Trademark Appeal Case
称呼・観念の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90381(T2004−90381/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4759366号商標(以下「本件商標」という。)は、「HITORI」の欧文字を横書きしてなり、平成15年8月6日に登録出願、第14類、第18類、第24類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年3月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由(要旨)
(1)登録第4282348号商標(以下「引用商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成10年3月20日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年6月11日に設定登録されたものであるところ、これと本件商標は、称呼上類似する商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
(2)また、引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品「服装品」の商標として、需要者間に広く知られていたものであるところ、本件商標は、これと類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務にかかる商品であるかのごとく、その出所について混同を生じるおそれがある。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
(ア)本件商標は、前記のとおり「HITORI」の欧文字よりなるところ、かかる綴りは、英語その他の外国語をもって特定の語を表したとは理解し難いものであり、「一人(ひとり)」の意味を有する邦語のローマ字表記を想起、連想させるから、「ヒトリ」の称呼及び「一人(ひとり)」の観念を生じるものである。
他方、引用商標は、後掲のとおり「HISTORY」と、その下部にやや小さく「ICEBERG」の欧文字とを複数の細線を介して上下2段に横書きしてなり外観上一体的に看取させ、その構成文字の全体に相応して「ヒストリーアイスバーグ」の称呼を生じるものである。そして、上段の「HISTORY」の文字は、「歴史、履歴」の意味を有し、下段の「ICEBERG」の文字は、「氷山」の意味をもって比較的親しまれた英語であって、全体としては、特定の意味合いを想起し得ない造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
(イ)そこで、両者の類否についてみると、本件商標は、その構成文字に相応して「ヒトリ」の称呼を生じ、他方、引用商標は、「ヒストリーアイスバーグ」の称呼を生じること上述のとおりであり、両者はその構成音数、音の配列を著しく異にし、彼此聞き誤るおそれはなく、また、外観の点においては、両者の構成からみて外観を異にし、彼此見誤るおそれはない。さらに、観念の点においては、本件商標が「一人(ひとり)」程の意味合いを生じるものであるのに対し、引用商標は「HISTORY」の文字から「歴史、履歴」及び「ICEBERG」の文字から「氷山」の各意味合いを理解し、両者は判然と区別し得るものであって、また、全体としては比較し得ないものである。そうすると、本件商標と引用商標は何ら紛れるおそれのない非類似の商標であって、互いに別個の商標とすべきものである。
(ウ)上述のとおり、引用商標は外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであり、かつ、これより生ずるとみられる「ヒストリーアイスバーグ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるところ、これが申立人の主張のように構成上の差により、たとい構成中の「HISTORY」の文字部分をもって取引に資される場合があるとしても、これに相応して生じる「ヒストリー」(歴史、履歴)の称呼及び観念と本件商標より生じる「ヒトリ」(一人)の称呼及び観念とは、称呼の点において、5音と3音の音数の差異、すなわち「ス」の音の有無と語尾に長音を伴うか否か差異があり、加えてその観念の顕著な相違も相まって、明瞭に聴別でき彼此聴き誤るおそれはなく、また、その外観及び観念においても、両者が紛れるとする事由は見出せない。
(2)出所の混同のおそれについて
申立人より引用商標の著名性を立証するための証拠として提出された甲各号証は、「HISTORY ICEBERG」の文字が一連に表示されている平成1999年1月8日ないし2003年9月22日付けの衣料品等の送り状(甲第9号証の1ないし甲第13号証の4)、「HISTORY」とその下部にやや小さく「ICEBERG」の文字が上下2段に表示されている下げ札及び織りネーム(甲第14号証)、同じく上下2段に「HISTORY」と「ICEBERG」、「HISTORY」及び「History」の文字が表示されている衣類品のカタログ(甲第15号証)、同じく上下2段に「HISTORY」と「ICEBERG」の各文字が表示されている衣料品、手袋、帽子、ポーチ、靴やベルトの写真(甲第16号証)、及び同じく上下2段に「HISTORY」と「ICEBERG」の文字が表示されているアメリカの雑誌における広告('02 年2月号:甲第17号証)とするものであって、これら甲各号証によれば、「HISTORY」とその下部にやや小さく「ICEBERG」の欧文字とを上下2段に表示された商標ほか、各表示が商標として衣料品等に使用されていたことは認められるとしても、我が国における宣伝・広告の具体的状況、すなわち、広告の時期(期間)、地域、手段、方法、費用等の状況を客観的に明らかにし得るものでなく、かつ、当該商品の流通市場における評価、占有率などの事情も不明といわざるを得ないから、これら提出に係る証拠をもってしては、その使用に係る商標が本件商標登録出願前に我が国の需要者の間に広く認識され、かつ、著名性を獲得するに至ったものというのはその証拠方法をもっては、困難である。
そして、本件商標は上述のとおり、引用商標とは非類似の別個の商標であり、申立人の使用に係る一連に表示された「HISTORY ICEBERG」、上下2段に表示された「HISTORY」と「ICEBERG」、または「HISTORY」及び「History」の各商標についても、本件商標とは上述と同様に判断できるものである。そうすると、本件商標と申立人の使用に係る商標とは、何ら紛れるおそれのない非類似の商標であって、互いに別個の商標とすべきものであり、ほかに、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに申立人の使用に係る各商標を想起し、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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