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Trademark Appeal Case

結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−15949(T2003−15949/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成14年8月2日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同15年3月27日付けの手続補正書により、第30類「即席中華そばのめん,中華そばのめん」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1415410号商標は、「博多っ子」の文字を横書きしてなり、昭和51年5月6日に登録出願され、第32類「加工食料品,その他本類に属する商品」を指定商品として、同55年4月30日に設定登録され、その後、平成2年4月27日及び同12年3月28日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同じく、登録第2492518号商標は、「博多っ子」の文字を横書きしてなり、平成2年3月31日に登録出願され、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、同4年12月25日に設定登録され、その後、同14年11月26日に商標権存続期間の更新登録がなされているものであるが、同14年12月11日に、指定商品を第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」とする書換の登録がなされているものである。

以下、これらを「引用各商標」という。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「黒地円形内に九州の地図を白抜きした図形 (図形央部に右上がりに「KyushuLamian」の文字を横書してなる。)」、「九州ラーメン」の文字及び「博多っ子」の文字(「博多っ子」の文字は、「KyushuLamian」の文字より大きく、「九州ラーメン」の文字より小さく表されている。)を左より右にかけて横一列にこの順序で配した構成よりなるものである。

しかして、その構成中の図形部分は、九州の地図を表したものと容易に看取されものである。また、図形に重ねるように配された「KyushuLamian」の文字は、その中の「Kyushu」の文字が「九州」の意を有し、同じく、「Lamian」の文字が、「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」(株式会社三省堂 発行)及び「最新早引きカタカナ語辞典」(株式会社 緒方出版 発行)によれば、「ラーメン」と表記され、「中華そば」の意味が付されていることよりすれば、「ラーメン」の意味合いを有するものであるが、「Lamian」の語が一般に知られていると認めるに足りる証左は発見できない。さらに、構成中の「九州ラーメン」の文字部分は、九州地方を意味する「九州」と中華そばを意味する「ラーメン」の各語を結合したものである。

してみると、本願商標の構成中、九州の地図を表した図形部分と「九州」の文字部分は一地方としての「九州」を想起、連想させ、「ラーメン」の文字部分が「中華そば、中華そばめん」を表すものであるから、これらを結合してなる「九州ラーメン」文字部分は、指定商品に使用する場合、「九州地方で生産され、販売されるラーメン」を想起、連想させるものであって、自他商品の識別力を有しないか又は極めて自他商品の識別力が弱いものとみることができる。

なお、「KyushuLamian」の文字部分については、「Lamian」の語が一般に知られたものではないこと、極めて小さな文字で書されていること及び本願商標の構成中には他に称呼し、観念し易い部分を有することを併せ考慮すれば、これらの文字部分が図形の一部を構成するものとして認識されるにとどまり、取引の場において、これらの文字部分を捉えてその称呼、観念をもって取り引きされることはほとんどないものと解される。仮に、「Lamian」の文字部分が「ラーメン」と称呼され、「ラーメン」の意味に理解されるとしても、「KyushuLamian」の文字部分全体が、「九州地方で生産され、販売されるラーメン」を観念させることになるから、「九州ラーメン」について上述したと同様の理由により、自他商品の識別力を有しないというべきである。

してみると、本願商標は、構成中の「博多っ子」の文字部分が自他商品の識別力を有する部分であり、該構成文字に相応して、「ハカタッコ」の称呼、「博多で生まれ博多で育った者、博多で生まれた者」の観念を生ずるものである。

請求人は、概略「本願商標は、九州のラーメンとして広く認識されている『九州ラーメン』と、博多で生まれたことを示す『博多っ子』をそれぞれ独立して表示あるいは称呼されるものではなく、比較的広く漠然とした九州全域のラーメンを表わす『九州ラーメン』と、九州のなかでも特定の地域を表示する博多で作られた、あるいは博多で生まれた他の地域のラーメンと異なる特有の味覚をもっていることを強烈にアピールする『博多っ子』が一体不可分に結びついているもので、『九州ラーメン』と『博多っ子』とは一体不可分に結びついて、始めて需要者あるいは取引者に自他商品の識別標識としての機能を果すという、特定の観念を生じさせるものである。」旨主張している。

しかし、本願商標は、前記のとおり、文字の大きさの異なる「九州ラーメン」と「博多っ子」の各文字が、スペースをもって分離、独立して配列されている構成からなるものであって、これを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとは認められず、かつ、その意味の内容においても相互に密接な関連性を有するものとは認め難いから、観念上も常に不可分一体のものとして認識されるということはできない。

また、本願商標は、その構成中の「九州ラーメン」の文字と「博多っ子」の文字が結合して看取される場合があるとしても、そこから生ずる称呼は、「キュウシュウラーメンハカタッコ」と殊更冗長であるといえる。

そうすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、本願商標から、図形部分と「kyushuLamian」及び「九州ラーメン」の各文字部分が省略され、主要部である「博多っ子」の文字部分のみによって称呼、観念されることも決して少なくないものと判断するのが相当であり、本願商標からは、構成文字部分から一連に生ずる「キュウシュウラーメンハカタッコ」の称呼のほかに、単に「ハカタッコ」の称呼及び上述のとおりの観念をも生ずるものといわざるを得ない。

他方、引用各商標は、前記構成のとおり、「博多っ子」の文字よりなるものであるから、これよりは「ハカタッコ」の称呼及び「博多で生まれ博多で育った者、博多で生まれた者」等の観念が生ずるものである。

そこで、本願商標と引用各商標とを対比すると、本願商標の主要部と引用各商標の構成は、前記のとおりであって、それぞれから生ずる「ハカタッコ」の称呼及び「博多で生まれ博多で育った者、博多で生まれた者」の観念を共通にするものである。

また、両商標は、全体の構成において相違する点があるとしても、本願商標の構成中にあって自他商品の識別機能を果たす主要部と引用各商標とは、「博多っ子」の文字を共通にするものであるから、この外観において互いに紛らわしいものである。

してみれば、本願商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに相紛らわしいものであり、両商標は類似の商標といわなければならない。また、引用各商標の指定商品は、本願商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含しているものであるから、本願商標を指定商品に使用した場合には、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれが十分にあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとする原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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