sokuhyo

Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠能力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30309(T2004−30309/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4427461号商標(以下「本件商標」という。)は、「アドバンテージ」の文字と「ADVANTAGE」の文字とを二段に横書きしてなり、平成11年11月26日登録出願、第4類「工業用油,工業用油脂」を指定商品として、同12年10月27日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した(なお、請求書の段階で既に甲第1号証及び甲第2号証が提出されているため、弁駁書に添付の甲第1号証ないし甲第3号証については、甲第3号証ないし甲第5号証の提出があったものとして取り扱う。)。

(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者・専用使用権者・通常使用権者のいずれによっても使用されていないため、商標法第50条第1項の規定により、その取消しを免れないものである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

(ア)被請求人は、本件商標をその指定商品に使用していることを証明していない。

乙第2号証の1ないし8の写真の商品は、各々エンジンオイル用添加剤、ギアオイル用添加剤、A/Tフルード用添加剤、エンジン・ギアオイル兼用添加剤であるから、第1類の「化学品」に含まれる商品であり、第4類の「工業用油,工業用油脂」に使用されていることを何ら証明していない。

特に、いずれの商品も表面部に「100% synthetic liquid mainly made of ESTER」と書かれている。この表示によって、エステルを主原料とした化学品であることを自ら証明している。

なお、裏面部の「表示者及び所在地」の欄には、輸入・販売元が被請求人であることを示すシールが不自然な形で貼られており、製造元が誰であるかが全くわからない。

(イ)被請求人提出の乙第1号証には証拠能力がない。

被請求人提出の乙第1号証の1ないし18は、文字の特徴から、同一人によって作成されたものと判断される。そこで、当該乙号証中、乙第1号証の1ないし4についての疑問点を挙げる。西東京市が施行されたのは平成13年1月21日であり、それ以前は田無市であったはずである。通常、市名が変わる時は、予め施行日がアナウンスされるものであり、ゴム印等を新たに準備しておくことは理解できる。しかし、通常の注意力を有する者が、準備した新たなゴム印を施行日以前に使用するであろうか、特に年明けに新しい市が施行されるとわかっている時に、年末に新たなゴム印を使用するのは甚だ不自然である。したがって、乙第1号証の1ないし4は、後に作成されたものであると推測される。また、上述したように、乙第1号証の1ないし18は、文字の特徴から、同一人が同一時期に作成したものと判断されることから、これら乙号証のすべては、証拠能力がないといえる。

なお、上記事実を否定するのであれば、乙第1号証の証拠作成者の捺印のある陳述書を提出することを強く求めたい。

さらに、乙第1号証の19ないし22には「ADVANTAGE」の文字が何処にも記載されておらず、これらの証拠によって、本件商標の使用が証明されたとは到底いえるものではない。

(ウ)被請求人は、譲渡交渉中に不可解な商標登録出願をしている。

被請求人代理人と請求人代理人との間では、平成16年1月から2月までの間に手紙、FAX及び電話を使用して本件商標の譲渡交渉を行っているが(甲第3号証ないし甲第5号証)、この譲渡交渉の期間中に、被請求人は、本件と同一の商標に関して、全く同一の指定商品について、新たな商標登録出願を行っている(商願2004−3373:商標「ADVANTAGE」)。これは、本件不使用取消審判によって取り消されることを予定し、使用していないにもかかわらず、かつ、使用する予定がないにもかかわらず、譲渡交渉を有利に進めるために(高価で買い取らせるために)出願したものと判断される。

以上の(ア)ないし(ウ)の理由からも明らかなとおり、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消すことについて、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)被請求人は、本件審判請求の登録前3年以上にわたって、いくつかの小売店との間において、指定商品につき本件商標を使用した商品を取引しており、これら商品の取引書類(納品書、売上票、請求書)を乙第1号証の1ないし22として提出する。

これら取引書類に記載されたいずれの商品にも、本件商標「ADVANTAGE」、「アドバンテージ」が付されている。その1つの「POWER BLEND」とは、乙第2号証の1及び2として提出した写真に示されるとおり、本件商標を付した商品「自動車用のエンジンオイル用添加剤」であり、次に、「ACTIVE BLEND」とは、同じく乙第2号証の3及び4として提出した写真に示されるとおり、商品「自動車用のギアオイル用添加剤」であり、また、「SMART BLEND」とは、同じく乙第2号証の5及び6として提出した写真に示されるとおり、商品「自動車用のA/Tフルード用添加剤」であり、さらに、「SPECIAL BLEND」とは、同じく乙第2号証の7及び8として提出した写真に示されるとおり、商品「自動車用のエンジン・ギアオイル兼用添加剤」である。

これらの商品は、いずれも石油類に属し、本件商標の指定商品「工業用油」に属する。

(2)以上のことから、本件商標が指定商品「工業用油」に使用されていたことは明白である。

したがって、本件商標は、取り消されるべきでない。

4 当審の判断

被請求人は、本件商標を自動車用のエンジンオイル用添加剤、自動車用のギアオイル用添加剤、自動車用のA/Tフルード用添加剤、自動車用のエンジン・ギアオイル兼用添加剤に使用しているとして、取引書類(乙第1号証の1ないし22)及び上記各添加剤の写真(乙第2号証の1ないし8)を提出するところ、請求人は、乙第2号証の1ないし8の写真の商品は、第1類の「化学品」に含まれる商品であると主張するので、まず、この点について検討する

乙第2号証の1及び2の写真に表されている商品は、自動車用のエンジンオイル用添加剤であり、乙第2号証の3及び4は、自動車用のギアオイル用添加剤、乙第2号証の5及び6は、自動車用のA/Tフルード用添加剤、乙第2号証の7及び8は、自動車用のエンジン・ギアオイル兼用添加剤であるところ、これらは、自動車のユーザーである一般の需要者が自動車用品店又はガソリンスタンドなどで購入し、それぞれのオイル注入口あるいはA/Tフルードのゲージより注入して使用するものであると認められる。

そして、いずれも消防法における第4類危険物の「第4石油類」に属するものであることが認められる。

上記した、これらの販売部門、用途、需要者を総合すれば、これら各種オイル用添加剤及びA/Tフルード用添加剤は、エンジンオイル、ギアオイルなどの潤滑油と同様に、第4類の「工業用油」に属するものと判断するのが相当である。

次に、乙第1号証の1ないし22の取引書類について検討するに、乙第1号証の1ないし4の「納品書」の住所には、「西東京市」の市制施行前にもかかわらず「西東京市」が使用されているところ、「西東京市」の市制が施行されることは公知の事実であり、たとえ、これを施行前に使用しても住所は特定し得ることから、使用したと善解することは可能ということもできるが、多少不自然な感は否めない。

しかし、乙第1号証の19ないし20(売上票)及び乙第1号証の21及び22(請求書)によれば、被請求人は、埼玉県比企郡嵐山町所在の「ガレージ・ディーブランド」に対し、商品「POWER BLEND」、「ACTIVE BLEND」、「SMART BLEND」及び「SPECIAL BLEND」を平成15年10月20日に、「SMART BLEND」を同27日に販売した事実が認められる。

そして、これらの取引書類に記載されている「POWER BLEND」、「ACTIVE BLEND」、「SMART BLEND」及び「SPECIAL BLEND」の各表示は、乙第2号証の1及び2の自動車用のエンジンオイル用添加剤の写真に表示されている「POWER BLEND」の文字、乙第2号証の3及び4の自動車用のギアオイル用添加剤の写真に表示されている「ACTIVE BLEND」の文字、乙第2号証の5及び6の自動車用のA/Tフルード用添加剤の写真に表示されている「SMART BLEND」の文字、あるいは、乙第2号証の7及び8の自動車用のエンジン・ギアオイル兼用添加剤の写真に表示されている「SPECIAL BLEND」の文字とそれぞれ符合するものである。

したがって、乙第1号証の19ないし22で販売された商品は、乙第2号証の1ないし8の各写真の商品であったと認められる。

また、乙第2号証の1ないし6の各商品には、本件商標と社会通念上同一と認められる「ADVANTAGE」の文字が表示されており、上記販売日は、本件審判の請求の登録日(平成16年4月1日)前3年以内のものである。

請求人は、乙第2号証の裏面部(乙第2号証の2,同4,同6,同8)の「表示者及び所在地」の欄に輸入・販売元が被請求人であることを示すシールが不自然な形で貼られている旨主張するが、例えば、メーカーの住所や名称が変わった場合、製造済みの商品の容器やラベル等にシールを貼って変更後の住所や名称を表示することは、取引の実情に照らすと必ずしも不自然であるとは認められない。

以上によれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者である被請求人が請求に係る指定商品について使用していたものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。