結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35510(T2001−35510/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録4509733第号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成11年12月3日に商標登録出願され、第9類「携帯電話用ストラップ,コンピュータネットワークを通じてダウンロード可能なコンピュータゲームプログラム」を指定商品として、同13年9月28日に設定登録されたものである。
請求人が引用する平成11年登録願第1115号商標(以下、「引用商標」という。)は、「スクウェア」の文字と「SQUARE」の文字とを上下二段に横書きしてなり、第9類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成11年1月8日に登録出願されたものである。その後、指定商品について、同12年4月5日付の手続補正書をもって、「理化学機械器具,測定機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心, 抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具」と補正がなされたものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証を提出した。
(1)本件商標構成中の「A」の部分は、横線を有さず、中央部が赤く着色されたやゝ図案化された構成であるが、ローマ字「A」の横線を省略して図案化した商標は数多く見受けられるところである。そして、本件商標が「SQUARE」と横書きしてなる文字商標とのみ認識され、「スクウェア」の称呼が一般に生じることは、被請求人の商号が「株式会社スクウェア」であり、甲第1号証の商標公報における特許庁の称呼検索用文字商標の認定等からみても首肯できるところである。
一方、引用商標は、片仮名文字「スクウェア」と欧文字「SQUARE」とを二段に横書きしてなるものであるから、当該文字に照応して「スクウェア」の称呼を生じ、「正方形、四角、平方」等の観念を生ずるものである。
したがって、両商標からは共に「スクウェア」の称呼、「正方形、四角、平方」等の観念を生ずるものであるから、両商標は同一の称呼、観念が生ずる類似の商標である。
また、本件商標の指定商品「携帯電話用ストラップ,コンピュータネットワークを通じてダウンロード可能なコンピュータゲームプログラム」は、引用商標の指定商品中「電気通信機械器具電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当し、また、引用商標が登録されたときには、同法第4条第1項第11号に該当することとなるものであるから、同法第46条第1項第1号により無効にされるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標中の第2文字の「Q」が円の内側に突き抜けていない点を理由に、第2文字が特異な構成であると主張しているものと思料されるが、たとえば、パーソナルコンピュータ用ワープロソフトでは複数の欧文字の書体(フォント)が表示・印刷可能であり、Times New Roman体、Gramond体、Lucida Sans Unicode体の「Q」の例からしても、この程度の相違は決して特異なものとはいえず、むしろ本件商標中の第2文字は欧文字「Q」の表示態様としては常套となっているものである。
また、欧文字「A」を本件商標中の第4文字程度に図案化した商標が数多く見受けられることは、甲第3号証のとおりである。
なお、被請求人は、引用商標は査定不服審判においても請求が認められず、先願としての権利は消滅するものである旨主張しているが、引用商標が登録されるか否かは、別件審判において争われるべきことであり、先願としての権利が消滅するものであることを前提とした上での主張は、客観性を欠くものであり失当である。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。
本件商標は、極めて図案化した構成であり、特に第2文字及び第4文字が特異な構成であるので、本件商標に接した取引者・需要者は、その文字を欧文字の「Q」及び「A」と認識するよりは、むしろ一種の記号として認識し、全体として特異な商標として強い印象を受けるものである。
他方、引用商標の構成は、片仮名文字「スクウェア」と欧文字「SQUARE」を上下二段に横書きしたものであり、その自然称呼が「スクウェア」であることは明らかである。
したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。
しかも、引用商標は、登録第689044号商標に類似するとして拒絶査定がなされ、査定不服審判に継続中であるところ、引用商標は、前記登録商標と称呼が類似し、その指定商品も抵触するものであり、加えて被請求人の著名な略称を含む商標である等の理由から、請求が認められる可能性は極めて低いものであることは明らかであり、商標法第8条第3項の規定により、先願としての権利は当然に消滅するものである。
このような拒絶される引用商標の存在を理由として、本件商標を無効とすることは、同法第8条第3項及び第46条の趣旨からして、合理的な理由を有しないものである。ゆえに、本件商標は、同法第8条第1項の規定に該当するものではない。
また、請求人は、引用商標が登録されたときには、商標法第4条第1項第11号の規定に該当すると述べているが、本件商標は、引用商標より先に登録されているので、当該規定に該当するものではないことは明白である。
(1)本件の審理を進めるにあたり、引用商標に係る商標登録出願について調査したところ、当該出願については、平成12年6月30日付で拒絶査定がなされたが、その後、出願人(本件審判請求人)により当該拒絶査定に対する審判の請求がなされた。当該審判請求は不服2000−13482号審判事件として審理された結果、同17年2月15日に、審判の請求は成り立たないとの審決がなされ、審判請求人(出願人)に対して、同年3月1日に同審決書謄本の送達がなされたものである。そして、この審決の取消を求める訴の提起期限である同年3月31日までに前記訴の提起がなされなかったので、この期間の経過をもって、当該審決は確定したと認められるものである。
(2)ところで、商標法は、「商標登録出願について査定又は審決が確定したときは、その商標登録出願は、商標法第8条第1項及び同第2項の規定の適用については、初めからなかったものとみなす」旨規定(同法第8条第3項)している。
(3)そこで、これを本件についてみると、本件商標と引用商標及びこれらの指定商品よりみれば、両者は同法8条第1項の先願及びその後願に係るものとして検討される余地のあるものであった。
しかしながら、当該先願にあたるべき商標登録出願については、前記のとおり、その出願に係る審決が確定したものであるから、同法第8条第1項の規定の適用については、初めからなかったものとみなされるものである。
してみれば、他の要件の該当性について詳細に検討・判断をするまでもなく、引用商標をもって本件商標が同法第8条第1項に違反して登録されたものであるとする請求人の主張は、その前提となる先願の存在を欠いたものとなったといわざるを得ず、本件商標について、その登録時において同条項に該当したとすることはできない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第46条の規定により無効とすることはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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