Trademark Appeal Case
著名略称と混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−20884(T2003−20884/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「JAT」の文字を標準文字で書してなり、第39類「航空機による輸送」及び第41類「航空機の運転の教授」を指定役務として、平成14年6月14日に登録出願されものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、『Jugoslovenski Aerotransport(ユーゴスラビアの国営航空会社であるユーゴスラビア航空)」の略称として知られる『JAT』の文字を書してなるものであり、かつ、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)本願商標は、『Jugoslovenski Aerotransport(ユーゴスラビアの国営航空会社であるユーゴスラビア航空)』の略称として著名な『JAT』の文字を書してなるものであるから、出願人が、これを本願の指定役務に使用するときは、あたかもこれが前記の者の業務に係り、あるいは何らかの関係があるかのごとく役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「JAT」の欧文字よりなるものであり、その指定役務も第39類「航空機による輸送」及び第41類「航空機の運転の教授」とするものであるが、この第39類の「航空機による輸送」は、航空会社の提供する主たる役務であり、第41類の「航空機の運転の教授」もまた、航空会社の提供する役務と密接な関連を有する役務であるというのが相当である。
ところで、原査定の認定する「JAT」の欧文字3文字は、本願商標の登録出願前より、ユーゴスラビア連邦共和国の航空会社「ユーゴスラビア航空」の略称として、その後、2003年に「ユーゴスラビア連邦共和国」から「セルビア・モンテネグロ共和国」に国名が改称された現在は、該国の航空会社である「JAT Airways(ジャット航空)」の略称として、引き続き使用されているばかりでなく、国連の専門機関の一つである「国際民間航空機関」が定める各航空会社を3つの英数字で表す航空会社コード、すなわち上記社の3レターコードとして、現在使用されているものと同一のものである。
そして、これらのことは、例えば、インターネット上のサイト「航空会社コード一覧」「世界のエアラインコード」等の記載からも明らかであって、上記3レターコードは、航空業界において、世界共通のコードとして航空管制の業務で使用され、また、空港等においても目にする機会が少なくないものといえるものである。
以上のことから、「JAT」の欧文字は、我が国において、セルビアモンテネグロ共和国に所在する航空会社「JAT Airways:ジャット航空(その前身と認められるユーゴスラビア航空)」の略称として、本願商標の登録出願前には既に、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたのであり、その度合は、現在においても継続しているものと認めることができる。
また、本願商標と、上記「JAT航空」の略称である標章(以下「引用標章」という。)とは、その構成文字及び配列を同一にするものであるから、その称呼及びその外観において酷似し、その類似性の程度が極めて強いものと認められ、また、「JAT航空」が提供する役務と本願商標の指定役務との親近性の程度は、極めて強いものといわざるを得ず、さらに、「航空機による輸送,航空機の運転の教授」のような役務の性質上、需要者が一定の分野に限定されていることを考慮すれば、本願商標をその指定役務に使用するときは、少なくとも航空機の運航に従事する取引者・需要者が、引用標章を連想、想起し、該役務が「JAT航空」又は同社と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、審決のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。