Trademark Appeal Case
歌本の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−7228(T2003−7228/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「歌本」の文字を標準文字としてなり、第9類、第16類、第38類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成12年12月12日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、平成14年3月20日及び同15年4月25日提出の手続補正書により、最終的に第9類「通信を用いてダウンロード可能な演奏コード付き歌詞」及び第41類「通信を用いて行う演奏コード付き歌詞の提供」と減縮補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は『歌集』であることを容易に理解させるものであり、現在では、歌詞のみでなく演奏用コード(楽譜)や、その楽曲の演奏を記録した電子計算機用プログラム(インターネット等によってダウンロードされる場合も含む)、インターネットによる歌詞・演奏用コード(楽譜)、その楽曲の演奏の提供(ダウンロードできないもの)などを『歌本』と称していることから、本願商標は補正後の指定商品『通信を用いてダウンロード可能な演奏コード付き歌詞』及び指定役務『通信を用いて行うコード付き歌詞の提供』に使用しても、いわゆる『ダウンロード可能な歌本』又は『歌本の提供』であることを理解させ、商品の品質及び役務の質・提供方法を表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「歌本」の文字からなるところ、該文字が成語として辞典類に掲載されていないとしても、該文字に相応して、「歌の本」ないしは「歌詞・歌曲を集めて本にしたもの」、すなわち「歌集」の意味合いを容易に認識し理解することができるものである。そして、「歌本」の文字は、上記意味合いを有する語として一般に使用されているのが実情である。
このことは、「歌本」について、例えば、G−Searchデータサービスによる「新聞記事情報検索」により検索すると111件がヒットし、インターネットの検索サイト「Google」により検索すると752万件もヒットすることからも首肯し得るものである。その中のいくつかを見ると、以下のように記述されている。
1)読売新聞2004.12.09大阪朝刊
「軍歌、民謡の歌本出版 高齢者のニーズに応え 大津の呉竹さん=滋賀」の見出下
「...高齢者に人気の高い軍歌や校歌・寮歌、民謡を集めた歌本『歌の宝石箱』を出版した。...歌本には、『海軍小唄』などの軍歌六十八曲のほか、....を収録。」との記述
2)毎日新聞2004.03.03東京夕刊
「[憂楽帳][手づくり]の味」の見出下
「自分も歌うが、客の歌に合わせて伴奏することが多い。分厚いのやら薄いのやら、たっぷりと年季の入った歌本が数冊。手書きの歌詞もある。」との記述
3)共同通信2003.01.26
「放送エクスプレス=BS 鈴木史朗が117曲熱唱 BSフジの異色CM」の見出下
「鈴木アナは、かばんには常にカラオケの『歌本』が入っているほどの自他共に認める歌好き。」との記述
4)毎日新聞2004.08.04東京夕刊
「[特集WORLD]ああ・・・懐かしのラジオ番組、復活『平凡アワー』を見に行く」の見出下
「●歌詞は歌本で
....カラオケもないから、付録の歌本でしっかり歌詞を覚えましてね」との記述
5)毎日新聞2002.12.21大阪夕刊
「[編集室から]古賀メロディー(井上朗)」の見出下
「...授業中に『日本歌謡100選』などという歌本を持ち込んでは口パクで楽譜をなぞり、....」との記述
6)読売新聞2001.08.10東京夕刊
「[はやミミ]石塚とパパイヤ、CDデビュー」の見出下
「石塚は『カラオケの歌本に残る曲にしたい』と語り、...」との記述
7)読売新聞2001.01.08大阪朝刊
「小豆島のうたを自費出版 元土庄小校長川井さん 民謡など200曲収録=香川」の見出下
「...小豆島に古くから伝わる歌や民謡など約二千曲を集めた歌本『小豆島のうた』を自費出版した。」との記述
8)朝日新聞2000.11.25大阪地方版/奈良 奈良版
「パソコン駆使し点字の歌本づくり カラオケにと生駒北中5人/奈良」の見出下
「...の3年生5人が、目の不自由な人がカラオケで歌を歌うときに使う点字の歌本づくりに取り組んでいる。...生徒らは、自分たちの好きな歌の歌詞を市販の歌本やインターネットから引き出し、...」との記述
9)http://www.geocities.jp/fujiskre/kaw0.html
「昭和30年代/思い出の歌本」の表題下
「芸能雑誌や趣味の雑誌などの付録によく付いていた流行歌を収めた歌本。...歌謡曲の楽しみ方は、ラジオから流れる歌を歌本で覚えて歌うというのが....」との記述
10)http://www.kawai.co.jp/cmusic/products/pianoproducts/pianofunc3.html
「これは便利!歌本入力ツール」の表題下
「市販の歌本さえあれば、ワープロ感覚でコードと歌詞を入力するだけで、あっという間にコード弾き語り曲が次々と....」との記述
11)http://www.karaoke-king.com/start_experience.html
「カラオケキングを体験してみよう」の表題下
「インターネット上の歌本を見るには電話料金などは普通通りかかりますが、カラオケキングの歌本を見るのは無料です。」との記述
12)http://homepage2.nifty.com/zabauta/books.html
「ザバうた友の会:歌本、歌詞本について」の表題下
「....歌本は曲のコードなどを収録したものです。」との記述
かかる事情の下に、本願商標を補正後の指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品又は役務が「通信を用いてダウンロード可能な歌本」又は「通信を用いて行う歌本の提供」であること、つまり、商品の品質、役務の質(内容)、役務の提供の方法等を表示したものと認識するに止まり、自他商品・役務の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
付言するに、原査定は、「平成14年1月10日付けで通知した理由によって、拒絶をすべきもの」としているが、正確には、当該拒絶理由通知書は平成14年1月23日起案、同年2月8日に発送されたものであり、原査定にいう日付は明らかな誤記と認められる。
なお、請求人は、当庁における登録例を掲げ、本願商標も該登録例と全く同等に位置するものであり、該登録例に倣って登録されるべき旨主張するが、商標登録の可否は個別具体的に判断されるべきであるばかりでなく、掲げられた登録例は、本願とは商標の構成をはじめ、指定商品・役務を異にするものであり、本願の判断に影響を及ぼすものではないから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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