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Trademark Appeal Case

結合商標の識別力と称呼

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2004−89084(T2004−89084/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4658403号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4658403号商標(以下「本件商標」という。)は、「楽天ショップ」の文字を横書きしてなり、平成14年6月12日に登録出願、第35類「商品の販売に関する情報の提供」を指定役務として、平成15年4月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録第4453054号商標(以下「引用商標1」という。)は、「楽天」の文字を横書きしてなり、平成11年4月12日に登録出願、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,タイプライター、複写機及びワードプロセッサの貸与」の他、第9類、第16類、第41類、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品、役務を指定商品及び指定役務として、平成13年2月16日に設定登録されたものである。同じく、登録第4611529号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に表示した構成よりなり、平成12年12月28日に登録出願、第35類「電子商取引を利用した商品の売買契約の媒介及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,商品の販売に関する情報の提供又は指導・助言,商品の通信販売に関する情報の提供又は指導・助言,商品の購入に関する情報の提供又は指導・助言,新聞・雑誌の予約購読の取り次ぎ及びこれに関する情報の提供,トレーディングスタンプの発行及び清算及びこれらに関する情報の提供又は指導・助言,競売の運営及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,広告及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,広告スペースの提供及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,広告用具の貸与及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,職業の斡旋に関する情報の提供,経営の診断及び指導又はこれらに関する情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行及びこれらに関する情報の提供,経済動向に関する調査及び分析又はこれらに関する情報の提供,経済又は経済の予測に関する情報の提供,市場調査及びその評価及びこれらに関する情報の提供又は指導・助言,ネットワークによるアンケート調査及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,コンピューターによるファイルの管理及びこれに関する指導・助言,コンピューターデータベースへの情報編集及びこれに関する指導・助言,商品販売のためのデータベースによる顧客情報の提供及びこれに関する指導・助言,顧客管理に関する情報の提供又は指導・助言,財務書類の作成に関する情報の提供,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与に関する情報の提供,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング及び電子計算機による文書又は磁気テープのファイリングの管理,商品見本市の開催に関する情報の提供」の他、第9類、第16類、第36類、第38類、第39類、第41類、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品、役務を指定商品及び指定役務として、平成14年10月11日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。

1 請求の利益

請求人である楽天株式会社は、日本最大のインターネットショッピングモールである「楽天市場」を中心に、「楽天」の商標をハウスマークとする楽天グループとして、インターネットを利用する複数の業務等を多角的に行っている。この商標「楽天」と類似する本件商標が、本件商標の指定役務と同一又は類似の役務に用いられることにより、請求人の業務に係る役務との混同を生じるおそれがある。よって、請求人は、本件審判請求をするについて利害関係を有する(甲第3号証ないし甲第5号証)。

2 無効理由

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、「楽天ショップ」の文字よりなるところ、その構成中の「ショップ」の文字は、「店舗」等の意味を有する親しまれた外来語であり、この文字自体では自他役務の識別標識としての機能を果たさないか又はその機能が極めて弱いものである。

そのため、本件商標は、その全体の構成文字に相応して「ラクテンショップ」の称呼を生ずるほか、「楽天」の文字に相応して「ラクテン」の称呼、「人生を楽観すること」等の観念をも生ずるものである。

これに対し、引用商標1及び引用商標2は、「楽天」の文字を含み、当該文字に相応して「ラクテン」の称呼、「人生を楽観すること」等の観念を生ずるものである。

しかも、「楽天」は、需要者の間に広く認識された商標である(甲第3号証ないし甲第5号証)。

また、請求人が、登録第4537856号商標「楽天トラベル」及び登録第4518473号商標「楽天グルメ」に対して行った無効審判事件(無効2002一35164及び無効2002一35166)の審決(甲第10号証及び甲第11号証)において、商標「楽天」は、取引者、需要者の間に広く認識され、著名なものとなっていたものと、認定されている。

したがって、本件商標は、引用商標1及び引用商標2と外観において異なることを考慮しても、「ラクテン」の称呼、「人生を楽観すること」等の観念を共通にするものであり、その指定役務は、引用商標の指定役務に包含されているものである。しかも、「楽天」は、需要者の間に広く認識されている。

以上のとおり、本件商標は引用商標1及び引用商標2と類似する商標であり、その指定役務も同−又は類似する役務である。

(2)むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)本件商標の登録異議申立期間に請求人が登録異議の申立てを行わなかったことのみを理由に、請求人が被請求人の本件商標の登録を承認したと主張するのは、妥当ではない。

(2)本件商標は、請求人の各引用商標と類似し、同一又は類似の役務について使用するものである。このため、被請求人が本件商標をその指定役務に使用することにより、請求人の業務に係る役務との混同を生じるおそれがある。

なお、請求人は「楽天市場」のホームページ(甲第5号証)において、出店者が楽天市場に設置する店舗を「ショップ」と呼び(甲第12号証)、例えば出店者が購買者に発信するメールマガジンに関する説明のページにおいて「楽天ショップ」の語を使用している(甲第13号証)。また、多数の出店者が、楽天市場に設置した自己のショップを「楽天ショップ」と呼んでいる(甲第14号証)。

また、例えば「Google」等の検索エンジンにて、「楽天ショップ」をキーワードとして検索すると、請求人又は楽天市場への出店者が使用している「楽天ショップ」、または他者が該ショップについて情報を示しているページについて多数表示される(甲第15号証)。

このように、「楽天ショップ」は、請求人等が、楽天市場に出店した店舗(ショップ)の意味で使用しているものであり、その結果、周知になっているものである。

この点からも、被請求人が本件商標をその指定役務に使用すると、請求人の業務に係る役務との混同を生じるおそれがある。

(3)請求人の登録出願である商願2004一41804(甲第16号証)及び商願2004−41805(甲第18号証)は、拒絶理由通知書において、本件商標を引用商標として、商標法第4条第1項第11号により商標登録ができないとされている。

第4 被請求人の主張

被請求人は、本件商標の無効審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

1 特許庁のホームページを検索すると、商標「楽天」と「楽天〇〇」や「〇〇楽天」と表示した商標検索件数が67件検索される。

2 商標「楽天」の商標出願・登録情報の検索を行うと、請求人以外に他者が所有する商標「楽天」が6件検索される、その内2件は請求人が商標「楽天」の登録が完了した後、出願登録している。

3 商標「楽天」については、多数の会社が種々の指定商品又は指定役務について登録を受けており、単なる「楽天」や「楽天〇〇」や「〇〇楽天」だけでは自他商品又は役務の識別力は非常に弱いものになっている。

4 請求人の登録第4537856号商標「楽天トラベル」(甲第10号証)及び登録第4518473号商標「楽天グルメ」(甲第11号証)の無効審判請求日は、平成14年4月30日である、無効審決確定日は平成15年5月6日である、本件商標の登録出願日は平成14年6月12日で登録査定起案日は平成15年2月19日である。

被請求人の本件商標の出願は、請求人が上記無効審判を請求した後である。請求人が提出した審決(甲第10号証)によれば、請求人がインターネットサービス事業に使用する「楽天市場」の文字からなる商標及び「楽天」の文字からなる商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時(平成13年12月4日)において、取引者、需要者の間に広く認識され、著名なものとなっていたものと認められる、と判断されている。本件商標はこの判断期日以降に登録出願している。審査官は本件商標を厳正に審査し、これらの無効審判請求事件と照らしても、拒絶理由が発見しないから登録査定を下した。

5 請求人は、本件商標に対し、登録異議の申立てを行わなかった、よって、本件商標は、請求人に承認されたと考えるのが妥当である。

6 被請求人は本件商標を媒体として、一般印刷広告物を活用して北海道の優良海産物を宅配便で各地に販売することを計画中で、現在は優良海産物の調査選定を行って準備をしている。

7 むすび

本件商標は、各引用商標に類似しないので、商標法第4条第1項第11号に違反しない。

第5 当審の判断

本件商標は、「楽天ショップ」の文字よりなるところ、その構成中「ショップ」(shop)の文字は、「店、商店、小売店」を表すために普通一般に使用されている文字(語)であるから、該文字部分は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、本件商標の自他役務の識別標識としての機能を果たす文字部分は「楽天」の文字部分にあるものというのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、「楽天ショップ」の文字に相応し「ラクテンショップ」の称呼を生ずるほか、「楽天」の文字に相応し「ラクテン」(人生を楽観すること)の称呼、観念をも生ずるものというべきである。

他方、引用商標1は、「楽天」の文字よりなり、引用商標2は、別掲に表示したとおり、その構成中に「楽天」「RAKUTEN」の文字を有する構成よりなるものであるから、引用商標1は「楽天」及び引用商標2は「楽天」「RAKUTEN」の文字に相応し「ラクテン」(人生を楽観すること)の称呼、観念をも生ずることは明らかである。

そうとすれば、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、その称呼及び観念おいて類似の商標といわざるを得ない。

また、本件商標の指定役務と引用商標1及び引用商標2の指定役務とは、同一又は類似するものである。

この点において、被請求人は、商標「楽天」「楽天〇〇」「〇〇楽天」等が多数登録されていること、本件商標は、「楽天トラベル」(甲第10号証)及び「楽天グルメ」(甲第11号証)の無効審判事件の審決後に登録されたこと、等を理由に本件商標と各引用商標とは非類似である旨のべている。

しかしながら、本件商標と登録例は事案を異にし、これらの事実、実情をもって、前記認定の妨げとはならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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