Trademark Appeal Case
称呼・観念・外観の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90532(T2004−90532/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4773922号商標(以下「本件商標」という。)は、「HOUSE OF JAZZ」の文字を標準文字で表してなり、平成15年10月3日に登録出願され、第25類「被服」を指定商品として同16年5月28日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3047722号商標(以下「引用商標」という。)は、「HOUSE OF BLUES」の文字を横書きしてなり、平成4年9月11日に登録出願、第25類「被服,ガ―タ―,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として同7年5月31日に設定登録され、その後、同17年5月17日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、その構成文字に相応して「ジャズの家」といった観念が生ずるのに対し、引用商標は、「ブルースの家」という観念が生ずる。ブルース、ジャズともに米国の黒人によりつくられた歌であり、両商標は観念上極めて近似するものである。引用商標は米国でよく知られた人気のあるライブハウスの名称であって、引用商標と観念上近似する本件商標が使用されれば取引者・需要者に混同を生じさせるおそれがあり、かかる観点からも両商標は類似するものというべきである。よって、本件商標と引用商標とは、観念上類似するものであり、その指定商品も抵触するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は米国でよく知られた人気のあるライブハウスの名称であり、この名称を使用してTシャツ等の被服の販売も行われ、その事実は我が国にも広く紹介されている。これに対して、引用商標と観念上近似する本件商標がその指定商品「被服」に使用されれば引用商標の使用に係る商品と取引者・需要者に混同を生じさせるおそれがある。よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)引用商標は、米国でよく知られた人気のあるライブハウスの名称であり、我が国でも広く紹介され、周知なものとなっている。本件商標は、引用商標と観念上極めて近似する商標であり、これを登録しようとする行為は、引用商標の信用にフリーライドしようとするものであって、国際信義、ひいては公序良俗に反するものである。よって、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について検討するに、それぞれの構成文字に相応して、本件商標は、「ハウスオブジャズ」の称呼を生じ、「ジャズの家」の如き意味合いを看取せしめ、引用商標は、「ハウスオブブルース」の称呼を生じ、「ブルースの家」の如き意味合いを看取せしめるものである。
しかして、「ハウスオブジャズ」の称呼と「ハウスオブブルース」の称呼とは、構成音数が異なるばかりでなく、後半部の「ジャズ」及び「ブルース」の音の相違により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感音調が明らかに異なり、彼此明瞭に区別し得るものである。また、「ジャズ」と「ブルース」は、共に米国の黒人によりつくられた歌であるとしても、一般には別異の音楽として認識し理解されているものであるから、「ジャズの家」と「ブルースの家」とは観念上相紛れるおそれはないものというべきである。
さらに、本件商標と引用商標とは、その構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものといえる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
なお、後述のとおり、引用商標は米国のライブハウスの名称として周知になっているとは認められないから、引用商標が周知であるとし、その上で本件商標と引用商標とは類似するものであるとする申立人の主張は、その前提を欠くものであって、認めることはできない。
(2)申立人は、引用商標が米国でよく知られた人気のあるライブハウスの名称であり、我が国でも広く紹介され、周知なものとなっている旨主張し、証拠を提出している。
しかしながら、提出された証拠は、インターネットのホームページをプリントアウトしたものが数点見られるのみであり、これらの証拠によっては、引用商標が我が国において取引者、需要者間に広く認識されているものと認めることはできない。そして、本件商標と引用商標とが類似するものでないことは上記(1)のとおりである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
(3)申立人は、本件商標を登録しようとする行為は、引用商標の信用にフリーライドしようとするものであって、国際信義、ひいては公序良俗に反するものである旨主張している。
しかしながら、上記(1)及び(2)のとおり、引用商標は、本件商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であり、その周知性も認められず、かつ、本件商標をその指定商品に使用しても、引用商標と混同を生ずるおそれもないものであるから、本件商標は、引用商標とは関係のない別異のものというべきであって、引用商標の信用にフリーライドするものであるとは認められないし、これを登録することが国際信義や公序良俗に反するものとはいえない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第11号、同第15号、同第7号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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