sokuhyo

Trademark Appeal Case

e診断の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−375(T2003−375/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「e診断」の文字を標準文字とし、第9類「電気通信機械器具,電子計算機(電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク・光ディスクを含む)その他の電子応用機械器具及びその部品,録音済コンパクトディスク,録画済ビデオテープ・ビデオディスク(磁気ディスク・光ディスク及びCD−ROMを含む),家庭用テレビゲームおもちゃ及び家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた磁気ディスク・光ディスク及びCD−ROM」を指定商品として、平成13年10月5日に登録出願されたものである。

そして、指定商品については、平成14年9月3日付け補正書により、第9類「診断用の電子計算機用プログラム」と補正された。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、電子的な取引に関わる商品の品番・規格等を表示する記号・符号として一般に使用されている欧文字1字の類型である『e』の文字と、『医者が患者を診察し病状を判断する、物事を調べて欠陥がないかなどその状態を判断する』を意味する『診断』の文字とを普通に用いられる方法で一連に『e診断』と書してなるが、指定商品との関係においては、Web上で複数の専門医が診断するネットワーク診断や電子診断システムを内蔵した家電製品・電子計算機が存する事実があるから、これを本願指定商品中、『電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体』に使用しても、需要者・取引者は『電子診断をするための電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体』と理解・把握するに止まるから、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。」との拒絶の理由を示し、出願人の種々述べる意見及び指定商品の補正に対してもなお、「eメール等を利用した耐震性能や財務関連の把握をするネットワーク診断があることから、本願商標をその指定商品中、『電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体』に使用しても、需要者・取引者は『電子診断をするための電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体』と理解・把握するに止まるから、さきの認定を覆すことはできない。また、出願人は意見書で登録例等を挙げ、これら事例によれば、本願商標も自他商品の識別力を有する旨述べているが、いずれも本願商標と構成態様、指定商品を別異にするものであり、その主張を採用することができない。」旨認定・判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張(要旨)

(1)本願商標の「e」は現在では他の既成語と結合されることによって、全体として「電子的な・・・・、ネットワーク・・・・」なる意味合を感得させる語を形成されるものとなり、本願商標は全体として「電子的な診断」なる意味合いを感得させるが、商品の品質を直接表示するものとはなり得ず、間接的に表示するに止まるものである。

(2)本願の指定商品の分野において「e」の文字と指定商品の関係で明らかに自他商品識別力を欠く語とかなる商標(登録第4405567号商標「egame」、登録第4428847号商標「eウィルス ソリューション/eVirus Solution」、登録第4512014号商標「イーマニュアル/eMANUAL」、登録第4511666号商標「e−science」、登録第4511725号商標「e−メンテナンス」、登録第4562214号商標「eProvider」、登録第4551525号商標「eピクチャーソリューション」、登録第4569544号商標「eOption/イーオプション」、登録第4573811号商標「eAnalyzer Series」、登録第4587953号商標「e−行政評価」、登録第4590987号商標「e−学び」、登録第4616974号商標「e−image」)が登録されている。

(3)そうすると、本願商標は、その間接表示性及び特許庁における審査例からしても、商標法第3条第1項第6号に該当しないとされるべきである。

4 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおり、「e診断」の文字を書してなるものであるところ、構成中冒頭の「e」の欧文字は、「電子の。インターネットの。」の意味を有するものとして広く使用されているものであって、本願指定商品の分野を中心に現在では、インターネット等に関連した種々の用語に冠して、「e−commerce」「eコマース」、「e−mail」「E−mail」「Eメール」、「Eキャッシュ」、「e−mail address」「eメールアドレス」、「e−marketplace」「eマーケットプレイス」「e市場」、「e−learning」「eラーニング」、「E−Japan strategy」「Eジャパン構想」のように普通に用いられているところから、「e ○○○○」の標章に接した需要者等は、「e」の文字部分をコンピュータネットワーク、インターネット等に関連したものであろうと認識するといえる。また、「診断」の文字が「医者が患者を診察し病状を判断する、物事を調べて欠陥がないかなどその状態を判断する」を意味するものであって、両文字を結合した本願商標からは、当該商品「診断用の電子計算機用プログラム」の性質上、インターネット等を利用した何らかの診断に関するプログラムと認識する場合も決して少なくなく、自他商品の識別標識として機能するものともいい難いものでもある。

そして、構成全体をもって、上述した「e」の文字と「診断」の文字とを結合したものと把握される以上に、新たな別個の意味合いを表したものと認めるに足る証拠は見出せない。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する需要者等は「コンピュータネットワーク、インターネット等を介し使用する診断用の電子計算機用プログラム」と理解するに止まるものというのが相当であり、これ以上に格別顕著なところはなく、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。

(2)ところで、請求人は、本願商標は商品の品質を直接表示するものとはなり得ず、間接的に表示するに止まるものであると主張しているが、請求人(出願人)に係るものを含め、インターネット等を介し使用する各種診断に関する新聞報道及びインターネット上での各種企業の業務を紹介するホームページ情報により次の状況が窺えるところであり、その主張は採用できない。

(ア)「経済ファイル/静岡」の見出しの下に「・・・富士通インフォソフトテクノロジ(本社・静岡市)は、労働者が社内ネットワーク(イントラネット)を利用して職業性ストレスを簡易診断できるシステム「e診断@心の健康」を開発した・・・」(2001.10.17朝日新聞東京地方版)

(イ)「・・・診断から集計・分析までトータルにサポートした国内発のメンタルヘルス支援システム、それが、e診断@心の健康です。」(http://www.kfn.fujitsu.com/service/stress/stress.html)

(ウ)「[記者が使ってみました]ネットで食生活診断「脂質が過剰」減量を決意」の見出しの下に「・・・インターネットで食生活を「診断」してくれるホームページがあると聞き、早速試した・・・」(2000.11.21読売新聞大阪夕刊)

(エ)「産学官の10団体 IT活用し結核健診迅速化 時間短縮するシステム研究=長野」の見出しの下に「・・・高速通信ネットークを通じて画像データをコンピュータ画面で読み出して診断する。・・・」(2000.10.12読売新聞東京朝刊)

(オ)「エービジョン、ネット利用の各種診断・アンケートシステム開発」の見出しの下に「・・・インターネット・ウェブ上の各種診断/アンケートシステム「SelfDirector(セルフ・ディレクター)」を開発、発売した。企業の経営戦略や財務の診断、社員の性格・適性テスト、顧客のし好分析、各種マーケティングなど幅広い用途に適応する。・・・」(2001.10.29 日刊工業新聞)

(カ)「米コンコード、ネットワーク診断ソフトを発売」の見出しの下に「・・・ネットワーク診断ソフト「ネットワークヘルス」の日本語版を開発、8月末にも出荷を開始すると発表した・・・」(1999.06.18 日刊工業新聞)

(キ)「・・・「e-経営診断」は、企業経営の質を客観的に評価するための指標をご用意しました・・・」(http://www.syncinfo.co.jp/solutions/tqm/ediagnosis/index.asp)

(ク)「・・・我々は ハードウェア設計、 組み込みソフトウェア、CAD/CAE、E-診断やE-製造に深い経験を持っています・・・」(http://www.hcltech.com/japanese/artdisplay.asp?cat_id=81&art_id=305)

(ケ)「・・・米MKS Instruments社と多変量解析とモデリングソフトウェアの米Umetrics社は、半導体製造工程用にAPC(Advanced Process Control)やe-診断の新しいソリューションを共同で開発、MKSが発売した・・・」(http://www.sijapan.com/breaking/0408/30dd_mks040810.html)

(コ)「・・・経営品質:e-診断(ASP型 経営・企業成熟度診断システム)・・・」(http://www.syncinfo.co.jp/companyprofile/works.asp)

(3)また、請求人は、本願の指定商品の分野において「e」の文字と指定商品の関係で明らかに自他商品識別力を欠く語とかなる商標が登録されているから、本願商標も登録されるべきである旨主張している。しかし、これら登録例をもって、本願商標も同様に登録しなければならないとする事情は存しないし、当該商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かは、その商標が使用される取引の実情等により決すべきものであり、本願商標にあっては前記認定のとおり、その指定商品について使用しても、需要者が商品を識別する商標とは認識し得ないというのが相当であるから、この点の主張も採用できない。

(4)結論

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。