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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90401(T2004−90401/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4759592号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4759592号商標(以下「本件商標」という。)は、「SmartBIOLite」の欧文字を横書きしてなり、平成15年7月29日に登録出願され、第9類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務(別掲(1)に記載)を指定商品及び指定役務として、平成16年3月2日登録査定、同年3月26日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法4条1項11号及び同法15号に違反してされたものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第69号証を提出した。

1 本件商標は商標法4条1項11号に該当する

本件商標は、平成15年5月1日に登録出願、「バイオライト」の片仮名文字を上段に、「BIOLITE」の欧文字を下段に、それぞれ横書きしてなり、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(別掲(2)に記載)を指定商品として平成16年3月12日に設定登録された登録第4756172号商標及び昭和61年11月25日に登録出願、「BIOLITE」の欧文字を横書きしてなり、第11類(昭和35年3月8日昭和35年政令第19号をもって改正された商標法施行令第1条に基づく商品の区分のもの。)に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(別掲(3)に記載)を指定商品として平成5年12月24日に設定登録された登録2607308号商標(以下、両引用登録商標を「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法4条1項11号に該当する。

2 本件商標は商標法4条1項15号に該当する

「バイオライト」の称呼観念を有する「BIOLITE」及び「バイオライト」等は、申立人と同じ林原グループに属する株式会社エイチプラスビィ・ライフサイエンスと、照明及びインテリア関連分野のエキスパートであるヤマギワ株式会社が販売する商品の商品名として広く一般に知られており、これと類似する本件商標が、その指定商品及び指定役務に使用された場合、申立人もしくはそのグループ会社ないしはヤマギワ株式会社の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法4条1項15号に該当する。

第3 本件商標に対する取消理由の要旨

当合議体は、平成17年2月28日付けで、商標権者に対して、本件商標の登録を取り消すべき旨の通知をした。その理由は要旨次のとおりである。1 本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、その構成に照らし、前半の「Smart」の文字部分と後半の「BIOLite」の文字部分とに視覚上分離して看取されるばかりでなく、「Smart」の文字は、「気のきいた、こぎれいいな、スマートな、流行の」等の意味を有する英語であり、「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま」を表す語として日本語同様に親しまれており、商品の品質、形状等がすぐれていることを表示するためにしばしば用いられるものであって、自他商品の識別力がないか極めて弱いものである。そうすると、本件商標は、その構成中の「BIOLite」の文字部分自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、これより単に「バイオライト」の称呼をも生ずるというのが相当である。

他方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「バイオライト」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「バイオライト」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。

また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。

2 したがって、本件商標は、その指定商品については、商標法4条1項11号の規定に違反して登録されたものである。

第4 商標権者の意見の要旨

上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨以下のように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第12号証(枝番を含む)を提出した。

1 取消理由は、本件商標が商標法4条1項11号の違反を理由とするものであるから、引用商標は著名ではない点が認定されたものである。

2 本件商標は、件外の2件の登録商標「SmartBIO」の関連商標であって、件外の登録商標は、平成14年より、「認証システム及びその機器」に、「SmartBIO(スマートバイオ)」として使用し続けており(乙第6号証ないし同第10号証及び同第15号証)、「Smart」と「BIO」とに分離して使用しているものではない。本件商標は、件外登録商標の軽量版という意味で採択されたものである。

3 本件商標は、「SmartBIO」と「Lite」とをスペースを介在させて横書きしたものであり、「スマートバイオ」の称呼が生ずるものである。

一方、引用商標は、「バイオライト」の文字と「BIOLITE」の文字とを二段併記し、「バイオライト」の称呼が生ずるものである。

しかしながら、取消理由通知では、「本件商標と引用商標とは、『バイオライト』の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。」としている。

申立人は、「Lite」の語について、「リーダーズ英和辞典(初版)」にその項目がないとしているが、その第二版によれば、「Lite」は、「カロリー[アルコール分・ニコチンなど]の少ない(lite)」とされている(乙第11号証)。

4 取消理由に記載されているような、「『Smart』の文字は、『気のきいた、こぎれいいな、スマートな、流行の』等の意味を有する英語であり、『からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま』を表す語として日本語同様に親しまれており、商品の品質、形状等がすぐれていることを表示するためにしばしば用いられるものであって、・・・」という客観的事実は存しない。

第5 当審の判断

1 商標法4条1項11号について

本件商標の構成は、前記したとおり、「SmartBIOLite」の欧文字を横書きしてなるところ、構成中の「Smart」の語について、申立人は、次のように主張している。

すなわち、この語は、英語が普及している昨今、一般需要者が「スマートな○○」との観念を直感するほど日本語化した外来語となっている。「コンサイスカタカナ語辞典」(甲第13号証)には、「洗練されているさま、あかぬけているさま、体つきがほっそりとして、かっこうのよいさま・・・」などの意味合いがあると記載されている。審決例(甲第14号証)にも、品質形状等の優秀なることを表示するとの認定例がある。

そこで、この点についてみるに、該語は、「刺すような、活発な、頭のよい」などの意味を有する英語であって、その片仮名表示である外来語「スマート」の語は、甲第13号証の記載のほか、広辞苑にも「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。身なりや動作などが洗練されて粋なさま。颯爽。」との記載があることが認められるところである。

しかして、この「Smart」の語について、採択語が多く、詳細な説明がされている一部の英語の辞書(例えば「小学館ランダムハウス英和大辞典」)によれば、これが、「コンピュータが組み込まれた、ハイテクの」などの意味を有する語であることが認められるものの、「JIS工業用語大辞典(日本規格協会)」、「マグローヒル エンジニアリング用語辞典(日刊工業新聞社)」、「日経パソコン用語辞典2004(日経BP社)」などの、本件商標の指定商品及び指定役務に関係のある辞書類には「Smart」の語は掲載されておらず、この語が、指定商品や指定役務の品質や質に関わりのあるものと推認し得る記載も見いだすことができない。

さらに、職権をもって調査したところ、電子応用機械器具をはじめとする、本件指定商品を取り扱う業界や、これらの機器を利用した役務を提供する分野において、この「Smart(スマート)」の語が、指定商品の品質(機能)等を具体的に表示するものとして取引上、一般に使用されている事実も発見することができなかった。

そうとすれば、本件商標構成中の「Smart」の語は、商品の品質、役務の質などを表示する語ということはできないものであって、むしろ、本件商標は、全体として特定の意味合いを理解させない、一種の造語よりなる商標とみるのが相当である。

そして、本件商標から生ずる「スマートバイオライト」の称呼は、多少冗長ではあるものの、これをあえて分断して称呼しなければならない程冗長にわたるとはいえないものである。

また、ほかに、本件商標から「バイオライト」の称呼が生ずるとすべき特別な理由も発見できない。

むしろ、本件商標に対して当審が発した「取消理由通知」に対する商標権者からの意見書に添付された乙号証に徴すれば、商標権者は、コンピュータセキュリティに関する認証システム等に「SmartBIO」の商標(登録第4629772号商標及び登録第4617387号商標として登録されている。)を使用している事実が認められ、これらがある程度の周知性を獲得しているということができ、また、同乙号証によれば、商標権者は「Smartシリーズ」として「SmartBIO Lite」との商標を使用している事実も認められることからすれば、本件商標は件外「SmartBIO」の商標に関連する商標として登録出願されたものと、推認できるものである。

以上の事実、取引の実情を総合して検討すれば、本件商標からは、申立人が主張する「バイオライト」の称呼が生ずるとすることはできないというのが相当である。

してみれば、本件商標から「バイオライト」の称呼をも生ずるとして、本件商標が商標法4条1項11号に違反して登録されたとの申立人の主張は理由がないといわざるを得ないものである。

2 商標法4条1項15号について

申立人提出の甲各号証によれば、引用商標(「bio−lite」、「バイオライト」など他の構成よりなるものも含む。)は、商品「照明機械器具」の商標として、昭和62年から現在まで使用されて、一定程度の周知性を得ているということができるものであるが、本件商標の指定商品中には、当該の「照明機械器具」が含まれてはおらず、また前記1で認定、判断したように、本件商標と引用商標とは類似する商標とはいえないことから、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、取引者・需要者が、直ちに引用商標を想起・連想するとはいえず、これを申立人あるいは申立人と業務上何らかの関係のある者の取り扱いに係る商品ないし役務であるかのごとく、その出所についての混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は商標法4条1項15号に違反して登録されたとすることはできない。

してみれば、本件商標の登録は、商標法4条1項11号及び同15号に違反してされたものではないから、同法43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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