結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第7459号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「ウイルススキャン」の片仮名文字を標準文字とし、第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定商品及び指定役務として
、平成9年7月9日に登録出願されたものである。
原査定は、(1)本願商標は、コンピューターをはじめとした電子応用機械器具がコンピューターウイルスに感染していないか検査又は精査をするワクチンプログラムを記憶させた各種媒体又は同プログラムを内蔵した機器が盛んに開発されているから、「ウイルス」の文字に「精密な検査・精査」を意味する「スキャン」の文字を結合しても、「ウイルスを綿密に検査する」商品であるかの如く、その商品の機能又は品質を表示するにすぎず、また、該商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。(2)指定役務との関係においては、「ウイルスを綿密に検査する」役務であるかの如く、その役務の質を表示するにすぎず、また、該役務以外の役務について使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する、旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、上記のとおり「ウイルススキャン」の片仮名文字を標準文字で表してなり、その構成中「ウイルス」(Virus)の文字は、その指定商品及び指定役務との関係においては、「コンピュータウイルス」を指称するものと認識され、これは「ネットワークやフロッピーディスクなどを介して、コンピュータからコンピュータへ勝手にコピー増殖していくようなプログラムのこと」を表すものと認められる(最新2002年版 標準パソコン用語事典 株式会社秀和システム・2001年8月6日発行)。
また、「スキャン」(Scan)の文字は、「走査する、スキャンする」を意味する語であり、その指定商品・指定役務との関係においては、「コンピュータにおいて、ファイルやプログラム内を検索し、項目(item)を見つけ出す動作」を表すものと認められる(英和コンピュータ用語大辞典 第2版 日外アソシエーツ株式会社・1996年7月22日発行)。
してみると、上記「ウイルス」と「スキャン」の語を結合した本願商標からは、原査定説示のように、必ずしも「ウイルスを綿密に検査する」との意味合いを看取させるともいえないものであって、むしろ、一連一体で一種の造語を表したものと認識させるというのが相当である。
(2)ところで、請求人が提出した甲第1号証ないし甲第415号証、及び当審における職権による調査によれば、以下の事実が認められる。
「米国マカフィー社はコンピュータウイルス検出ソフトの大手であり、全米で67%のシェアを有し、販売する端末用ウイルス検出ソフト『ウイルススキャン』はウイルス検出率97%と最も高い。」との記事がある(1995年5月18日 日刊工業新聞)。
また、「マカフィー社のワクチンソフト『ウイルススキャン』の最新バージョンをNECにOEM供給し、・・」との記事も見られる(1997年11月6日 日刊工業新聞)。
さらに、「特集 業界ミニ情報 マカフィー、ネットワーク・アソシエイツに社名変更」とのタイトルのもと、「ワクチンソフト『ウイルススキャン』で知られるマカフィーは、2月5日、米本社の(略)社名変更に伴い、日本法人も米本社と同じ『ネットワーク・アソシエイツ』に変更し・・」との記事が認められる(1998年3月17日 日刊工業新聞)。
また、「中小企業の安全向上対策強化 ウイルス対策でソフト各社」のタイトルで「日本ネットワークアソシエイツも管理者不要の『ウイルススキャンASap』など便利な製品を提供している。」との記載が見られる(2004年3月11日 共同通信)。
(3)上記のことからすると、「ウイルススキャン」の語は、米国マカフィー社が開発した「コンピュータウイルス検出ソフト」に付された名称と認められ、その後、マカフィー社は「ネットワーク・アソシエイツ・インク」に社名変更し、さらに、請求人に譲渡されたものと認められるものである。
そうとすれば、「ウイルススキャン」の語は、マカフィー社から現在の請求人に至るまで、一貫して「コンピュータウイルス検出ソフト」の名称(識別標識)として使用されているものであって、かつ、該語が原査定説示の意味合いで不特定多数の者に普通に使用されている事実も認められない。
してみれば、本願商標は、その指定商品・指定役務の品質(質)、機能等を表すものとはいえないものであり、また、商品又は役務の品質(質)について誤認を生ずるおそれがあるということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものでなく、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。