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Trademark Appeal Case

カイアポイモの普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−20335(T2001−20335/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「カイアポイモ」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第31類「いも」を指定商品として、平成12年7月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、ブラジル原産の白サツマイモの一種である『カイアポイモ』の文字を書してなるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)「カイアポイモ」の文字からなる本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、当審において職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実が認められる。

(ア)「’98−’99改訂新版健康・栄養食品事典」(株式会社東洋医学舎1998年3月1日初版発行)の240頁に「カイアポいもの原産は、南米ブラジルの中央に広がるブラジル高原西方の『カイアポ』という山地に自生する白甘薯の一種で、『南米の白イモ』とも称されている。・・最近になって、カイアポいもには、インスリンの分泌や効きめを高め、糖尿病の血糖値を下げる等の働きがあることが明らかになり・・・」の記載がある。

(イ)毎日新聞2003年9月30日大阪朝刊15頁には、「国際糖尿病連盟第18回世界会議から『糖尿病まん延』世界に警告」の見出しのもと「注目されたカイアポイモ 血糖値を下げる働き」の項目中には「さまざまな研究成果の中で注目を集めたものに『カイアポイモ(白甘藷)』があった。・・・カイアポイモはブラジル中部の高原が原産地で現地では『大切な健康食品』として珍重されてきた。最近では中国・雲南省の山地で契約栽培、日本に輸入され、健康補助食品として販売されている。」、及び同新聞2004年4月23日東京朝刊12頁には、「カイアポイモ:糖尿病改善効果は?−−大阪府立大学で国際講演会」の見出しのもと「世界的に糖尿病患者やその予備軍が増える中、南米原産白かんしょ(カイアポイモ)による糖尿病改善についての国際講演会が今月、大阪府堺市の大阪府立大学で開かれた。」の記載がある。

(ウ)社団法人全国脊髄損傷者連合会のカタログ誌「あしたの福祉」(H14.04.300K(69号−大阪)の商品「カイトウイモゴールド」の説明中に「高血糖にはカイアポイモが効果的。からだによいミネラルやビタミンが豊富な白サツマイモ」の記載がある。

(エ)「NRE Train Shop トレインショップ」(2002年新春号Vol.7)のカタログ中の商品「カイアヘルス」の説明中に、「カイアヘルスは、ブラジルカイアポ地方を原産とする白甘藷を八ヶ岳山麓で改善、改良を加えた貴重な商品です。」の記載がある。

(オ)「免疫堂」のホームページ(http://www.menekido.com/Product/caiachron/)中、商品「カイアクロン グルコパス」の説明中、「本物のカイアポイモといえる糖尿の代名詞」の記載、商品の原材料名として「カイアポイモ」の記載がある。

(カ)「楽天市場コムウエル」(http://www.rakuten.co.jp/comwell/446883/446999/)のホームページ中、商品「カイアポール(白甘藷)」の説明中には、「白甘藷(カイアポ芋)にヤーコンと桑の葉のエキスを配合!」とあり、その詳細説明において「...薬と同じような働きをする食品が、いま注目を集めています。一つは、ブラジルのカイアポ山地で栽培されているカイアポイモ(白甘藷)です。」の記載がある。

(キ)「芳香園製薬株式会社(香川県宇多津町浜八番丁134番地)」の商品『快減糖』」を紹介するホームページ(http://protan.cside.com/kaiapo/kaiapo.html)中には、品名「カイアポイモ加工総合食品」と記載があり、その原材料名として「バナバエキス、桑の葉エキス」にならんで「カイアポイモ」の表示がある。

(ク)商品「カイアポンA茶」(販売者:株式会社オリヒロ)を紹介するホームページ(http://www.taiseidrug.com/ipomea-batatas-s(o).htm)の説明中、「カイアポ芋は南米ブラジルのカイアポ山地に自生する白甘藷の一種です。」の記載があり、その原材料名として「南米ブラジル産カイアポイモ(白甘藷)100%」の記載がある。

(2)前記(1)で認定した事実によれば、「カイアポイモ」の文字は、ブラジルのカイアポ山地原産の白甘藷の一種を意味するものとして、一般に広く用いられており、加えて、我が国においては、健康食品への関心が高いといった実情があることをも併せ考えるならば、該文字を書してなる本願商標に接する取引者、需要者は、これを単に、ブラジルのカイアポ山地原産の白甘藷の一種であることを表したものと認識するに止まるとみるのが自然である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。

(3)請求人は、本願商標は登録すべきものであるとして、その理由を種々述べているが、これら請求人の主張については、以下のとおりであって、採用することはできない。

(ア)請求人は、本願商標を構成する「カイアポイモ」の文字がブラジル原産の白甘藷の一種として認識されることはないから、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものではなく、自他商品識別標識機能を有する商標として登録されるべきである旨主張して、甲第1号証ないし甲第10号証を提出している。

しかしながら、「コンサイス外国地名辞典」(甲第2号証)に「カイアポ」の記載がないとしても、前記(1)で認定した事実に照らせば、「カイアポ」は、ブラジルに存する地名(山地名)として一般に広く知られているというべきであり、また、「かんしょに関する品種名登録・出願データ」(甲第1号証)、「農林水産省熱帯農業研究センター発行の『ブラジルの野菜』」(甲第3号証)、「平成2年6月改訂日本標準商品分類」(甲第4号証)、「JICST及びJAPICDOCにて『カイアポ』を検索した結果データ」(甲第5号証)、及び「農林水産省データベース(農業情報検索AGSEAERCH)にて『カイアポ』をキーワードとして検索した結果データ」(甲第9号証)に、「カイアポ」又は「カイアポイモ」に関する記載がないとしても、前記(2)のとおり、「カイアポイモ」の文字は、取引者、需要者をして、ブラジル原産の白甘藷の一種を表すものと認識されるに止まるとみるのが相当である。

また、請求人は、「カイアポ」の文字についての新聞記事検索結果(甲第7号証)及び請求人による「カイアポイモ」に関する各種学会発表実績(甲第8号証)を提出し、該新聞記事が学会における発表者を特定せずに「カイアポイモ」の語を一般名称のように掲載したものである旨主張しているが、請求人の提出に係る該証拠をもってしては、該学会発表において「カイアポイモ」の語がいかにして用いられたかが明らかではなく、むしろ、該新聞記事においては、該「カイアポイモ」の語がブラジルのカイアポ山地原産の白甘藷の一種を表すものとして広く用いられていることからすれば、この点についての請求人の主張は、認めがたい。

なお、請求人の提出した「ブラジルカンピーナス農業研究所のドミンゴス・アントニオ・モンテイロ氏の証明書及びその抄訳文」(甲第6号証)及び「ブラジルの農業牧畜食料省の国立種苗センターの連邦農業調査官 農耕学修士レオンティノ レゼンデ タベイラ氏宛の『カイアポイモ』に関するブラジルの登録品種及び栽培品種に関する問い合わせ及びその回答メール並びにそれらの対訳」(甲第10号証)の内容は、いずれもブラジル国内の実情を述べたに止まるものであるから、これが上記(2)における認定を左右することはない。

(イ)また、請求人は、上記(1)の証拠調べの結果に対し、平成16年11月4日付け意見書において、本願商標が自他商品識別標識として機能を果たし得るかの証左とはなり得ない旨主張して、甲第11号証ないし甲第13号証を提出している。

しかしながら、請求人の提出に係る「平成12年(行ケ)第164号審決取消請求事件」(甲第11号証)では、「少なくとも審決時において、事件に係る商標が指定商品の原材料表示ないし品質表示として、取引者、需要者に広く認識されている特段の事情」があると認められるか否かが争点とされたところ、「カイアポイモ」の文字からなる本願商標についてみれば、上記(2)のとおり、本件審判の審決時において、これに接する取引者、需要者が単に、ブラジルのカイアポ山地原産の白甘藷の一種を表すものと認識するに止まるものであり、よって、その指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められるものである。

また、「井上俊介著 中南米の食と素材の『ブラジルにおける薬草および健康食品素材の利用について』の文献」(甲第13号証)の内容は、ブラジル国内の実情に関するものであるから、これをもって、直ちに「カイアポイモ」の文字が我が国の取引者、需要者間においてどのように認識されるものかを判断することはできない。

なお、「農林水産省熱帯農業研究センター発行『ブラジルの野菜』」(甲第12号証)は、請求人の提出に係る「農水省熱帯農業研究センター発行の『ブラジルの野菜』」(甲第3号証)と同一のものと認められるから、これについての判断は、前記(ア)のとおりである。

(4)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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