Trademark Appeal Case
称呼類似性と一体不可分
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90435(T2004−90435/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4762140号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり、「jTunes」の文字と「ジェイチューンズ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成15年5月28日に登録出願、第9類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年4月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、下記(3)の引用A商標及び引用B商標とは外観及び称呼において類似するものであり、また、本件商標の指定商品は、引用A商標及び引用B商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名商標「iTunes」を模倣したものであり、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は、申立人の著名商標「iTunes」の名声にただ乗りし、不正な目的で使用されるものであるから、同法第4条第1項第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
(a)登録第4570713号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成12年10月20日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年5月24日に設定登録されたものである。
(b)登録第4610312号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ITUNES」の文字を標準文字で表してなり、平成13年4月24日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年10月4日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成文字全体は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「ジェイチューンズ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し把握されると見るのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ジェイチューンズ」の称呼のみを生ずるものであるから、本件商標より「チューンズ」の称呼をも生ずるとし、その上で本件商標と引用A商標及び引用B商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は、認めることはできない。
また、本件商標と引用A商標は、前記及び別掲のとおりの構成よりなるところ、本件商標を構成する文字中の欧文字部分「jTunes」の文字と引用A商標を構成する「iTUNE」の文字とは、第1番目の文字において「j」と「i」の文字の差異と、語尾において「s」の文字の有無の差異を有するものであり、さらに、前者が欧文字と片仮名文字からなるのに対して、後者が欧文字のみで構成されているという相違を有するものでから、本件商標と引用A商標とは、通常の注意力をもってすれば、その差異は明らかに認識し得るもので見誤るそれはない。
そして、本件商標と引用B商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、本件商標を構成する文字中の欧文字部分「jTunes」の文字と引用B商標を構成する「ITUNES」の文字とは、第1番目の文字において「j」と「I」の文字の差異と、前者が大文字と小文字からなるのに対して、後者がすべて大文字で構成されているという相違を有するものであり、また、前者が欧文字と片仮名文字からなるのに対して、後者が欧文字のみで構成されているという相違を有するものであるから、本件商標と引用B商標とは、通常の注意力をもってすれば、その差異は明らかに認識し得るものであって、見誤るおそれはない。
そうすると、本件商標と引用A商標及び引用B商標とは、外観において容易に区別し得るものである。
その他、本件商標と引用A商標及び引用B商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見いだせない。
してみれば、本件商標と引用A商標及び引用B商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、引用A商標及び引用B商標とは類似しないものであって、商標「iTunes」についても同様に判断し得るものであり、他に混同を生ずるとすべき特段の理由も見いだせない。
また、申立人の提出に係る証拠を検討したが、商標「iTunes」が本件商標の登録出願時に我が国において、申立人の業務に係る商品「音楽管理・編集用ソフトウェア」等の商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものとするに十分な証拠とは認められない。
そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商標「iTunes」を連想又は想起させるものとは認められず、その商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記のとおり、商標「iTunes」とは類似しないものであり、また、商標「iTunes」が広く認識されていたものとは認められないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものとはいい得ない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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