のとおり、本件商標は本件審判の請求の登録前3年以内(平成15年3月より現在まで)に商標権者によって、指定商品「録画済み光ディスク」について使用されているものであり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
(1)乙第2号証は、録画済みDVDを撮影した写真であって、録画済みDVDの包装又は録画済みDVD本体に、「Human Media」、平成14年度 HMC編集塾 作品集」、「制作・発売元/(財)九州ヒューマンメディア創造センター」、「制作2003/03/05」、「DVD」、「VIDEO」の文字などが表示されていることが認められる。
(2)乙第3号証は、録画済みDVDを撮影した写真であって、その録画済みDVDの包装又は録画済みDVD本体に「Human Media」、「平成15年度 HMC編集塾 作品集」、「制作・著作・発売元/(財)九州ヒューマンメディア創造センター」、「制作2004/03/23」、「DVD」、「VIDEO」の文字などが表示されていることが認められる。
(3)乙第2号証ないし乙第3号証、請求人及び被請求人の主張によれば、被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証の写真に撮影されている録画済みDVDを2004年(平成16年)3月23日に制作し、これを本件審判の請求の登録(平成16年4月1日)前3年以内に販売した事実を認めることができる。なお、被請求人は、乙第3号証の写真に撮影されている録画済みDVDについて、これは本年(平成16年)3月に制作・販売されている旨主張しながら、その制作日が本件審判請求後であるとしているのは、本件審判の請求の登録の日を被請求人が誤認した結果であることは明らかである。
ところで、請求人は、乙第1号証に被請求人が商品の販売を行っている事実の記載がないこと、被請求人がホームページの寄付行為の項目により設立されたものであり、その項目中に商品の販売を行うような記載はないことを根拠に、録画済みDVDの販売は ホームページの寄付行為の項目の範囲外のものである旨主張する。また、公表されている被請求人のホームページには商品の販売事業を行う報告や計画が明らかにされておらず、会計上の決算、予算にも計上されていないことから、被請求は、商品の販売事業を行っている事実がないことが証される旨主張する。
しかし、甲第2号証に示されたホームページの寄付行為の項目の第2章「目的及び事業」(第3条及び第4条)によれば、被請求人は、その寄付行為第4条に定められている1.ないし5.の各号の事業以外に「6.前各号に掲げるもののほか、本財団の目的を達成するために必要な事業」を行うことが可能であり、必要な範囲で物品販売をすることもできるものと解される。 また、当事者の主張及び証拠とを併せ考慮すると、被請求人は、受講生を公募して2004年(平成16年)3月15日から3月24日の間、「HMC編集塾」という映像制作技術を体験するための短期集中講座(受講料無料)を開催し、公募に応じた受講生が「HMC編集塾」において制作した映像作品に「HMC編集塾」の講師作品を一部加えて編集したといえるものである。そして、被請求人の編集したものが乙第3号証の写真に撮影されている録画済みDVDであることが窺われる。
そうすると、甲第9号証は、請求人主張のように被請求人が本件商標を使用していない事実を証明するものというよりは、むしろ、乙第3号証の写真に撮影されている録画済みDVDが製造された経緯の事実の立証に資する資料といえるものである。
そしてまた、公表されている被請求人のホームページや会計上の決算、予算に被請求人が商品の販売事業を行っている事実を示す記載がないのは、被請求人の事業としては、それらを記載して公表するまでの重要性がないためと考えられるから、これをもって、被請求人が録画済みDVDなどの商品を販売していない事実を立証していないものとはいえない。
よって、請求人の前記主張は、いずれも理由がないものであり、採用することができない。
そして、乙第2号証及び乙第3号証の写真に撮影されている録画済みDVDの包装又は録画済みDVD本体に表示されている「Human Media」の文字は自他商品の識別標識としての商標であり、また、社会通念上、本件商標と同一の商標と認めることができる。
そうすると、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標権者が本件審判請求に係る指定商品中の「録画済み光ディスク」について、本件商標を使用した事実が認められる。
したがって、本件商標の商標登録は、審判請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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