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Trademark Appeal Case

ネットで共有の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−10905(T2003−10905/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ネットで共有/電子納品編」の文字を書してなり、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続の代理,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成14年6月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ネットで共有/電子納品編』と書した構成からなるところ、朝日新聞には、例えば、(1)『住基ネット、市町村担当者6割[不安] 朝日新聞社調査』の見出しのもとに『8月5日の改正住民基本台帳法施行に伴い、市町村が国民全員に11けたの番号(住民票コード)を割り振り、住民の基本情報をほかの市町村や国の行政機関と全国ネットで共有する・・・』(2002.7.14)、(2)『雇用の現状は? 企業側と求職側、ミスマッチ目立つ』の見出しのもとに『・・・これまで各大学に提供されていた採用情報を、インターネットで共有できるようになった。同大就職課のパソコンには学生らが連日詰め掛けている。』(2001.11.11)、(3)『ネットワーク(エコタウン本庄:5)』の見出しのもとに『・・・町田さんの名刺の肩書に[本庄映像発掘隊]とある。地域の変ぼうする自然や環境をデジタルカメラで撮ってデータベース化し、インターネットで共有化するという、デジタルアーカイブ(電子書庫)研究会のメンバーなのだ・・・』(2000.12.16)、(4)『世界の酸性雨測定、ネットでデータ共有 東京の[環境クラブ]試み』の見出しのもとに『世界中で酸性雨を測定し、データをインターネットで共有する試みを、東京都の民間組織、環境クラブが始めた。すでにオーストリア、フィンランド、インドなど約二十カ国からデータが集まり始めた・・・』(2000.8.21)、(5)『カルテをネットで共有 病院用システム開発 三菱電機』の見出しのもとに『三菱電機は病院内をネットワークで結び、患者のカルテや診療情報をやり取りできる病院情報システムを開発し、二十三日から発売する。医師がパソコン画面に患者の状態を記した[電子カルテ]を呼び出し、診察したり、患者に病気を説明できるほか、検査の指示や薬の処方もネットワークを通じてできる。今後、病院のほか、老人保健施設などと連携した地域医療ネットワークに広げていく・・・』(1999.8.19)との記事が掲載されていることから、本願商標の出願前から現在に至るまで、例えば、インターネットにより様々な情報が共有されていることが理解できる。また、同新聞には、例えば、(1)『県、電子入札導入へ 07年度目標にHPやメールで』の見出しのもとに『・・・同企画室は、公共工事や消耗品の調達など、県のすべての入札で電子入札を導入したいとしている。工事の費用や時期、進行状況を管理している事業執行管理システムともつなげ、効率化を図りたい考えだ。納品についても設計書や図面など電子データとして送ることが可能なものは、電子納品システムを導入する。国は03年度にすべての入札を電子入札にし、納品についても04年度から導入を始める予定。』(2002.12.10)、(2)『公共事業支援システムの実施計画策定へ 県の推進協議会』の見出しのもとに『・・・CALS/ECは、インターネット上のホームページを使って工事発注などの情報公開や、電子入札、電子納品などを進めるシステム。県は今年度、県と市町村、関係事業者の職員を対象にした講習会を県内4地域で2回ずつ開くという・・・』(2002.6.4)、(3)『県、電子入札導入を検討 業務効率化なども期待』の見出しのもとに『・・・建設省はまた、請負企業との間で公共事業に関する図面や写真を電子データで授受する[電子納品]も導入する方針で、県も電子入札に合わせて検討する。』(2001.1.6)、(4)『電子入札、来年度まず100件 建設省』の見出しのもとに『・・・建設省は二〇〇四年度に直轄事業を原則としてすべて[電子入札]に切り替える方針で、手始めに来年度は百件で実施し、段階的に増やす。電子入札では、入札の参加資格の確認申請から、入札執行と結果の通知、再入札などをネットで行う。また、来年四月からは、請負企業との間で公共事業に関する図面や写真を電子データで授受する[電子納品]も可能にする・・・』(2000.10.24)との記事が掲載されていることから、市場では『電子納品』が実際に行われていることが理解することができる。そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば、『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供』等について使用しても、これに接する取引者、需要者は、『インターネットで共有できる電子納品に関するプログラム』であると容易に把握し、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「ネットで共有/電子納品編」の文字を書してなるところ、その構成中の「ネット」の文字は、近年のIT(Information Technology)社会において、例えば、「ネットオークション(インターネットでの競売)」、「ネットサーフィン(インターネットの中で泳ぎ回って情報を得ること)」、「ネットバンキング(顧客がインターネットを通じて金融機関のシステムにアクセスし、各種金融サービスの提供を受けること)」のように用いられており(「朝日現代用語 知恵蔵2004」(発行所:朝日新聞社)、「現代用語の基礎知識2004」(発行所:株式会社自由国民社)等)、今やインターネット等の情報ネットワークを利用する行為を表す際の語として一般に広く使用されているのが実情である。

また、同じく、「共有」の文字は、「二人以上が一つの物を共同して所有すること」等の意味を有する語(「広辞苑 第五版」(発行所:株式会社岩波書店))として、一般に広く知られているものである。

さらに、同じく、「電子納品編」の文字は、「電子的手段による納品に関する内容をとりまとめたもの」であることを容易に理解させるものである。

してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成文字全体から「インターネット等の情報ネットワークを利用して二人以上が電子的手段による納品に関する内容をとりまとめた一つの物を共同して所有すること」ほどの意味合いを容易に看取、認識するとみるのが相当である。

そして、本願商標の構成中の「ネットで共有」及び「電子納品」の各文字は、例えば、平成12年(2000年)10月24日付け日刊工業新聞(27頁)には、「建設省、建設CALS/ECで推進本部を設置。来年度から電子入札など実施へ」の見出しの下、「建設省は、公共事業における電子調達・入札など情報の電子化および共有化を軸とする『建設CALS/EC』実施のため、事務次官を本部長とする推進本部を設置した。(中略)同省では『建設CALS/EC推進本部』を中心に、01年度から直轄事業での電子入札および成果品の電子納品を実施する。(後略)」との記載があること、同13年4月27日付け日刊工業新聞(39頁)には、「中電技術コンサル、建設CALS/EC支援事業開始−自治体など対象」の見出しの下、「(前略)すでに社内に建設CALS/ECセンター(向井勉センター長)を設置した。当面スタッフ5人で自治体独自の要領・基準の作成や計画立案などを支援する。ゼネコンやコンサルタント向けに自社開発した建設CALS/EC対応の電子納品作成パックの販売も始める。(中略)建設CALS/ECは事業の発注、入札から納品までのサイクルで発生する文書、図面などの情報を電子化する。同時に、インターネットを活用して複数の事業に関連するデータベースをリンク、情報を共有化、公開する取り組み。コストの削減、品質の向上、事業の透明性確保などの効果が期待できるとされている。」との記載があること、同年8月17日付け日経産業新聞(11頁)には、「キック、システム開発、CAD図面などの情報、出先で閲覧可能」の見出しの下、「【高知】ソフト開発会社のキック(高知市、西垣重臣社長)はインターネット経由でCAD(コンピューターを使った設計)図面や積算、入札、施工などの情報を共有するシステムを開発した。(中略)新システムはネット接続できる環境であれば異なるCADソフトを使っていても建設現場や取引先などで図面を閲覧できる。国土交通省の電子納品要領に従った電子保管や納品ができる。(後略)」との記載があること、同14年(2002年)6月28日付け建設通信新聞には、「地方自治体のCALS/EC導入をトータルサポート/トインクス」の見出しの下、「(前略)トインクスが提供するCALS/EC導入支援サービスは、こうした負担軽減と導入後の経費縮減を狙いとするもので、とくに調査、設計段階から施工段階における受発注者間の情報共有と、その成果品の電子納品に関して、CSLA/ECの実証実験環境および本運用環境をASP方式で提供。(後略)」との記載があること、同年9月6日付け日刊建設工業新聞(12頁)には、「大阪府/電子納品システム・情報共有開発一般競争入札/三菱電機に」の見出しの下、「大阪府は4日、公共事業の発注にかかる電子納品システムおよび情報共有開発業務について、総合評価方式による一般競争入札を実施、三菱電機関西支社を落札者に決めた。建設CALS/ECの構築を目的としたシステムを開発するもので、委託者の選定にあたっては技術点と価格点の合計点で競われ、734点を獲得した同社に決定した。(後略)」との記載があること及び、同17年4月5日付け建設通信新聞には、「現場DEネット最新版を発売/ビーイング」の見出しの下、「(前略)具体的には、工事施工時の書類のやり取りから完成図書の電子納品に至る業務プロセスを円滑にする環境が整う。情報共有機能により資料の提出などの回数が減り、業務の効率化も進む。(後略)」との記載があることに照らせば、建設分野における電子納品に関する情報について、前記意味合いに相応する語として、一般に広く用いられていることが認められる。

そうとすると、本願商標は、その構成文字全体をもって「インターネット等の情報ネットワークを利用して二人以上が電子的手段による納品に関する内容をとりまとめた一つの物、特に情報を共同して所有すること」の意味合いを容易に看取、認識させるものであり、これをその指定商品及び指定役務中、例えば、「電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラムの提供」について使用するときは、取引者、需要者は、その商品又は役務の利用目的を表したものと理解するに止まるものであって、自他商品又は自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例はいずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、同一に論ずることができないものであるから、該請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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