結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30282号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2679611号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成3年12月19日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、平成6年6月29日に設定登録されたものである。
本件商標の登録は指定商品中「日用品」について取り消すとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)本件商標は、継続して3年以上、日本国内において商品「日用品」について使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、上記商品の登録は取消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
▲1▼ 被請求人は、乙第1号証ないし同第9号証において、商品写真及び売上伝票を提出し、商品「裁縫箱」「ほうき、ちり取り」「ドアプレート」「せっけん皿」「歯ブラシ立て」及び「ローションボトル」に関しての本件商標の使用事実を主張しようとする。
ここで、各売上伝票から明らかとなる各商品の一個当たりの単価を示すと、次の通りである。
乙第2号証 ソーイングBOX S 約297円
ソーイングBOX SS 約152円
ソーイングBOX 605円
乙第4号証 チリトリホウキセット 約27円
乙第6号証 ドアプレート 約 4円
乙第8号証 ソープディッシュ 約 8円
ハブラシスタンド 約 7円
ローションボトル 約17円
▲2▼ 商品「裁縫箱」について
乙第1号証の写真に示される商品「裁縫箱(ソーイングボックス)」は、目算で約30cm×20cm×20cmの大きさよりなり、特に取っ手・側壁部分に美的デザインが施されており、しかも木材を素材としていることから、一般の消費者の取引感覚に照らせば、比較的高い価格帯に属する商品と思われる。当該写真に撮影された商品が、乙第2号証及び上記に記載した「ソーイングBOX S」「ソーイングBOX SS」「ソーイングBOX」のいずれに対応するのかは明らかでない。しかし、前記のとおりの消費者感覚が妥当とすべき商品にもかかわらず、その単価が約152円から605円という低い価格帯に収まることは不可解である。
たとえば、被請求人が製造業者であり、梱包などを伴わないいわゆる「工場出荷」価格を想定するのであれば、一般消費価格とはある程度異なる商品単価が設定されても不思議ではない。しかし、その商号に「商事」が含まれることから推して被請求人が製造業者であるとは考えにくく、また仮に、「工場出荷」価格としてみても、前記の約152円から605円の単価は、常識的に相当の価格とは言い難い。
確かに、乙第1号証の商品写真には、本件商標の指定商品「日用品」に含まれる商品「裁縫箱」に、本件商標と類似する商標をシールにして貼り付けている事実は認められる。しかし、この乙第1号証に撮影された商品と、乙第2号証の「ソーイングBOX」との一致関係が明らかでない。むしろ、乙第2号証の売上伝票は乙第1号証の「裁縫箱」に比べより低い価格帯に属する他の「裁縫箱」に関する売上伝票と見るのが妥当である。
よって、乙第1号証及び乙第2号証をもって、乙第1号証に撮影された商品が実際に販売されている事実をにわかに認めることはできず、本件商標が「裁縫箱」に使用されている事実は認められない。
▲3▼ 商品「ほうき、ちり取り」について
乙第3号証の写真に示される商品「ほうき、ちり取り」は、それぞれ、竹材、木材を素材とするものと窺われるが、その外観デザインなり部品の接合状況などを観察すると、比較的簡易に製造され得る商品と認められ、その取引価格も必ずしも高くないと見るのが相当と思われる。
しかしながら、たとえ簡易製造の商品であっても、その単価が乙第4号証の売上伝票及び上記に記載したとおり、約27円に過ぎないというのは、現代の取引価格としては、いかにも不自然である。よって、乙第3号証及び同第4号証をもって、乙第3号証の商品が販売されている事実をにわかに認めることはできず、本件商標が商品「ほうき、ちり取り」に使用されている事実は認められない。
▲4▼ 商品「ドアプレート」について
乙第5号証の写真に示される商品「ドアプレート」においては、外観に多少美的デザインが施されているものの、構造上に特別な工夫のあとは認められないことから、一般の消費者の取引感覚に照らしても、必ずしも高価格帯に属する商品とは認められない。
しかしながら、たとえこのような低価格帯商品であっても、その単価が約4円に過ぎないというのは、いかにも不自然である。
▲5▼ 商品「せっけん皿」「歯ブラシ立て」「ローションボトル」について
乙第7号証の写真に示される商品「せっけん皿」「歯ブラシ立て」「ローションボトル」は、いずれも陶製の商品であるように窺われる。各商品の外観には多少の美的デザインが施されているものの、一般に陶製の商品の市場価格は安価であることから、乙第7号証の各商品の取引価格も、一般には必ずしも高くないものと思われる。
しかしながら、たとえこのような安価な商品であっても、その単価が乙第8・9号証の売上伝票及び上記に記載したとおり、約7円に過ぎないというのは、やはり不自然である。
▲6▼ 以上述べたとおり、被請求人が書証をもって提出する各商品写真には、本件商標の指定商品「日用品」に属する商品に、本件商標と類似する商標がシールにして貼り付けられているなどの事実は認められる。しかし、撮影された各々の商品と、その売上伝票との一致関係がいずれも明らかでないことから、各商品が実際に販売されている事実を認めることはできず、結局、本件商標が「日用品」に使用されている事実は明らかでない。
したがって、本件商標は被請求人によって、指定商品「日用品」について使用されている旨の同人の主張は失当であり、弁駁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出した。
(1)請求人は、本件商標がその指定商品中「日用品」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものであると主張している。
しかしながら、本件商標は、商標権者である被請求人によって、指定商品「日用品」について現実に使用に供されているものであり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき理由は全くないものである。
以下、本件商標の使用事実を証明する。
▲1▼ 日用品に属することが明らかな「ソーイングボックス(裁縫箱)」について、被請求人は乙第1号証に示すとおり、平成10年(1998年)1月6日に件外株式会社ファニチャーアクセス宛て販売している。
▲2▼ 被請求人は乙第3号証に示すとおり、清掃用具としての「ほうき、ちり取り」セットについて本件商標を実際に使用している。 当該「ほうき、ちり取り」セットは、売上伝票(乙第4号証)に示すとおり、平成10年(1998年)2月2日に件外有限会社サギースノー ソルト&ペッパー宛て販売している。
▲3▼ 日用品に属することが明らかな「ドアプレート(標札、ネームプレート)」について、被請求人は乙第5号証に示すとおり、本件商標を実際に使用に供している。
当該「ドアプレート(標札、ネームプレート)」は、売上伝票(乙第6号証)に示すとおり、平成10年(1998年)1月6日に件外日本リビング株式会社宛て販売している。
▲4▼ その他、被請求人は、日用品としての「浴そう類」の概念に含まれることが明らかな「ソープディッシュ(せっけん皿)」及び一般的には日用品の概念の中に含まれると思料される「歯ブラシ立て」及び「ローションボトル」等についても、本件商標を本件審判請求の予告登録前に敵式に使用している(乙第7号証ないし乙第9号証)。
以上のとおり、本件商標は被請求人である商標権者自らによって「日用品」について実際に使用されており、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき理由はない。
(2)弁駁に対する答弁(第2)
▲1▼ 請求人は、弁駁書において、被請求人の提出に係る売上伝票(乙第2号証・乙第4号証・乙第6号証・乙第8号証)に関し、商品一個当たりの単価が常識的な価格となっていないから、本件商標が指定商品である「裁縫箱」や「ほうき、ちり取り」等について使用されている事実は認められないと主張している。
しかしながら、請求人の上記主張は、被請求人の提出に係る売上伝票(乙第2号証・乙第4号証・乙第6号証・乙第8号証)を曲解したまでのものであり、何ら合理的理由はない。たとえば、「ソーイングボックス」についての乙第2号証についてみれば、「ソーイングBOX S」の一個当たりの単価は3575円であり、売上数量の2個を掛けて売上伝票上の金額は7150円となり、きわめて常識的な価格帯となっている。
▲2▼弁駁書2頁の一覧表に示された項目のうち、乙第2号証・乙第4号証・乙第6号証・乙第8号証に示された「単価」は商品一個当たりの単価であり、1梱当たりの単価ではない。
以上のとおり、本件商標は、被請求人である商標権者によって「日用品」に属する「裁縫箱、ほうき、ちり取り、ドアプレート、せっけん皿」等について実際に使用されており、商標法第50条第1項の規定により取り消される理由はない。
(1)商標を付した写真と売上伝票との一致性について
▲1▼乙第1号証と乙第2号証について
乙第1号証に示された写真の商品が、乙第2号証の売上伝票に示された品名のいずれのものであるかは定かでない。
▲2▼乙第3号証と乙第4号証について
乙第3号証に示された商品は明らかに「ほうき」と「ちりとり」であって、これは乙第4号証中の「チリトリホウキセット」と一致するものである。
▲3▼乙第5号証と乙第6号証について
乙第5号証に示された商品は、写真中の「My Room」の文字及び鎖状のつり下げ具とおぼしき部分から、乙第6号証の「ドアプレート」と推認できるものである。
▲4▼乙第7号証と乙第8号証及び同第9号証について
乙第7号証に示された商品は、その形状から、乙第8号証における「ハブラシスタンド(歯ブラシ立て),ソープデッシュ(せっけん皿)」と、乙第9号証における「ローションボトル」とそれぞれ認定できるものである。
(2)商標の使用につて
乙第2号証の「売上伝票」の文字の右側に示された点線で囲まれた部分に、本件商標と社会通念上同一と認められる図形部分が「Lucy」「Corporation.」の文字とともに表示されているものであるから、乙第1号証の写真の商品が乙第2号証における売上伝票の商品のいずれかに該当するかに関係なく、品名中「ソーイングBOX」について、被請求人は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内においての使用をしていたものと認めることができる。
さらに、被請求人の提出に係る乙第3号証ないし同第9号証によれば、前記(1)の▲2▼ないし▲4▼において認定したとおり、写真に掲載された商品はいずれも売上伝票に表示された品名のとおりのものと認定できるものであり、また、これら商品には請求人も認めるように本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されているものである。 したがって、本件審判請求の登録前3年以内に被請求人(商標権者)が、日本国内において請求に係る指定商品「日用品」に属するといえる商品について、本件商標と社会通念上同一と認定し得る商標を使用していたことが認められる。
なお、請求人は乙各号証に示された価格は一般の消費者の取引感覚に照らせば、低い価格帯に収まるものであり不可解である旨述べる。
しかしながら、これについては乙各号証に示された単価は商品1個あたりの単価と見られるものであって、この点に関する請求人の主張は採用しがたい。
以上のとおりであるから、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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