Trademark Appeal Case
スライドインの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−16752(T2003−16752/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「スライド イン」と「SLIDE―IN」の文字を上下二段に横書きしてなり、第16類「印刷物,文房具類」を指定商品とし、平成15年1月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『スライド イン』及び『SLIDE−IN』の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるところ、これより、『するりと入れる、滑り込ませる』の意味合いを看取させ、その指定商品との関係において、該文字が取引者・需要者をして、『スライド式の商品』を意味するものとして認識させることも決して少なくないものと認める。そうすると、これを本願指定商品中『前記文字に照応する商品』に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「スライド イン」と「SLIDE―IN」の文字を書してなるところ、本願商標の前半の「スライド」及び「SLIDE」の文字部分は、「滑ること、滑らせること」を意味する外来語及び英語として親しまれているものであって、特に英語においては「in」を伴って「滑り込ませる」の意味する慣用句として用いられているものである(株式会社岩波書店 広辞苑第五版、株式会社三省堂 グランドコンサイス英和辞典 2001年4月8日発行)。
そして、本願商標の片仮名文字部分の「スライドイン」等の文字が、様々な商品の機能等を説明するものとして、取引上普通に使用されている実情としては、例えば、以下のような新聞記事及びインターネットによるホームページの情報がある。
(1)「[ビジネス情報]物流用保管棚に新製品−−トヨタ自動車」の見出しのもと、「ロット単位で入出庫する保管物をスライド式に収納する「
スライドイン
タイプ」と、収納をフォークリフトで行う「ドライブインタイプ」の2タイプを新たに加え、3日から発売した。」と記載している(毎日新聞社 2000年10月4日 中部朝刊 8頁)。
(2)「ソニーマーケティング、ウォークマン20周年モデル」の見出しのもと、「D―E01はふたを開けずにCDの入れ替えができるスライドイン方式を採用し、デザインも円形にした。」と記載している(1999年6月8日 日経流通新聞、3頁)。
(3)「brother 家庭用ミシン編機 D−9700F」の見出しのもと、「ワンタッチ・スライド・イン方式:刺しゅうをする時は、ミシン本体の手前にあるアクセサリーケースとハードケース内に収納されている刺しゅう機を交換するだけ。交換はスライドさせるだけの簡単操作です。」と記載している(http://www.brother.co.jp/jp/hsm/info/d9700f/d9700f_fea3.html)。
(4)「アイゾーンキャビネット 調味料棚 BUC−S60B」の見出しのもと、「レール方式によるスライドインタイプで、据付確実・簡単」と記載している(http://www.toshiba-living.jp/lista.php?c1id=29&c2id=248&lv=1&detail=1)。
(5)「簡単な操作で積み降ろしスムーズ、介護の方もラクラク、車いす収納装置。」の見出しのもと、「Honda独自のスライドインタイプの車いす立て置き収納装置です。車いすを立てたまま置け、簡単に積み降ろし。車いす収納時でも3人乗り、収納しない時は収納装置を回転させて4人乗りとなります。」と記載している(http://www.honda.co.jp/welfare/life-almas/)。
(6)「The Deluxe iPod Case Black」の見出しのもと、商品の表示とともに「スライドインでケースに収納」と記載している(http://www.focal.co.jp/product/detail.html?id_product=122)。
加えて、同じく「スライドイン」の文字が、本願指定商品に関連する文房具を取り扱う業界において、商品の機能等を説明するものとして、取引上普通に使用されている実情としては、例えば、以下のような新聞記事及び登録実用新案公報に記載がある。
(7)「開閉簡単、薄型ファイル、キングジム(新製品)」の見出しのもと、「独自のスライド式とじ具を採用、開閉操作が簡単な薄型ファイル『レターファイル スライドイン』。A4縦型の2穴ファイル。スライド式とじ具を採用することで片手で開閉操作できる。」と記載している(2003年2月25日、日経流通新聞MJ 13頁)。
(8)「スライドインノート」の考案の名称において、その請求項1に「一端部に沿って多穴綴じ具を固定したスライドイン表紙であって、パッドホルダのカバー部材の内側に構成されたポケット部に挿入してスライドインノートを該パッドホルダの内面上に保持するためのスライドイン表紙と、該スライドイン表紙に対面する状態で該多穴綴じ具にその一端部を綴じた透明表紙と、該スライドイン表紙及び該透明表紙間に挿入され、その一端部を該多穴綴じ具で綴じた記録用の紙片と、該多穴綴じ具を覆うべく、スライドイン表紙の該多穴綴じ具を固定した側の端部及び該透明表紙の該多穴綴じ具に綴じた側の端部間を被覆した保護被覆材と、で構成したスライドインノート。」と記載している(実用新案登録第3106507号)。
以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、たとえ、本願商標の片仮名文字部分が「スライド」と「イン」の間に1文字程度の空白を、また、英文字部分の「SLIDE」と「IN」の間にハイフンを配した構成よりなるとしても、上記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その商品が「滑り込ませる機構を有した商品」であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質、効能(機能)を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
また、本願商標を前記に照応する商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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