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Trademark Appeal Case

周知図形商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90489(T2004−90489/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4770053号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4770053号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年9月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年5月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

(a)登録異議申立人プーマ アーゲー ルドルフ ダスラー スポーツ(以下「申立人A」という。)の引用する登録第1679061号商標(以下「引用商標A」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和55年4月4日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年4月20日に設定登録されたものである。

同じく、登録第3269255号商標(以下「引用商標A’」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成6年10月6日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年3月12日に設定登録されたものである。

(b)登録異議申立人ナイキ・インコーポレーテッド(以下「申立人B」という。)の引用する登録第2286631号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、昭和59年2月22日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録されたものである(指定商品については、その後、平成13年9月19日に指定商品の書換登録により、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。)。申立人Bは、これ以外にも、別掲(4)のとおりの構成よりなる登録商標を別掲に示すとおり9件引用している(以下、これらの商標を総称して「引用商標B」という。)。

同じく、登録第1537262号商標は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、昭和52年5月31日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年9月30日に設定登録されたものである(指定商品については、その後、平成15年1月22日に指定商品の書換登録により、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。)。申立人Bは、これ以外にも、別掲(5)のとおりの構成よりなる登録商標を別掲に示すとおり5件引用している(以下、これらの商標を総称して「引用商標B’」という。)。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標A及び同A’と外観において類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、引用商標Aばかりでなく、引用商標B及び同B’とも近似する商標である。そして、引用商標Aは、「プーマライン」の愛称で親しまれており、申立人Aの業務に係るシューズ類を表示するものとして、また、引用商標B及び同B’は、「スウッシュ」と呼ばれ、申立人Bの業務に係るシューズ類、運動用特殊衣服等を表示するものとして、いずれも、本件商標の出願時においては既に、取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、それが申立人Aあるいは申立人B又は同人らと何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

(4)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、申立人Bの商品を表示するものとして日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている引用商標B及び同B’と類似の商標であって、その顧客吸引力に只乗りしようとの不正の目的をもって使用されるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

(5)よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用各商標との類否について

本件商標は、別掲(1)に示したとおり、左下から右上方へ長く伸びる緩やかな曲線と該右上方部分から中央部下方のやゝ右寄り部分に向けて伸びる内側へ大きく湾曲した曲線及び該中央下方部分から左方向の始点に向けて伸びる緩く波打つ曲線の3辺で構成されている黒塗りの図形からなるものである。

他方、引用商標Aは別掲(2)に示したとおり、左下のやや幅の広い底辺から右上に向かって次第に細長くなって行くライン状の黒塗り図形からなるものであり、引用商標A’は別掲(3)に示したとおり、黒塗り楕円形の中に、白抜きで引用商標Aと同様のライン状の図形を表したものである。また、引用商標B及び同B’は、別掲(4)及び別掲(5)に示したとおり、左上から左下に弧を描くように広がりながら伸び、その左下から右上方向に跳ね上がるように幅が小さくなるような図形からなるものであって、引用商標Bは黒塗りで表されており、引用商標B’は周囲を細線で縁取られた白色の図形として表されている。

そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、これらの商標は、いずれも緩急の差はあるが曲線形状から構成されており、構成中の一部においては互いに似かよった形状部分があるとしても、本件商標は、変則的ながら3辺からなる図形と認識されるものであり、見る者により想起するものは異なるとしても、例えば、左方向へ飛翔する物体の如くにも看取されるものである。これに対して、引用商標A及び同A’の白抜き部分の図形は、やゝ長めの直線的な底辺を有しており、ここから右上方へ流れていくような印象を与えるライン状の図形からなるものであり、また、引用商標B及び同B’は、流動的な印象の強い流線形の図形からなるものである。

そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その構成態様において著しい差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成よりなるこれら商標の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象を全く異にするものというべきであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、少なくとも、本件商標からは、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、本件商標と引用各商標とは、称呼及び観念については比較すべくもない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。

(2)商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号について

上記したとおり、本件商標と引用商標A及び同A’とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

また、引用各商標の使用の状態を考慮したとしても、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人Aあるいは申立人B又は同人らと経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

更に、本件商標と引用商標B及び同B’との関係は、上記のとおりに理解されるものであることからみれば、本件商標が引用商標B及び同B’の顧客吸引力に只乗りしようとの不正の目的をもって使用をするものとはいえず、これを裏付ける証左もないから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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