結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89044(T2004−89044/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4743827号商標(以下「本件商標」という。)は、「ぷかぷかバスキャン」の文字を標準文字で書してなり、平成15年3月19日に登録出願、第4類「ろうそく,装飾を施したろうそく,着色したろうそく,香料を配合したろうそく,意匠を施したろうそく,液体燃料,ろう,パラフィンワックス,ランプ用灯しん」及び第5類「外皮用薬剤,浴剤,毛髪用剤」を指定商品として、同16年1月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4730059号商標(以下「引用商標」という。)は、「ぷかぷか」の文字を標準文字で書してなり、平成15年1月7日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、同15年11月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品中の第4類『香料を配合したろうそく』及び第5類『外皮用薬剤,浴剤,毛髪用剤』についての登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号含む)を提出した。
(1)本件商標
本件商標は、標準文字で「ぷかぷかバスキャン」と書してなるもので、全体構成から「プカプカバスキャン」の称呼が生ずるほか、単に「プカプカ」の称呼をも生ずる。すなわち、本件商標は、前半部を平仮名で「ぷかぷか」と書し、後半部を片仮名で「バスキャン」と書してなるもので、商標全体として視覚上の統一性がなく、前半部に位置する「ぷかぷか」が独立して認識可能な表示態様となっている。また、観念的にも「ぷかぷかバスキャン」全体として特定の意味合いを表示するものでもなく、「ぷかぷか」と「バスキャン」を単に結合したにすぎないものであり、常に全体の称呼をもって称されるべき必然性がない。そして、「ぷかぷか」は、「盛んにタバコをふかすさま。」や「水面や空中に物が浮び漂っているさま。」(広辞苑第5版)を表わす擬態語であり、2音を繰り返す特徴点と親しまれた語である点から、需要者の注意を惹きやすく、また、全体の称呼数が8音ないし9音と比較的冗長であるから、常に全体をもって称呼されるよりも、前半部の「ぷかぷか」に照応して単に「プカプカ」の称呼をもって略称される可能性の方が大きいといえる。
(2)引用商標
引用商標は、標準文字で「ぷかぷか」と書してなり、「プカプカ」の称呼が生じることは明らかである。
(3)両商標の類似性
したがって、両商標は「プカプカ」の称呼を共通にする類似の商標である(甲第1号証ないし甲第8号証参照)。
(4)指定商品の類似性
(ア)本件商標の指定商品中、第4類「香料を配合したろうそく」と引用商標の指定商品中の「香料類」に属すると認められる「ろうそくタイプの芳香剤」とは、芳香成分とろうそくのいずれを主体に表現するかの問題であり、市場において「アロマキャンドル」と称されて販売されている商品であるから、実質的には同一の商品とみなし得る(甲第9号証の1ないし3)。仮に同一の商品でないとしても、両商品は、商品形態・流通経路を共通にするものであり、店舗内の同一箇所において展示され、販売されるものであるから、類似商品であることは明らかである。両商品に同一又は類似の商標が付された場合、これらが同一営業主の製造・販売に係る商品であると誤認されるおそれがあることは明白であり、商品の同一性又は類似性は否定し得ない。
さらに、本件商標の指定商品中の第5類「外皮用薬剤,浴剤,毛髪用剤」は、引用商標中の第5類「薬剤」と抵触する。
以上のとおり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同ー又は類似のものである。
(イ)被請求人は、手続補正書によって、第5類の指定商品を「浴剤、毛髪用剤」に補正したので、引用商標の指定商品とは抵触関係を脱した旨の主張をする。
しかしながら、商標登録後において手続補正書によって指定商品の補正を行う手続など商標法上において存在せず、このような手続補正書は不受理処分ないしは却下処分をされるべきものと思料する。
また、補正後の「浴剤、毛髪用剤」は、第5類の「薬剤」に属することは明瞭であり、抵触関係を脱するものではない。
(ウ)被請求人は、第3類「香料類」に属する「ろうそくタイプの芳香剤」は「ろうそく形状(型)の芳香剤」であり、商品形態及び使用目的が「ろうそく」である「香料を配合したろうそく」とは商品の性質を異にし、互いに非類似の商品である旨の主張をするが、本件商標の指定商品中における「香料を配合したろうそく」とは、「ろうそく」の本来的用途である「灯火用」以外に「配合した香料から立ち上る香りを味わう用途」をも加味したものであり、芳香剤用途を具有することは明白である。
一方、引用商標における指定商品「香料類」に含まれる「ろうそくタイプの芳香剤」とは、単に形状がろうそくの形をしているものを指すのではなく、ろうそくの形状・形態をしており、しかも灯りをともすというろうそくの本来的機能を具有しており、なおかつ、配合した香料から立ち上がる香りを味わう用途を有する商品であって、芳香剤用途とろうそく用途を兼ね備えた商品であることは明らかである(甲第10号証の1ないし甲第11号証の5)。
(5)以上のとおり、本件商標と引用商標とは、商標において類似しており、かつ、指定商品においても抵触関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にされるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
(1)指定商品について
(ア)本件商標の指定商品は、手続補正書(乙第1号証)により、第5類「外皮用薬剤」を削除したから、本件商標の指定商品中の第5類に属する指定商品と引用商標の指定商品とは抵触しないものとなった。
(イ)請求人は、本件商標の指定商品中、第4類「香料を配合したろうそく」は、第3類の「香料類」の「ろうそくタイプの芳香剤」と同一又は類似の商品であるである旨主張するが、その主張は的を射ないものである。
なぜなら、「ろうそくタイプ」は「ろうそく型」、すなわち「ろうそく形状(型)の芳香剤」と解されるものである。
さらに、「香料を配合したろうそく」は、あくまでも商品形態及び使用目的が「ろうそく」であって、請求人の主張する「香料」とは、商品としての性質を異にするものであるから、これらが同一又は類似であるとはいえないものである。
(2)商標の類否について
請求人は、本件商標は「プカプカバスキャン」の一連の称呼を生ずると共に、前半部にあって、文字態様の相違する「ぷかぷか」の文字部分に相応して、単に「プカプカ」の称呼をも生ずるから、引用商標と称呼上類似すると主張し、審判決例等を引用している。
しかしながら、本件商標は、「プカプカバスキャン」の称呼のとおり、浴槽や水槽などの水に直接浮かべて使用するロウソク(従来の容器に入れて使用する商品とは区別した商品である。)や火炎照明体などの商品、及びそれに関連した商品や原材料に付けて、商品展開上他の類似した商品との区別を容易にしたものである。
(3)以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似しない商標であり、かつ、本件請求に係る指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似しないものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
(1)本件商標
本件商標は、「ぷかぷかバスキャン」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、「ぷかぷか」の平仮名文字と「バスキャン」の片仮名文字よりなるものであるとしても、外観上軽重の差なく表されているばかりでなく、その構成中、「ぷかぷか」又は「バスキャン」の文字部分が商品の品質を表示するものとして、普通に使用されているという事実も見出せない。さらに、本件商標より生ずるものと認められる「プカプカバスキャン」の称呼は、きわめて冗長というものではなく、淀みなく称呼し得るものということができる。
そうとすれば、本件商標は、構成全体もって、一体不可分の造語を表したと理解されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「プカプカバスキャン」の一連の称呼のみが生ずるといわなければならない。
(2)引用商標
引用商標は、「ぷかぷか」の文字を書してなるものであるから、これより「プカプカ」の称呼を生ずるものであって、「小型・中型の吹奏楽器を吹き鳴らすやや高い音。口から幾度も煙や空気を吐くさま。盛んにタバコをふかすさま。水面や空中に物が浮び漂っているさま。」(広辞苑第5版)の意味を有する語と認められる。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標と認識されるものであるから、引用商標とは、外観上明らかに相違するものである。
また、本件商標より生ずる「プカプカバスキャン」の称呼と引用商標より生ずる「プカプカ」の称呼とは、後半部分において「バスキャン」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼するときにおいても、互いに明瞭に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、前記のとおり、造語を表したと理解されるものであるから、前記(2)の意味を有する引用商標とは、観念上比較し得ないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきものである。
(4)むすび
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品中の第4類「香料を配合したろうそく」及び第5類「外皮用薬剤,浴剤,毛髪用剤」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものはないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
なお、被請求人は、答弁書と同時に乙第1号証(手続補正書)を提出し、本件商標の指定商品中の第5類「外皮用薬剤」を削除した旨主張するが、本件商標の指定商品中の第5類「外皮用薬剤」についての商標権は、すでに設定の登録がされ、権利が発生しているものであるから、乙第1号証(手続補正書)をもって、指定商品の補正をすることはできない(商標法第68条の40)。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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