結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−30328(T2004−30328/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1875702号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイヨン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和58年9月6日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同61年7月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。また、指定商品については、平成15年1月30日に、商標権一部取消審判の請求(2003年審判第30117号)があった結果、指定商品中「工業用炉,動力機械器具(「水車」「風車」を除く),業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機,冷却機,冷却筒,製氷機,冷却蒸発機,ガス冷蔵庫,冷凍・冷蔵ショーケース,食料または飲料加工機械器具,化学機械器具,蒸気暖房装置,温水暖房装置,温気暖房装置,放熱器,温気炉,窓掛け式空気調和装置,中央式空気調和装置,単位誘引式空気調和装置,路面暖房装置,理髪用椅子,太陽熱利用温水器,浄水装置,バルブ,し尿処理槽,汚水浄化そう,塵芥焼却炉」について登録を取り消す旨の審判の確定登録が同15年7月30日にされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中「印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。
よって、本件商標は商標法第50条第1項の規定により、指定商品中「印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」についての登録を取り消されるべきものである。
被請求人は、本件商標を「石材加工機械器具」に属する商品「油圧ブレーカー『UB・8』及び『UB・11』」(以下、「使用商品」という。) に使用していると主張するが、乙第3号証及び乙第4号証を見る限り使用商品は、鉱山機械器具に属する「さく岩機」が発展した商品であって、「土木機械器具」に属するパワーショベルのショベルに換えて取り付け、パワーショベルの油圧を利用してピストンによる衝撃力により打撃して岩等を破砕・掘削する商品であるので、該商品は「土木機械器具」に属する「掘削機械」若しくは「鉱山機械器具」に属する商品であり、例え、該商品を石材加工に使用できるとしても、被請求人が示す乙第4号証に示される商品は、甲第3号証(乙第3号証は、パンフレットの一部抜粋であるので、請求人が以前に入手した同じパンフレットを提出する。)に記載されている「岩石の2次破砕」や「砕石の小割」といった油圧ブレーカー本来の掘削機械としての用途の使用である。また、甲第3号証の表紙、第1頁、第2頁、第4頁、第7頁ないし第10頁及び裏表紙には、使用商品により、現場で岩を砕いている様子が掲載され、第5頁には、岩石の2次破砕用」と記載が有り、第6頁の現場適合機種の欄の「砕石」の欄の使用現場「砕石場(鉱山)」には「砕石の小割」の記載が有り、裏表紙には、「アタッチドリル」の名称の穿孔機が掲載されている。
被請求人は、「油圧ブレーカー」が「石材加工機械器具」に属する商品であることの証拠として乙第4号証を示しているが、これは、甲第3号証に記載の「岩石の2次破砕」や「砕石の小割」といった油圧ブレーカー本来の掘削機械としての用途の範囲内での使用である。というのは、乙第4号証の説明によるバックホーには、ショベルに替えて、油圧ブレーカーと穿孔機の2種類の機械器具が取り付けられており、まず穿孔機によって甲第3号証の裏表紙の「アタッチドリル」の写真のように、まず40センチメートルの深さを穿孔して、そして穿孔した穴にセリ矢とくさびを差し込み、くさびをキャップタガネで保護した上から油圧ハンマーで打撃するということである。
上記のバックホーもまた鉱山機械器具に属する「穿孔機」が発展した商品であり、「土木機械器具」に属するパワーショベルのショベルに換えて取り付けパワーショベルの油圧を利用して穿孔する商品であり、穿孔した孔には通常ダイナマイトを仕掛けて岩を砕くものである。つまり、乙第4号証に示された工法は、甲第6号証ないし甲第8号証に示すように、従来の人力による「セットウ」(ハンマー)(甲第9号証)と「せり矢」によって岩や石を割る技法の内、「セットウ」(ハンマー)による「せり矢」への打撃に代えて、油圧ブレーカーで打撃を加えるというものである。せり矢とは甲第5号証に示す器具であり、穿孔した孔を拡げる方向に圧力を加える2本の器具であり、くさびとはせり矢の間に打ち込む真ん中に見えるくさび状の棒であるから、乙第4号証に記載の商品に石材加工機械器具に属する商品があるとしても、それは「せり矢」であり、油圧ブレーカーは単にハンマーとしての用途にすぎないので、「石材加工機械器具」に属する商品とまでいえるものではない。
なお、「セットウ」(ハンマー)自体は、類似群コード13B01に属する商品であり、「ニース協定に基づく商品・サービスの国際分類」第8版でいうところの、第8類、石割り用ハンマー(Stone hammers)、石工用ハンマー(Masons’ hammers)に該当するものである。
したがって、使用商品が「石材加工機械器具」に属する商品といえないので、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品中の「石材加工機械器具」について、継続して3年以上日本国内において、本件商標を使用していた事実が無い。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
商品の取引書類である売上伝票(乙第1号証)は、被請求人がユアサ商事株式会社開発営業部宛に2003年9月10日に発行したものであり、当該伝票の「品名/機体No.」の欄には、「UB−8A−2 油圧ブレーカー(中古品)NO.4273」と記載されている。この記載中「UB−8A−2」については、被請求人発行のパンフレット(乙第3号証)の表紙に「油圧アイヨン」と表示され、その下部のUBシリーズの中に「UB・8」が記載されていることから、使用商品に本件商標が使用されていることは明らかである。
同じく商品の取引書類である納品書(乙第2号証)は、被請求人が青木建設機械有限会社宛に2003年12月28日に発行したものであり、当該伝票の[品名/機体No.」の欄には、「UB−11A−2 油圧ブレーカー(中古品)NO.4850」と記載されている。この記載中「UB−11A−2」については、被請求人発行のパンフレット(乙第3号証)の表紙に「油圧アイヨン」と表示されており、その下部の「UB」シリーズの中に「UB・11」と記載されていることから、使用商品に本件商標が使用されていることが明らかである。
使用商品は、その用途から「石材加工機械器具」に属する商品であって、採石場において採石に使用されるに止まらず、採石された石材を任意の形状・大きさに成型する際に使用されている。近年庭園等に石材からなる大型の彫刻や造形された石材が配置される場合が増加する傾向にあり、これらの製作のために、油圧ブレーカーの需要が増加してきている。
すなわち、採石場で採石された大型で粗野な形状の石材は、加工現場に搬送され、目的とする形状や大きさに形状を整えるために穿孔し、そこへ「せり矢」をさし、それを使用商品を用いて打ち込む。この用途を証するため、被請求人作成に係るパンフレット(乙第4号証)を提出する。
このように、使用商品が石材加工に使用されていることは、明らかである。
上記のとおり、本件審判の請求の登録前3年以内である2003年9月10日及び2003年12月28日に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品中「石材加工機械器具」に本件商標を使用していた。
したがって、本件審判の請求には理由がない。
被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品中の「石材加工機械器具」に属する使用商品に本件商標を使用している旨主張する。
被請求人は、これについて、近年庭園等に石材からなる大型の彫刻や造形された石材が配置されることが増加する傾向にあり、油圧ブレーカーが採石場において採石に使用されるに止まらず、採石された石材を任意の形状・大きさに成型する際に使用され、これらの製作のために商品の需要が増加してきている旨主張する。
しかしながら、乙第3号証によれば、使用商品の代表的な使用例として、砕石場、鉱山、岩石の2次破砕用、コンクリート構造物の解体等と記載されていることから、使用商品は、鉱山機械器具又は土木機械器具に属する商品というのが相当である。
そうすると、使用商品は、採石場において採石に使用されるに止まらず、庭園等に石材からなる大型の彫刻等を配置するための加工に使用され、需要が増加してきているとしても、使用商品の主たる用途からみて、取消請求に係る指定商品中の「石材加工機械器具」の範疇に属する商品とは直ちにいい得ないものである。
また、乙第4号証は、「石材加工現場の使用状況を示すパンフレット」とあるが、これには機械の作業中と思しきものの写真の不鮮明なコピーが掲載されているにすぎない。
したがって、被請求人が本件商標を取消請求に係る指定商品中「石材加工機械器具」に使用していたものということはできない。
被請求人は、本件商標を使用していることについて、乙第1号証ないし乙第4号証のほかには、何等立証しておらず、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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