Trademark Appeal Case
図形商標の視覚的類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90510(T2004−90510/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4773319号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年9月22日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成16年5月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、以下の(1)ないし(4)の理由により、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る次のア)ないしオ)に示す登録商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)と類似のものであり、指定商品も同一又は類似のものである。
ア)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和48年4月26日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同53年1月10日に設定登録された登録第1318709号商標
イ)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和59年10月8日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同63年8月29日に設定登録された登録第2071356号商標
ウ)別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和53年9月6日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同57年8月27日に設定登録された登録第1531366号商標
なお、その後、指定商品については、第14類に属する商標登録原簿のとおりの商品に書換登録された。
エ)別掲(4)のとおりの構成よりなり、昭和57年10月13日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同62年2月25日に設定登録された登録第1932457号商標
オ)別掲(5)のとおりの構成よりなり、昭和57年1月21日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同60年5月30日に設定登録された登録第1774788号商標
(2)申立人の引用した引用商標を含む甲第2号証ないし同第57号証に示した登録商標(以下、これらを一括して「申立人商標」という。)は、申立人がファッション関連の商品等に使用して著名なものであり、本件商標は、申立人商標とその構成及び態様が極めて酷似し、本件商標から申立人商標を容易に連想できるというべき商標であるから、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)本件商標は、申立人商標に化体した高い信用・評判・名声にフリーライドし、その稀釈化を引き起こすおそれがあり、また、申立人商標に化体した顧客吸引力を無償で利用する結果を招来し、客観的に公正な取引秩序を維持するという商標法の法目的に合致しないというべきであるから、商取引の秩序を乱すものであり、ひいては国際信義に反するものとして、公序良俗を害する商標というべきである。
(4)本件商標は、申立人商標と外観の印象を共通にする類似商標であり、申立人の著名な申立人商標を不正の目的をもって使用するものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)に示すとおり、左の円図形と右斜め上部の一部が欠けた右の円状図形とを横位置に交差させ、交差部中央に横線を配した構成よりなるものである。
これに対し、引用商標は、ローマ文字の「C」状の図形とこれを反転させた図形とを一部交差させて左右対称に表した図形(以下「シャネルマーク」という。)、シャネルマークと円輪郭を組み合わせた図形、あるいは、シャネルマークと円輪郭を組み合わせた図形に「CHANEL BOUTIQUE」の文字を組み合わせた構成よりなるものである。
そこで、本件商標とシャネルマークとを比較すると、構成中の左側の図形部は、前者が円図形よりなるのに対し、後者は「C」を認識させる文字を反転させたものである。また、右側の図形部は、前者が右斜め上部の一部が欠けた円状図形で、「C」の文字を表したとは認識し難いものというべきであるのに対し、後者は「C」の文字を認識し得るものである。そして、本件商標が有する中央部の横線をシャネルマークは有していない。
以上の両図形の差異からすると、本件商標は、2つの非対称の図形を中央部で交差させて横線を配することにより、左右の異なる図形を中央部で堅固に組み合わせた図形という印象を受けるのに対し、シャネルマークは、「C」を認識させる文字を背中合わせに対称に交差させて組み合わせた図形という印象を受けるものであるから、これら両図形は、非対称図形と対称図形という差異に止まらず、全体から受ける印象が大きく異なり、離隔的に観察しても、視覚上相紛れるおそれはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、引用商標と外観において非類似のものと認められる。
他に、本件商標が引用商標に類似するとすべき事由は見出せない。
(2)本件商標が引用商標と類似するものでない別異の商標であること上述のとおりであり、引用商標以外の申立人商標も、シャネルマーク、シャネルマークと円輪郭を組み合わせた図形、シャネルマークに「CHANEL」の文字を組み合わせた構成よりなるもの、あるいは、シャネルマークと四角輪郭を組み合わせた図形よりなるものであって、これらの構成からすると、本件商標と申立人商標間には誤認・混同を生ずる事由は見出せないといわざるを得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者がこれより直ちに申立人商標を連想、想起するものとは判断することができない。
してみれば、本件商標は、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがある商標とはいうことができない。
(3)そうとすれば、本件商標は、申立人商標にフリーライドし、公正な取引秩序を害し、あるいは国際信義に反するなど、公序良俗を害するおそれがある商標ということもできず、また、不正の目的をもって使用するものということもできない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する
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