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Trademark Appeal Case

商標不使用取消と使用の範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30075(T2004−30075/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4026966号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1.本件商標

本件登録第4026966号商標(以下「本件商標」という。)は、「DURA」及び「デュラ」の各文字を上下二段に横書きしてなり、平成3年11月1日に登録出願され、第9類「事務用機械器具」を指定商品として平成9年7月11日に設定登録されたものである。

第2.請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする

、との審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証を提出している。

1.本件商標については、商標権者が継続して3年以上、日本国内において

、その指定商品について使用をしている事実が認められない。また、専用使用権者、通常使用権者又は質権者のいずれかが本件商標の使用をしている事実も認められない。さらに、本件商標の使用をしていないことに関し、正当な理由があったとは認められない。

2.被請求人は、答弁書において本件商標を「バーコードラベルを印字するプリンター」(以下「使用商品」という。)に使用している旨を主張している。

しかしながら、答弁書によって証明されている使用行為は、本件商標の使用ではなく、また、本件商標の指定商品である「事務用機械器具」についての使用にも該当しないため、本件商標をその指定商品について使用しているものとは到底いえない。以下に、その理由を述べる。

(1)本件商標の使用に該当するか否か

被請求人は、「デュラプリンタ(ー)」又は「DURAPRINTER」を「使用商品」に使用していることをもって、本件商標がその指定商品に使用されていると主張している(乙第1号証〜乙第5号証)。

しかしながら、本件商標は「DURA/デュラ」であり、「デュラプリンタ(ー)」でも「DURAPRINTER」でもない(甲第1号証)。

被請求人の提出した証拠書類によれば、乙第2号証の5頁目右上部には「デュラプリンタ シリーズ」と記載されている。同書・同大の片仮名で一連一体に「デュラプリンタ」と記され、「タ」の文字のすぐ右下に登録商標であることを示す「R(マル)」が表示されている。

「R(マル)」の表示は、一般に、登録商標の右上あるいは右下に付されていることから、かかる表示がなされた商品カタログに触れる者は、「デュラプリンタ」が登録商標であると理解するのが自然である。

実際に、被請求人は登録商標「デュラプリンター/DURAPRINTER」(登録第2713701号)を所有していることからすれば、上記の使用行為は、本件商標の使用ではなく、むしろ、「デュラプリンター/DURAPRINTER」の使用であると解釈すべきものである(甲第2号証)。 したがって、被請求人が提出した証拠書類は、いずれも「デュラプリンタ(ー)」又は「DURAPRINTER」の使用を示すものであって、「DURA/デュラ」の商標を示すものではないため、本件商標の使用には該当しないものである。

(2)本件商標の指定商品「事務用機械器具」の使用に該当するか否か

(ア)本件商標は、旧第9類「事務用機械器具」を指定商品として登録を認められている(甲第1号証)。

そもそも「事務」とは、会社・官公庁等における書類・帳簿の作成・処理等のように、主として机上で行われる業務を意味するものである(甲第3号証)。

商品及び役務類別変遷集の昭和34年法区分において、事務用機械器具には、「パンチカードシステム機械、ビリングマシン、手動計算機、電気計算機」等が挙げられており、これらはいずれも書類の作成・整理・処理に用いられる機械器具である(甲第4号証)。

他方、被請求人は、「使用商品」に本件商標を使用していると主張するところ、バーコードは、商品の包装紙等に印刷又は貼付され、バーコードリーダーで読み取られることにより、商品に関する情報を収集するものであって

、バーコードを作成する業務は上記の事務作業には該当しない。

さらに、被請求人提出の証拠資料によれば、「バーコードラベルの現場発行」が強調されており、バーコードシステムが「流通・食品業界はもとよりFA分野にまで広く活用されている」旨の記載がある。FAとは、「ファクトリーオートメーション」の略語と考えられ、「コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化すること」との意味を有する語である(甲第5号証)。

とすれば、ここでいう「現場」とは、商品の集配センターや食品その他の製造業の工場を指しているものと解釈される。

すなわち、被請求人の「使用商品」は、一般の会社や官公庁における事務に使用されるものではなく、工場や集配センターにおいて、生産・製造業務の一環として、あるいは、流通業界において商品出荷の過程で使用される機械である。

したがって、「使用商品」は、事務用機械器具には属さないことは明らかである。

(イ)特許庁の商品区分解説によれば、上記の「事務用機械器具」の概念には、「事務に使用される機械器具のうち第25類文房具類に属するもの以外のものが含まれる。ただし、『電子計算機』のように機能の面で本質的に電子の作用を応用した機械器具は除かれる」ものとされている(甲第6号証)。被請求人提出の証拠書類によれば、被請求人が本件商標を使用していると主張するところの「使用商品」は、いずれもパーソナルコンピュータに接続されて動作するものである。これは、各機種の特長及び仕様の記載、乙第1号証2頁目右上の写真、乙第2号証第5頁目の「システム構成図」、及び、乙第3号証において、「システムA」及び「システムB」として図示されているところにより明らかである。

また、バーコードラベル印刷をより簡単に行うことを目的とした対応アプリケーションソフトが別売りされ、又は、機種によってはラベル発行ソフトが同梱されており、当該「使用商品」の性能を十分に発揮せしめるには、これらのソフトがインストールされたパーソナルコンピュータに接続して動作するのが望ましい使用状態であることが示されている。

してみれば、当該「使用商品」は、印刷の対象物がバーコードラベルに限定されている点を除けば、当該プリンターが接続されたパーソナルコンピュータからの指令に応じて印刷が制御される等、その機能や使用態様の面において、一般的なコンピュータ用プリンターと何ら変わるところのない機器であるといえる。

コンピュータ用プリンターは、特許庁の商品の分類によれば、「電子応用機械器具及びその部品」の概念に含まれる商品として、類似群コード11C01が付されている(甲第7号証)。これは、まさに「機能の面で本質的に電子の作用を応用した機械器具」であるからに他ならず、したがって、「事務用機械器具」(類似群コード09D01)の概念には含まれ得ない商品である。

とすれば、当該「使用商品」は、証拠書類に記載されている内容からすれば、上記のコンピュータ用プリンターに極めて近似しており、「機能の面で本質的に電子の作用を応用した機械器具」に該当するものであるから、「電子応用機械器具」の概念に属すべき商品であると考えるのが最も自然である

さらに、特許庁の類似商品審査基準においても、「バーコードプリンタ」は「電子応用機械器具」に属すべき商品として取り扱われている(甲第8号証)。

したがって、当該「使用商品」は、「電子応用機械器具」の概念に含まれるべき商品であって、本件商標の指定商品たる「事務用機械器具」とは明らかに異なる商品であるから、当該「使用商品」についての「デュラプリンタ」又は「DURAPRINTER」の使用は、指定商品についての本件商標の使用に該当しないことは明らかである。

なお、被請求人は、「使用商品」以外の商品に本件商標が使用されている事実については何ら証明していない。

3.むすび

以上より、本件商標は、その指定商品「事務用機械器具」について使用されているものとはいえないため、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきでものであることは明らかである。

第3.被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論掲記の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証を提出している。

1.被請求人は、日本国内において、本件商標を「使用商品」に使用している。乙第1ないし第5号証の商品カタログ等は、本件商標使用の事実を証明するものである。

(1)乙第1号証の商品カタログは、1990年3月(平成2年3月)初版、1990年6月再版されたものである。

(2)乙第2号証の商品カタログは、1992年1月(平成4年1月)初版、1994年9月再版されたものである。

(3)乙第3号証の商品カタログは、1997年4月(平成9年4月)初版のものである。

(4)乙第4号証の商品カタログは、2003年9月(平成14年9月)初版、2003年12月に発行されたものである。

(5)乙第5号証は、2004年4月5日現在の弊社ホームページである。

2.これらのいずれにも、本件商標が「使用商品」に使用されている。したがって、被請求人は、日本国内において、1990年3月から、現在まで、継続して、本件商標を「使用商品」に使用していること明白である。

第4.当審の判断

そこで、請求人は、1.使用商標は本件商標の使用に該当しない。2.仮に本件商標を使用しているとしても、使用商品は登録商標の指定商品についての使用ではない旨主張しているので、以下、この2点について判断する。

1.本件商標の使用に該当するか否かについて

被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1ないし第4号証は被請求人の取り扱いに係る商品のカタログの写しと認められ、乙第5号証は被請求人のインターネットホームページのプリントアウトの写しと認められる。

(2)上記カタログには、表題部分に「熱転写バーコードプリンター」及び「デュラプリンター」の文字(乙1号証)、「デュラシステム」及び「デュラプリンタシリーズ」の文字(乙第2号証)、「デュラプリンタ R(マル)シリーズ」の文字(乙第3号証)並びに「現場発行ラベルシステム」、「デュラシステム」及び「DURA SYSTEM」の文字、「デュラプリンタSR」及び「バーコード検証機内蔵ラベルプリンタ」の文字等(乙第4号証)がそれぞれ記載され、また、上記ホームページには、「バーコードシステム」と題して「デュラプリンタSW/SW−600」、「デュラプリンタSR」等の文字が記載され、商品の写真と共に商品の説明がされている。

そして、これらカタログ及びホームページ上に掲載された商品写真には、商品の前面左上に、態様を異にした「DURA」及び「PRINTER」の文字が二段に鮮明に表示されている。

(3)上記カタログには、最終頁の右下に小さく「1990年6月2版 5000」、「9409R50」、「9704F50」、「2003年12月発行」等の文字が記載されている。

(4)以上の認定事実によれば、上記カタログ及びホームページ上に掲載された商品は、バーコードラベルを印字するためのプリンターであって、被請求人が本件商標を使用していると主張する「使用商品」と認められる。

しかして、例えば「デュラプリンター」の表示についてみれば、その中の「プリンター」の文字は商品名を表したものとして認識し理解されるというのが自然であるから、「デュラ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部というべきである。「デュラプリンタシリーズ」、「デュラシステム」及び「DURA SYSTEM」の表示についても同様のことがいえる。

また、上記カタログ及びホームページ上に掲載された商品に直接表示された「DURA」及び「PRINTER」の文字は、それぞれの態様を異にするものであり、かつ、「PRINTER」の文字が商品名を表したものとして認識し理解されるから、両者は分離して看取され、「DURA」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部として認識されることは明らかである。

そして、これらの「デュラ」及び「DURA」の文字は本件商標と社会通念上同一といい得るものである。

そうすると、上記カタログ及びホームページ上に記載された表示をもって

、本件商標が使用されているとみて差し支えないというべきである。

2.「使用商品」は本件商標の指定商品「事務用機械器具」に属するか否かについて

被請求人の提出に係る各乙号証に記載された商品については、各機種の特徴及び仕様の説明やシステム構成図が記載されているほか、対応アプリケーションソフトが別売りされている旨の説明がある点などからすると、「使用商品」は、パーソナルコンピューターに接続され、パーソナルコンピューターからの指令に応じて印刷が制御されるものであって、その機能や使用態様からして、一般的なコンピューター用プリンターと同様の商品といえる。

そして、コンピューター用プリンターは、コンピューターの周辺機器として、電子の作用を機能の本質的な要素とする機械器具である「電子応用機械器具」の範疇に属する商品とみるのが相当であり、審査実務上もそのように取り扱われている。

そうすると、コンピューター用プリンターに近似した「使用商品」も電子応用機械器具の範疇に属する商品というべきである。

ところで、本件商標の登録出願当時に適用されていた商品区分においては、第9類に属する「事務用機械器具」の概念からは「電子応用機械器具に属するもの」が除かれていることが明らかである(平成3年10月31日通商産業省令第70号による改正前の商標法施行規則別表参照)。

してみれば、「使用商品」は、「電子応用機械器具」の範疇に属する商品であって、本件商標の指定商品「事務用機械器具」の範疇には属しないものといわざるを得ない。

なお、前述のとおり、請求人は、被請求人が本件商標を使用しているとする「バーコードプリンター」は、「事務用機械器具」には属さない旨弁駁書において主張しているところ、これに対して、被請求人は何ら意見を述べるところがないものである。

3.まとめ

以上のとおり、本件商標と社会通念上同一といい得る商標が「使用商品」について使用されていることが認められるとしても、「使用商品」が本件商標の指定商品に属するものではない以上、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、その指定商品について使用されていたものということはできない。

その他、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標をその指定商品について使用していたものと認めるに足る証拠を提出していないし、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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