Trademark Appeal Case
e-pachinkoの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−23320(T2002−23320/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「e−pachinko」の欧文字と「イーパチンコ」の片仮名文字を上下二段に横書きにしてなり、第9類、第38類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成13年5月24日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同14年9月17日付け手続補正書をもって、第9類「コンピュータネットワークを通じて提供されるコンピュータプログラム(ダウンロード可能なもの),電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し」、第41類「通信を用いて行うゲームの提供,通信を用いて行うゲームの提供に関する情報の提供」及び第42類「コンピュータゲーム用のプログラムその他のコンピュータプログラムの企画・立案・開発・設計・作成又は保守」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中の『e』及びその表音表記である『イー』の文字が、『Electronic』の略として『e−Mail、e−Business、e−commerce、e−shopping』のように、インターネット上の取引形態を示すものとして使用されているものであり、また、その構成中の『pachinko』及びその表音表記である『パチンコ』の文字が、遊戯(ゲーム)であって、近年、電子計算機端末等で提供されるさまざまなゲームが存在することからすれば、これをその指定商品・役務中『コンピュータネットワークを通じて提供されるコンピュータプログラム(ダウンロード可能なもの),電子応用機械器具及びその部品,通信を用いて行うゲームの提供,通信を用いて行うゲームの提供に関する情報の提供,コンピュータゲーム及び同プログラムの設計・作成又は保守』に使用するときは『コンピュータネットワークを通じて提供されるパチンコ(ゲーム)を内容とするコンピュータプログラム(ダウンロード可能なもの)等の商品,通信を用いて行うパチンコゲームの提供,通信を用いて行うパチンコゲームの提供に関する情報の提供,パチンコ(ゲーム)を内容とするコンピュータゲーム及び同プログラムの設計・作成又は保守』を認識させるにとどまるものであり、単に商品の品質・内容及び役務の質・内容を表示するにすぎないものであって、自他商品・役務の識別標識としての機能を有さないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり、「e−pachinko」の欧文字と「イーパチンコ」の片仮名文字を上下二段に横書きにしてなるところ、その構成中の語頭に位置する「e」及び「イー」の文字は、「電子の、インターネットの」の意を表す語である「electronic」の略語として、例えば、電子商取引を「イーコマース(e−commerce)」、電子商取引市場や仮想市場を「イーマーケットプレイス(e−marketplace)」、電子マネーを「イーマネー(e−money)」、電子メールを「イーメール(e−mail)」、電子出版物を「イーブック(e−book)」、インターネットを用いて行う教育・学習方法を「イーラーニング(e−learning)」のように用いられており(「朝日現代用語 知恵蔵2004」(発行所:朝日新聞社)、「imidas2004」(発行所:株式会社集英社)、「現代用語の基礎知識2004」(発行所:株式会社自由国民社)等)、今や電子取引という取引形態(取引方法)を表すものとして一般に広く使用されているのが実情である。
(2)また、同じく、その構成中の「pachinko」及び「パチンコ」の文字は、本来、いわゆるパチンコ店においてパチンコ遊技機を用いて行う遊技として一般に広く知られているものであるが、近年、インターネット等の通信ネットワークを利用した電子商取引の普及に伴い、パチンコ等の遊技の分野においてもインターネット等の通信ネットワークを利用したビジネスが積極的に展開されている傾向にあることは、例えば、以下の(ア)ないし(ケ)に示すインターネットのホームページ情報及び新聞情報からも十分に裏付けられるところである。
なお、これらのホームページ情報及び新聞記事情報は、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により、既に、平成17年2月7日付け証拠調べ通知書をもって、請求人に通知したものである。
(ア)平成12年(2000年)8月2日付けスポーツ報知新聞(20頁)には、「ゲーム パチンコゲーム『Vパチ』で我が家で勝負 ネットで豪華景品ゲット」の見出しの下、「ドリームキャスト(DC)用ネット対応パチンコゲーム『ネッパチ』シリーズを発売しているダイコク電機が1日、事業拡大を発表した。インターネット上で景品が当たる同社のネットサービス『@VPACHI』(Vパチ)に、ソフトメーカー3社が参加。新たにパチンコ・パチスロ実機シミュレーションで遊べるネット対応ソフトを相次ぎ発売。ビッグなバーチャルホールを築こうとしている。ダイコク電機のVパチは、パチンコソフトのネッパチ・シリーズ専用のサービス。プレーヤーがVパチにアクセスしてゲームを遊ぶと、大当たりの連チャン回数に応じて、最高なら『ラスベガス旅行』なんて豪華景品をくれる。しかもネット上ながら釘(くぎ)調整が違う数十台を用意。打つ台の選択も可能と、その勝負は本物さながらだ。同社はこのバーチャルホールをさらに巨大なホールに変身させようと動き始めた。プレイステーション用にパチンコ・パチスロ実機シミュレーションを発売しているソフトメーカー他社が、Vパチに参加することになったのだ。『実戦パチスロ必勝法』シリーズを展開しているマックスベット、『パチってちょんまげ』シリーズのハックベリー、『パチスロ帝王』シリーズのメディアエンターテイメントの3社が今後、Vパチ対応のパチンコ・パチスロDC用ソフトを発売していく。(中略)しかもマックスベットはサミー、ハックベリーは京楽と、それぞれ本物の遊技台を製造している実機メーカーの関連会社というから見逃せない。『当社も含め各社とも、新機種がホール市場に出てから日を置かずにゲームでもリリースする予定』とダイコク電機アミューズメントネットワーク部の栢森(かやもり)秀幸部長。あらゆる最新パチンコ・パチスロがネット上でも勝負できるようになる。(後略)」との記載がある。
(イ)平成12年(2000年)9月1日付け読売新聞(東京朝刊9頁)には、「[放送ニューウエーブ](3)民放のネット戦略 映像武器に通信と融合(連載)」の見出しの下、「東京放送(TBS)や松下電器産業が中心となって昨年十二月に設立したデジタル放送向け番組制作会社『トマデジ』。同社が開発したテレビ用パチンコ型ゲームは、プロ野球の試合を中継中のテレビ画面の一角にコーナーを作って電子パチンコを行い、他の視聴者と点数を競う仕組みだ。事前に登録しておいた選手が、実際に中継中の試合でヒットやホームランを打つと、ゲームのパチンコのチューリップが開き、玉がたくさん出るのがミソだ。(後略)」との記載がある。
(ウ)平成14年(2002年)7月12日付け日本工業新聞(7頁)には、「サミー “パチ”キャラ画像配信 au携帯向けサイト」の見出しの下、「サミー(社長・里見治氏)はauの携帯電話インターネット接続サービス向けサイト『サミーEZタウン』の配信を開始した。実機で大人気を得た『アラジンA』のアプリケーションがダウンロードできるほか、同社のパチスロ・パチンコキャラクターなどの待ち受け画像、サウンドの着メロ、実機のプロモーションビデオの動画、占いなどのコンテンツ(情報の内容)を提供する。総合エンターテインメント企業として展開する計画、『NEWS(ニュー・エンタテインメント・ワールド・オブ・サミー)』の一環で、コンテンツの活用、創造によるサービス拡充を目指す。すでにiモード公式サイト『サミー777タウン』、J−スカイ向け『サミーパチ☆スロタウン』を展開、両サイトで累計登録者が四十万人を超えている。」との記載がある。
(エ)平成15年(2003年)3月3日付け日刊工業新聞(7頁)には、「NTTデータとサンリオ、3Dテーマパークの有料サービスを開始」の見出しの下、「NTTデータとサンリオは、ブロードバンド向けデジタルコンテンツの有料サービス『サンリオエンターテイメントBB』の提供を3日から始める。サンリオのキャラクター、映像ソフト資産、ゲームを使って3Dのテーマパーク仕立てとし、施設、アトラクションでのキャラクターとの対話、サンリオアニメ世界名作劇場などの映像ソフト、パチンコや運転ゲームなどの娯楽を提供する。(後略)」との記載がある。
(オ)平成16年(2004年)9月14日付けThe Daily NNA韓国版には、「ソフトバンク&CJ、ゲームで合弁会社[IT]」の見出しの下、「ソフトバンク・グループとCJインターネットが、日本にオンラインゲーム事業の合弁会社を設立する。(中略)ネットマーブルジャパンは韓国ネットマーブルが保有するコンテンツ(情報の内容)を提供。日本のユーザーに合わせたマージャンやパチンコゲームのほか、ホームページやアバター(オリジナルキャラクター)などの付加サービスも提供する計画。」との記載がある。
(カ)「Hangame」のホームページ(http://www.hangame.co.jp/)中の「パチンコ」の項目には、「日本全国・老若男女にお馴染みの定番ゲーム・『パチンコ』がネットゲームになって登場です。」との記載がある。
(キ)「E−Parlor★パチンコCafe」のホームページ(http://www.e-parlor.com/index.php)中には、「E−PARLOR★パチンコCafeは、会員登録制の常時接続型のオンライン・パチンコゲームです[ADSL推奨]」との記載がある。
(ク)「必殺パチンココレクション」のホームページ中の「ゲームの遊び方」の項目(http://takarajima.broadband.ocn.ne.jp/pachinko/attention.html)には、「『必殺パチンココレクション』で用意しているゲームは全てLZHで圧縮しております。ゲームをダウンロードする前に、まずこの下に用意している圧縮解凍ツールをダウンロードしておいて下さい。」との記載がある。
(ケ)「パチンコ・スロット・検索エンジンmotto-search」のホームページ(http://motto.kiy.jp/motto-search/page/07_11_01.html)中の「オンラインパチンコ・パチスロの大東亜ビルヂング」の項目には、「インターネットでパチンコ・パチスロゲームが遊べます。稼いだポイント(玉・コイン)は人気の商品と交換できます。」との記載がある。
(3)そこで、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて検討するに、前記(1)において述べた取引、とりわけ電子取引に関する「e」及び「イー」の文字の使用の実情並びに前記(2)の(ア)ないし(ケ)に示した各事実を総合的に勘案するならば、本願商標「e−pachinko」及び「イーパチンコ」の文字は、「インターネット等の通信ネットワークを利用したパチンコ」といった意味合いを容易に看取、認識し得るものであり、これを本願の前記補正後の指定商品及び指定役務中、例えば、「コンピュータネットワークを通じて提供されるパチンコを内容とするコンピュータプログラム(ダウンロード可能なもの)」や「通信を用いて行うパチンコを内容とするゲームの提供,通信を用いて行うパチンコを内容とするゲームの提供に関する情報の提供,パチンコを内容とするコンピュータゲーム用のプログラムの企画・立案・開発・設計・作成又は保守」等、該意味合いに照応する商品又は役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、製造若しくは販売に係る商品又は提供に係る役務がパチンコを内容とするものであること、すなわち、該商品の品質又は該役務の質(内容)を表示したものとして認識するに止まり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとすべきであり、また、これを、その指定商品及び指定役務中、パチンコを内容とする商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標が具体的な商品の品質又は役務の質、内容を表したものとして認識されることはなく、また、「e−pachinko」及び「イーパチンコ」の文字が品質表示として使用されていないことから、本願商標には独占適応性があること並びに、前記(2)の証拠調べ通知書に対する平成17年3月17日付け意見書において、該通知書に示された新聞記事等には「e−pachinko」及び「イーパチンコ」のいずれの語も使用されておらず、このことは、本願商標に独占適応性があることを裏付けるものであることから、本願は登録されるべきである旨主張しているが、商標法第3条第1項第3号の品質(質)の表示に該当するというには、我が国の取引者、需要者が品質(質)を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に品質(質)を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解される(例えば、平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日判決言渡 参照)ところ、本願商標「e−pachinko」及び「イーパチンコ」については、前記のとおり、取引者、需要者をして、商品の品質又は役務の質(内容)を表示したものとして認識するに止まるものであるから、該請求人の主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。