結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31394(T2003−31394/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2697619号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり図案化した「VIVATON」の文字を横書きしてなり、昭和61年12月19日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として平成6年10月31日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定商品中、「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電器,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電気かみそり及び電気バリカン,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,家庭用電気マッサージ器,家庭用電熱用品類,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),電気式歯ブラシ,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電機ブラシ,磁心,抵抗線,電極,電気絶縁材料」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1及び第2号証を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、上記商品について、継続して3年以上日本国内において、少なくとも請求人の知る限りにおいて、商標権者・専用使用権者・通常使用権者のいずれによっても使用されていないため、それらの指定商品について取り消しを免れないものである。
(2)弁駁の理由
被請求人の提出に係る乙第3号証の1及び2のカタログの記載内容について検討すると、このカタログに紹介されている製品である波動空気圧治療器の名称として、本件商標が使用されている。
また、乙第3号証の1のカタログに記載の「VIVATON」製品は、マット形状若しくはベルト形状をしたカフと呼ばれる部材にエアバックを組み込んで構成されるものであって、このカフを背部や腕部、脚部等に装着し、空気の圧力によって患部にマッサージ効果を与えるものであるとの商品説明がされている。さらに乙第3号証の2のカタログに記載の「VIVATON」製品は、敷布団にエアバックを組み込んで構成されるものであり、空気の圧力によって背部及び腰部にマッサージ効果を与えるものであるとの商品説明がされている。
そして、乙第3号証の1のカタログ第4頁及び乙第3号証の2のカタログ第4頁には、それぞれ「医療用具番号56B−第603号」及び「医療用承認No./03B−0800号」との記載があり、当該製品が医療用具として厚生労働省より許可を得たものであることが示されている。
そして、乙第4号証の1及び2には納品先としてそれぞれ蓮華寺接骨院様、加藤接骨院様と記載されていることから、被請求人は「VIVATON」製品を医療機関に対して販売している。
このようなマッサージ効果を奏する医療用具は、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準」によれば、第10類「医療用機械器具(類似群10D01)」中の「治療用機械器具」に分類されている。また、第10類には「家庭用電気マッサージ器(類似群11A06)」が分類されているが、被請求人の販売している「VIVATON」製品は、これらカタログの記載によれば、「医療用」として使用されるものである。
したがって、被請求人の「VIVATON」商標の使用は、「家庭用電気マッサージ器(類似群11A06)」についての使用に該当しない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)被請求人(権利者)所有の本件商標は、権利者である株式会社白寿生科学研究所(以下「白寿」という。)が全額出資する株式会社ベステック(以下「ベステック」という。)にその使用を許諾し、通常使用権者として現在、使用中の商標である。
すなわち、乙第1号証はベステックの履歴事項全部証明書であり、白寿の代表取締役である原昭邦は、同じくベステックの代表取締役であり、乙第2号証の東京商工リサーチ企業情報の資料に示すように、ベステックは、白寿の100%の出資の会社である。
さらにこの経緯は、白寿において、エアー機器事業部が発足し、(昭和56年7月)エアーマッサージ器「ビバトン」を発売し、このエアー機器事業部がべステックとして独立したものである。
このようにベステックは白寿の事業の一部を継承し、それに伴い、本件商標の権利者である白寿は、その傘下の企業であるベステックに、本件商標の使用を許諾しているものである。以下にその使用の事実について述べる。
(2)本件商標に係るベステックの商品カタログを示す(乙第3号証の1及び2)。
これらはベステックが製造元とするエアーマッサージ器(波動空気圧治療器)VIVATON・ビバトンのカタログであり、指定商品とする電気機械器具の民生用電気機械器具に属する商品である。
乙第3号証の1は、その第1面、第3面、第4面上段に、本件商標と同じデザインの字体で「VIVATON」と表示されており、ビバトンの呼称が併記されている。
乙第3号証の2は、その第1面上段に「VIVATON」の表示がなされ、波動空気圧治療器・ビバトンの名称として使用してある。第2面(第1面の裏面)、第4面(第3面の裏面)にも同様に、その呼称である「ビバトン」の表示が使用されている。
これらのカタログはいずれも販売に当たり使用されたものである。
(3)上記商品「VIVATON」の販売について
品名「VIVATON」の売上伝票(乙第4号証の1ないし5)を提示する。
これらの売上伝票(納品書(控))は、いずれもベステックが、本件商標「VIVATON」の呼称の「ビバトン」で、顧客に平成14年度において販売した事実を示す資料である。
具体的には、例えば乙第4号証の1は、平成14年9月30日付の書類であって、品名欄に「ビバトン」の表示があり、数量、単価、金額などが記載され、摘要欄に納入先(販売先・顧客)として、吉田忠司様 蓮華寺接骨院様分と記載されているものである。このような販売取引において、「VIVATON」の商標が使用されていることは明らかである。また、乙第4号証の2は、同様に平成14年9月30日付の書類であって、品名欄に「ビバトン」の表示があり、数量、単価、金額などが記載され、摘要欄に納入先(販売先・顧客)として、吉田忠司様 加藤接骨院様分と記載されているものである。このような販売取引において、「VIVATON」の商標が使用されていることは明らかである。
以下、乙第4号証の3ないし5の資料においても同様である。
(4)「VIVATON」の販売後の使用について
「VIVATON」の修理伝票(乙第5号証の1ないし8)を提示する。
これらの修理伝票は、いずれもベステックが、本件商標の「VIVATON」を販売後、平成14年度及び平成15年度において修理した事実を示す資料である。
具体的には、例えば乙第5号証の3は、修理受付月日が平成15年1月9日付で、修理完了日が同月17日付の書類であって、製品名欄に同一呼称の「ビバトン」の表示があり、故障状況、修理箇所、修理明細などが記載され、顧客として、お客様欄に高橋李加子様 電話番号、住所などが記載されているものであり、担当者印が押印されている。
また、例えば乙第5号証の4は、修理受付月日は平成15年1月30日付で、修理完了日が同年3月14日付の書類であって、製品名欄に「ビバトン」の表示があり、故障状況、修理箇所、修理明細などが記載され、顧客として、お客様欄に鈴木稔様 電話番号、住所などが記載されているものであり、担当者印が押印されている。
以下、乙第5号証の1、2及び5ないし8の資料においても同様である。
このように該当商品の販売後のアフターサービスにおいて、「VIVATON」の呼称である「ビバトン」がその商標として使用されていることが明らかである。
ここにおいて、前掲のこれら乙第3ないし5号証に示すように、本件商標は、その指定商品について使用されていることは明らかであり、その事実があることを立証するものである。
(5)使用に関する説明の追加
乙第3号証の2として提出したカタログは、大量に印刷し長期にわたり使用している。そこに記載の型式「NH−0843」と納品書(控)記載の品番・品名「ビバトン(MODEL553)」の関係は、該商品は発売と当初より、少しづつマイナーチェンジ(仕様変更)を行っており、ブランド名(ビバトン)は同一だがモデル番号は変わっており、納品書(控)はそれに伴う表示となっている。
参考資料1.はこのような仕様変更に当たり、ベステックが平成13年5月8日付で、埼玉県知事に提出した医療用具製造品目変更許可申請書と、同13年6月4日付の許可書であり、ビバトンの名称が記載されている。この種の医療用具の製造、仕様変更には公的な許可を必要としている。必要であれば原本を提示する。
つぎに、このカタログ表示の価格¥238,000は標準小売価格であり、納品書(控)記載の価格は卸売価格である。ベステックは卸売りとして営業している。すなわちカタログ記載のように製造元であり、総発売元として三菱商事株式会社があり、さらに発売元として株式会社日本ホームクリエイトがある。それぞれの流通段階を経て販売されるもので、末端価格としてカタログ表示を標準小売価格として¥238,000を掲記してある。
そして、乙第4号証の1における摘要として記載してある吉田忠治様は、ベステックの直代理店であり、同氏扱いで、連華寺接骨院に販売した商品の例である。
この納品書(控)において、B型諸口御中とあるのは、ベステックが社内で使用する記入分類としているところの得意先の売り上げ計上口座分類であり、この売り上げ計上分類は、月商200万円以下の小口の取引を諸口として、一括して売上帳簿管理を行っているものである。
ここで前記三菱商事株式会社などの大口扱いは、その会社名を口座名としてとして記入して売上伝票としているが、小口扱いは口座管理上、諸口扱いとして一括管理をしている、前述の吉田様は小口扱いの代理店の一つとして、このようにして一括諸口扱いの中に入れており、そしてこの納品書(控)に記載の金額¥76,191は同人への卸渡し価格であり、同人から連華寺接骨院への売り上げ金額は、それより高額に決定しているものである。
(6)弁駁に対する答弁
請求人は弁駁書の第3頁において、製品が厚生労働省より許可を得たものであり、医療機関に販売したものであって、医療用として販売したものであり、家庭用電気マッサージ器の使用に該当しないと述べているが、乙第3号証に1,2の製品は、そのカタログ内容に示すように、女性モデルを用いてわかり易く、かつ、親しみ易く、広く一般家庭用に販売するものとして作成されたものである。このことは乙第3号証の2の最終面において“(使用上のご注意)”として、治療者が必要に応じ医師に相談するように記載していることからも一層明らかである。もし専門の医療機関向けの場合は、このような体裁ではなく、もっと専門的なデータとか、専門的な治療上の使用事項などが記載されて作成されるものである。
そしてこのような製品は、その効果の適正を実証されて販売するには、政府あるいは自治体の許認可を得、公認されることが必要であり、それに従って許認可を得ているものであり、それは製品の品質、効果の実効性を保証するには欠かせない。このようにしてこの製品は広く一般家庭用として販売しているものであり、また同時に一部の医療機関にも販売されている。
このように本製品は主対象として一般家庭用のエアマッサージ器である。
(1)被請求人の提出に係る各乙号証によれば以下の事実が認められる。
(ア)乙第3号証の1は本件商標の使用に係る商品カタログと認められるところ、同商品カタログには、その表紙に本件商標と社会通念上同一といい得る「VIVATON」の文字が大きく表示され、その右下に小さく「MODEL−AM99」の文字が付されている。さらに表紙には「これからは、エアーマッサージの時代!!」の文字と共に当該商品の写真等が掲載されている。2頁以下には、写真や図形を用いて商品の使用方法、効果等が説明されている。最後の頁には、説明文等の他に、商品の仕様が明示されると共に、「製品改良等に伴い定格は一部変更することがあります。(医療用具番号56B−第603号▽第91−21784号)」の語句が記載されている。
(イ)乙3号証の2も本件商標の使用に係る商品カタログと認められるところ、同商品カタログには、その表紙に本件商標と社会通念上同一といい得る「VIVATON」の文字が大きく表示され、その上に小さく「波動空気圧治療器・ビバトン」の文字が付されている。さらに表紙には「これからは、寝ながら空気の力でマッサージ。」の文字と共に当該商品の写真等が掲載されている。上記(ア)と同様に、2頁以下には、写真や図形を用いて商品の使用方法、効果等が説明されている。最後の頁には、説明文等の他に、商品の仕様(「型式」として「NH−0843」と記載されている。)が明示されると共に、その下部に小さく「医療用承認NO./03B−0800号▽第91−42783)」の文字が記載され、さらに「ビバトン標準小売価格¥238,000(税別)」及び「別売ビューティセット¥238,000(税別)」の表示がされている。
以下、乙第3号証の1及び2の商品カタログに掲載された商品をまとめて「本件使用商品」という。
(ウ)乙第4号証の1ないし5は、ベステックによる「納品書(控)(控)」の写しと認められるところ、同号証の1、2及び4には、その品番・品名欄に「ビバトン(MODEL 553)」と、単価欄及び金額欄に「76,191」とそれぞれ記載され、欄外に「摘要:吉田忠司様 蓮華寺接骨院様分」、「摘要:吉田忠司様 加藤接骨院様」又は「吉田忠司様」の記載がある。また、同号証の3及び5には、その品番・品名欄に「ビバトン(MODEL 553):デモ用」と、金額欄に「0」とそれぞれ記載され、欄外に「摘要:吉田忠司様 腕カフ・4極Sホース除く」又は「摘要:9/30デモ機 吉田忠司様」の記載がある。
(エ)乙第5号証の1ないし8はベステックの修理伝票の写しと認められるところ、該伝票には、顧客の氏名・住所、受付日、製品名、故障状況、修理箇所等が記載されている。
(2)以上の事実によれば、本件使用商品は、請求人が主張するように厚生労働省より許可を得たものであったとしても、医院又は病院で専ら使用されるものとはいい得ないし、医師等の指導の下に使用されるものともいえない。むしろ、上記カタログ中に記載された「腕部カフで、腕、美しく!」、「家事の後の腕の疲れなどに、とても効果的です。」、「簡単にご使用できる、シンプルな操作性です。」、「簡単な操作でマッサージ速度を調整。呼吸速度に合わせて、快眠促進。」、「スポーツやお仕事の後で体がだるいなと感じたら。肩のコリや首筋のハリが気になるとき。....気分もスッキリします。」等の語句からすれば、家庭で一般に使用される機器といえる。
もとより、厚生労働省の許可を得た商品であっても、医院や病院のみでなく、専ら家庭で使用される商品も多数存在していることは顕著な事実である。
この点に関し、請求人は、本件使用商品が厚生労働省の許可を得たものであること及びその納入先として接骨院が記載されていることをもって、本件使用商品は第10類「医療用機械器具」中の「治療機械器具」であって、「家庭用電気マッサージ器」の範疇に属するものではない旨主張している。
しかしながら、上記の理由により、本件使用商品は「家庭用電気マッサージ器」の範疇に属さないとまで断定できるものではなく、また、後述のように、乙第4号証の1ないし5の納品書(控)に記載された商品と本件使用商品とは同一の商品とはいえないし、接骨院に納品された商品が数例あることのみをもって、該商品が専ら医院や病院で使用されるものということもできないから、請求人の主張は採用することができない。
そうすると、本件使用商品は、「治療機械器具」であるか否かはさておき、本件商標の指定商品中の「電気マッサージ器」の範疇に属する商品とみて差し支えないというべきである。
(3)つぎに、本件商標が本件使用商品について使用されていたかどうかについて検討するに、乙第3号証の1及び2の商品カタログには、本件商標と社会通念上同一といい得る商標が表示されており、該商品カタログが具体的にいつ発行され頒布されたものかは特定できないが、このようなカタログの場合は、被請求人主張のように一定部数大量に印刷し、その後何年にもわたって使用することがしばしば見受けられ、被請求人は、該商品カタログは本件使用商品の販売に当たり使用されたものであるとし、納品書(控)(控)の写しを提出しており、これが本件審判の請求の登録前3年以内の使用ではないとの反証もなく、この点に関する被請求人の主張を否定し得ない。
そして、該商品カタログには本件使用商品の型式として「MODEL−AM99」又は「NH−0843」と明記されているほか、「標準小売価格¥238,000」の表示がされていて、納品書(控)(控)の品番・品名欄に記載された型式は「ビバトン(MODEL 553)」とされ、単価ないし金額は「76,191」又は「0」と記載されていることからすると、該商品カタログに掲載された本件使用商品と納品書(控)(控)に記載された商品とは取引段階における商品の価格等に違いはあるが、被請求人主張の如く、それぞれの流通段階を経て販売されるもので、末端価格としてカタログ表示を標準小売価格としているものであるとみて差し支えないものである。
そうすると、納品書(控)(控)の日付からベステックが平成14年9月30日及び同年11月1日に請求に係る指定商品中の「電気マッサージ器」を販売したことが推認され、これらの日付から明らかなとおり、本件審判請求の登録前3年以内の使用であると認め得る。
(4)以上のとおり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、通常使用権者により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品中の「家庭用電気マッサージ器」について使用されていたものと認められるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求に係る指定商品についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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