Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−854(T2003−854/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「AVE.」の欧文字(標準文字による商標)を書してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年7月25日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定商品については、平成13年7月23日付け手続補正書により、第9類「音声刺激を利用して補聴器を使用者の状態に合わせる設定を行うためのコンピュータプログラム」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願拒絶の理由に引用した登録第2550451号商標(以下「引用A商標」という。)は、「AVE」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年9月29日に登録出願、第11類「電気機械器具(但し、民生用電気機械器具を除く)電子応用機械器具(但し、電子管、半導体素子、電子回路を除く)電気材料」を指定商品として、平成5年6月30日に設定登録されたものであるが、その後、平成16年8月4日に書換登録がなされ、その指定商品が第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,コンピュータプログラム,電子応用機械器具,磁心,抵抗線,電極」となり、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第4159165号商標(以下「引用B商標」という。)は、「AVE−TCP」の欧文字を横書きしてなり、平成8年2月28日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を指定商品として、同10年6月26日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「AVE.」の文字よりなるところ、その構成中の「.」の記号は、英語における句読点の終止符又は略記号を表したにすぎないものと認められることから、構成中の「AVE」の文字部分のみが看者に強く印象づけられることとなり、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、記号部分とみられる「.」が捨象されて、「AVE」の文字部分が要部として捉えられ、これより生ずる称呼をもって取引に資されることも少なくないとみるのが相当である。
そうとすると、本願商標からは、「AVE」の文字部分に相応して「エイブイイイ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用A商標は、その構成文字に相応して「エイブイイイ」の称呼が生ずるものである。
また、引用B商標は、前記のとおり「AVE−TCP」の文字よりなるところ、その構成中の「TCP」の文字部分は、該商標に係る指定商品の需要者・取引者においては「伝送制御プロトコル」を意味する英語「transmission control protocol」の略語として親しまれていることから、その指定商品との関係では、商品の品質を表示するものと理解、認識されるに止まるものというべきである。そして、該商標は、全体を常に一体不可分のものとして認識されるべき格別の理由も見出し難いものである。
そうすると、引用B商標は、前半部の「AVE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部というべきであるから、これより単に「エイブイイイ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用各商標とは、「エイブイイイ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標は、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、平成14年1月7日付け意見書及び本件審判の請求の理由において、上記引用各商標の商標権者と交渉を進めているとする審理猶予を願い出ているところ、引用各商標の商標登録原簿に徴するも、既に相当の期間(審判請求時からは約2年、原審での意見書提出時からは約3年)が経過しているにもかかわらず、請求人(出願人)と引用各商標の商標権者は依然合致するところがなく、かつそのための手続も一切なされていないから、これ以上、本件の審理を遅延させるべき理由はないものと認め、審理を進めることとした。
また、請求人(出願人)は、審理終結通知後に上申書及び手続補足書を提出しているが、その内容を参酌しても、前記した交渉に具体的進展がみられないものであるから、審理再開の必要は認めない。
よって、結論のとおり審決する。
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