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Trademark Appeal Case

著名名称の混同類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−21842(T2002−21842/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」の文字を書してなり、第3類、第4類、第9類、第16類、第20類、第24類、第34類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品または指定役務として、平成13年9月28日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『浄土真宗東本願寺派本山東本願寺』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、該表示は、その構成中に、京都市下京区烏丸七条所在の『真宗大谷派』の通称として広く知られている『東本願寺』の文字を有してなるものであり、かつ、本願に係る指定商品(役務)は、『真宗大谷派』等の宗教団体の取り扱う商品(役務)と密接な関係を有することから、これをその指定商品(役務)に使用するときは、需要者をして、該商品が恰も上記『真宗大谷派』の業務に係る商品(役務)であるか、若しくは何らかの関係のある者の業務に係る商品(役務)であるかの如く、その商品(役務)の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.「東本願寺」の著名性について

(1)「広辞苑」第5版(株式会社岩波書店発行)によれば、「【東本願寺】京都市下京区烏丸七条上る所在の

真宗大谷派の本山

。1602年(慶長7)徳川家康の後援で教如が西本願寺から分かれて創立。大谷派本願寺。」であり、また「仏教用語辞典」(大法輪閣編集部編)によれば、「【本願寺】真宗の本山。浄土真宗本願寺派(西本願寺)と

真宗大谷派(東本願寺)

との二寺がある。・・以後、准如方を西本願寺、教如方を東本願寺と呼び、今は前者を浄土真宗本願寺派(本山=京都市下京区堀川通花屋町下ル。龍谷山西本願寺)、後者を

真宗大谷派(本山=京都市下京区烏丸通七条上ル。東本願寺〈真宗本廟〉

)とする。」と明記されているものである。

(2)「東本願寺」が、「真宗大谷派」の通称として、本願商標の登録出願前から使用され、取引者・要者間で広く知られていたことは、例えば新聞記事情報や各種商品を紹介するインターネットのホームページにおいて、以下の記事があることからも十分に裏付けられるところである。

(ア)1996.2.7 「朝日新聞 東京朝刊3頁」

「信徒約六百万人、末寺約九千を抱える巨大教団、

真宗大谷派(本山・東本願寺=京都市下京区

)で、内部紛争が再燃している。・・信仰の世界で、教義論争などとは無縁の、財産や権力をめぐる確執が続く。」

(イ)1996.11.23 「読売新聞 東京朝刊23頁」

真宗大谷派

でこのほど、71年ぶりに門首継承式が行われた。30年近く『お東紛争』に揺れた宗派が、ようやく再生に向けた歩み始めた象徴といえる。

本山・東本願寺

(京都市下京区)の御影堂と境内を埋めた門徒約一万人の前に、初めて現れた第25代門首・・異色だった。」

(ウ)1998.4.15 「共同通信」

「『浄土真宗中興の祖』とされる蓮如の五百回御遠忌法要が15日、京都市下京区の

真宗大谷派本山・東本願寺

で始まった。最終日の25日には衛星放送を利用して全国の同派寺院に生中継する“ハイテク法要”も行われる。」

(エ)2001.5.10 「共同通信」

京都・東本願寺を本山とする真宗大谷派

から約20年前に独立した東京本願寺(東京都台東区、大谷光見法主)は、10日、名称を『東本願寺』に変更したと発表した。一方の大谷派は『東本願寺は当派固有の名称』と反発しており、寺の名前をめぐる論争に発展しそうだ。東京本願寺は・・浄土真宗四橋本願寺派の本山で、末寺は公称約150。一方、京都・東本願寺派は1602年の創設以来、同じ京都市の西本願寺に対し『お東さん』と呼ばれて親しまれており、末寺は公称約9千。・・・

大谷派は歴史的にも、社会的にも当派本山が『東本願寺』と認知されている。

(オ)「本願寺の歴史」 (http://www.tomo-net.or.jp/sermon/oshie/shin06.html)

「・・

東本願寺

は正式には真宗本廟といい、

「真宗大谷派」の本山

で、宗祖・親鸞聖人(1173〜1262)が説いた真実の教えに生きんとする真宗門徒の帰依処。

(カ)「真宗大谷派(東本願寺)大垣教区・教務所」(http://www3.ocn.ne.jp/~gobosan/kyoku/kyoku-top.htm)

「大垣教務所は

真宗大谷派の本山、東本願寺

の出張所です。東本願寺の寺院・門徒に関する事務、上山に関する事務、東本願寺の方針によって宗祖親鸞聖人の教えを伝える教化を行っています。」

(3)さらに、請求人が提出の意見書によれば、

真宗大谷派

(債権者)と請求人(出願人)の代表役員の地位にある大谷光細(債務者)との間の名称等使用禁止仮処分申請事件(昭和63年(ヨ)第1652号)の決定(昭和63年11月11日、東地民9)において、「・・・『東本願寺』との部分は、前掲疎明事実及び公知の事実によれば、債権者の

通称

であって、しかも、その宗教法人としての正式名称以上に社会に通用している

通称

であることが明らかであり、・・・」とされていることからも認め得るものである。

(4)以上によれば、「東本願寺」の文字は、京都市下京区烏丸七条上る所在の「真宗大谷派」の通称として、該宗教法人の業務に係る商品「薫料,ろうそく,葬祭用具,印刷物等」及び役務「葬儀の執行,墓地または納骨堂の提供」等に使用して、本願商標の出願前から、取引者・需要者間において広く認識されていたものであり、かつ、その状態は、現在においても継続しているものであるというのが相当である。

2.商品・役務の出所の混同のおそれについて

本願商標は、前記1のとおり、「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」の文字よりなるものであるところ、その構成中に「東本願寺」の文字を有するものであり、「東本願寺」の文字は、一般世人の間に「真宗大谷派」の通称として広く知られているものであること上記のとおりであるから、これに接する取引者・需要者はた直ちに周知・著名な真宗大谷派を表したものとして理解、認識するとみるのが相当である。

また、本願の指定商品又は指定役務である「薫料,ろうそく,電気通信機械器具,印刷物,葬祭用具,織物(畳べり地を除く。),マッチ,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供」は、真宗大谷派の宗教団体の取り扱う商品・役務と密接な関係を有するものである。

してみれば、本願商標をその指定商品・役務に使用するときには、これに接する取引者・需要者は、直ちに真宗大谷派を理解・認識し、その商品及び役務が「真宗大谷派」あるいは同宗教法人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかの如く、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるといわなけらばならない。

3.したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、これに該当するとの理由で本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、意見書において、(a)真宗大谷派が「真宗本廟」となって「東本願寺」の名称が消滅し、「真宗大谷派」の通称ではなくなったと主張するが、「東本願寺」を正式に「真宗本廟」と称しているとしても、「東本願寺」の名称が消滅したわけではなく、現在においても、東本願寺は「真宗大谷派」の通称として使用されていることは、上記第3 1.(4)認定のとおりである。また、(b)請求人の旧名称「東京本願寺」から、「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」に名称変更申請し、宗教法人名として認可(第8号証)されたことから、本願商標は「真宗大谷派」の通称である「東本願寺」を想起させるものではない旨、主張するが、名称変更申請が認可されたことにより、本願商標が上記法条に該当するか否かの結論が左右されるものではない。さらに、当審において、(c)請求人は過去に「東本願寺」または「東本願寺派」を含む登録商標を所有しているものであり、本願商標は、「浄土真宗東本願寺派」の文字が自他商品識別力を左右する要部である旨主張するが、過去の登録例は、本件とは事案を異にするばかりでなく、そもそも具体的事案の判断は過去の審査例等の判断に拘束されることはなく検討されるべきものであって、本願商標については前記認定のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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