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Trademark Appeal Case

周知商標の冒用と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90845(T2003−90845/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4712577号商標の指定商品及び指定役務中「第5類 全指定商品」及び「第44類 全指定役務」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4712577号商標(以下「本件商標」という。)は、「ニコパッチ」の文字を標準文字で表してなり、平成15年2月12日に登録出願、第5類「薬剤」、第16類「印刷物」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」及び第44類「喫煙の制御及び禁煙に関する相談及び助言」を指定商品及び指定役務として、同15年9月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するから、指定商品及び指定役務中の「第5類 全指定商品」及び「第44類 全指定役務」について、その登録は取り消されるべきである。

3 当審において通知した取消理由

登録異議申立人 ピエール ファーブル メディカモン(以下「申立人」という。)の提出に係る甲号各証によれば、申立人は、フランス国内において、1992年4月頃から、別掲のとおりの構成よりなる商標(以下「引用商標」という。)を付した禁煙補助剤の製造販売を始めたところ、該商品の品質の良さ及びネーミングの良さから、販売当初より医者及び消費者の支持を受け、1994年のフランス国内での禁煙パッチ(禁煙補助剤)の販売に占めるシェアーは60%になっており、その後も、1999年は54%、2000年は47%であり、禁煙パッチ(禁煙補助剤)市場でのシェアーの第1位を確保している。また、申立人は、テレビCMや紙上での広告により、「NICOPATCH」商品の宣伝・広告にも努め、2000年には、「NICOPATCH」に関するホームページも開設し、一般消費者への紹介にも努めており、「NICOPATCH」商品は、その品質の良さ及び適切な広告活動により、1994年にフランスのメデック賞(フランス薬剤師連合が1979年に創設したテレビスポットCMに与えられる賞)を受賞している事実を認めることができる。

以上の事実を総合してみれば、申立人が禁煙補助剤に使用している引用商標は、本件商標の出願時においては既に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、少なくともフランス国内における取引者・需要者の間において広く認識されていたものということができる。

しかして、本件商標は、前記したとおり、「ニコパッチ」の片仮名文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「ニコパッチ」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、別掲のとおり、「NICOPATCH(Oの文字には、これを貫くように三角形状の図形が配されている)」の構成からなるところ、欧文字部分も、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから、該欧文字に相応して「ニコパッチ」の称呼を生ずるものと認められる。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「ニコパッチ」の称呼を同じくする類似の商標であり、しかも、引用商標は、誰もが容易に商標として採択し得る成語よりなるものとも認められない。また、本件商標の指定商品・指定役務中の第5類「薬剤」及び第44類「禁煙の制御及び禁煙に関する相談及び助言」と申立人の業務に係る禁煙パッチ(禁煙補助剤)とは密接な関連性を有するものということができる。

ところで、甲第18号証によれば、本件商標権者の関連会社と認められるスミスクライン・ビーチャム社は、フランス国内において、「Niquitin」の商標を付した禁煙補助剤を販売していることが認められる。このことからすれば、商標権者は、フランス国内で、申立人の業務に係る「NICOPATCH」商品が広く知られていることを十分承知していたものと容易に推認し得るものである。

そうとすれば、商標権者による本件商標の採択が偶然に引用商標と一致したものとは俄に認め難く、商標権者は、本件商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、フランスにおける需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であることを承知のうえ、当該商標が未だ我が国において登録されていないことを奇貨として、引用商標に化体されている信用、名声を利用する等の意図をもって、先取り的に出願し、登録を受けたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の指定商品・指定役務中、登録異議の申立てに係る第5類「薬剤」及び第44類「喫煙の制御及び禁煙に関する相談及び助言」についての登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものである。

4 当審の判断

平成16年10月5日付で上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

そして、この取消理由は妥当なものと認められるから、本件商標の登録は、この理由により、登録異議の申立てに係る指定商品・指定役務について、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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